<ユダヤ人入植地問題>米特使が中東へ 詰めの協議開始

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090912-00000069-mai-int
 【エルサレム前田英司】米国のミッチェル中東特使は12日から中東地域を訪問、イスラエル占領下にあるヨルダン川西岸のユダヤ人入植地問題で詰めの協議に入る。イスラエルに入植の「完全凍結」を迫る米国だが、和平交渉の早期再開にこぎ着けたいのが本音。イスラエルは「一時凍結」で決着を図る意向だ。ただ、パレスチナ側は入植継続の余地が残ることを懸念しており、特使滞在中の決着は微妙な情勢だ。

 イスラエルは「一時凍結」の見返りとして、既に平和条約を結んでいるエジプトとヨルダン以外のアラブ諸国が、自国との関係正常化に踏み出す確約を要求している。具体的には、利益代表部の開設▽イスラエル渡航者へのビザ発給▽航空路線の開設−−などとみられ、これらの実現と「一時凍結」をはかりにかけている状態だ。

 イスラエルは7日、西岸の入植地で住宅455戸の新規建設を正式に承認。9日には、67年に占領後、自国領に併合した東エルサレムでも486戸の増設業者を選定した。「一時凍結」の決断前に、入植推進を訴える連立与党内の右派・強硬派を懐柔する狙いがあるとの見方が有力だ。

 米国は東エルサレムを含む全占領地での入植凍結を迫ってきたが、イスラエルは拒否。両者の溝が埋まらないまま、今月下旬の国連総会の際に米、イスラエルパレスチナの3首脳会談を開く可能性が浮上している。

 これに対し、パレスチナ自治政府筋は「米国は仲介役としての『成果』を示すため、交渉の再開を優先したいようだ」と警戒する。入植の「完全凍結」を交渉再開の条件に掲げるが、米・イスラエルが「一時凍結」で妥結すれば、圧力が強まるのは必至だからだ。

 パレスチナ側はアラブ諸国に連携を働きかけているが、自治政府内からは「国連総会には代理を送り、アッバス議長は欠席するのが次善の策ではないか」との声も漏れている。

 米露、欧州連合、国連の4者が03年に提示した和平交渉の土台・新中東和平案(ロードマップ)は、イスラエル側の第一の履行義務として、全入植活動の凍結を要求。欧州や国連は、先のイスラエルの住宅承認に批判を強めており、米国の調整力が問われている

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TopNews:6日
銀幕有情 セプテンバー11(カイロ)

まぁ入植地拡大なんてやめればいいのにとしか言いようがないですけどね。