米支援で整備のハイウエー、変わり果てた姿に アフガン

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090913-00000000-cnn-int
カブール(CNN) アフガニスタンの首都カブールと南部の主要都市カンダハルをつなぐ「ハイウエー1号線」は、米国が5年前、30億ドル(約2750億円)をかけて整備した高速道路だ。だがその後、イスラム強硬派勢力タリバーンによる攻撃の舞台となり、今ではすっかり変わり果てた姿を見せている。

米国の大規模な整備プロジェクトで、それまで穴だらけだったハイウエー1号線は生まれ変わり、カブールからカンダハルまでの約480キロに12時間かかっていた走行時間も、6時間に短縮された。ハイウエーは、同国の明るい未来へ続く道を象徴しているかのようだった。

だが今では、路肩爆弾の生々しい傷跡が点在し、走行時間も9時間に逆戻り。一帯を本拠としてきたタリバーンはハイウエー上の少なくとも3カ所に私設の検問所を置き、バスを乗っ取って乗客らを殺害するなどの攻撃を激化させている。

「あちこちで爆発が起きて、道路はぼろぼろだ。治安対策などどこにもない」と語るのは、トラック運転手のモハメド・カシムさんだ。

アフガンでは今も、タリバーンと戦闘を続ける北大西洋条約機構NATO)主導の国際治安支援部隊ISAF)の兵士や同国治安部隊、さらに民間人の死傷者が増え続けている。先月実施された大統領選も不正疑惑の続出で混乱。国家再建への道はまだ遠いとの見方が強まっている。ハイウエー1号線の変わり果てた姿は、米国の対アフガン戦略の「失敗」を象徴しているかのようだ。

しかしカシムさんは、路上の穴をよけ、命の危険にさらされながら、それでも週に一度、燃料を積んだトラックを走らせる。「私には3人の子どもがいる。食べていくにはこの仕事を続けるしかない」と、あきらめの表情でつぶやいた。

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非軍事の援助も受け入れる側の体制がそろっていなければ何にもならないということですね。