「鳩山氏は選挙モードから統治モードに」オースリン米AEI常任研究員

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090913-00000532-san-int

 先月末の総選挙で大勝した民主党を中心とした連立政権の誕生が、今後の日米の同盟関係に与える影響について、米保守系シンクタンクAEIのマイケル・オースリン常任研究員に聞いた。(ワシントン 有元隆志)

 −−オバマ大統領と次期首相となる鳩山由紀夫民主党代表は今月上旬の電話会談で、日米安全保障体制を堅持することで一致した

 「総選挙での大勝により民主党が解散に踏み切ることは当面ないだろうから、オバマ大統領はこの任期の4年間のほぼ同じ時期を民主党政権と付き合うことになる。オバマ大統領と鳩山氏は単に個人的信頼関係を構築するだけでなく、共通の利益をみつけだし、遂行していく必要がある。外交経験の乏しいオバマ大統領は他国の首脳といかに協力していくか習得の途中にある。鳩山氏も閣僚になったことはない。緊密に協力していくことは両者の利益になる」

 −−民主党は米軍再編や在日米軍のあり方の見直しなど、これまでの日米合意の変更を目指す方針を掲げた。民主党の立場は日米同盟に悪影響を与えるか

 「鳩山氏は首相に就いたら、直ちに選挙モードを統治モードに変えなければ、成功を収めることはできない。選挙戦と実際に統治することとはまったく異なる。

 例えば鳩山氏はオバマ大統領に核兵器を日本に持ち込まないよう説得するとの方針を示したが、選挙戦での言葉遣いと現実は異なる。鳩山氏が首相となって防衛省や外務省の説明を聞いても考えを変えず、米国による核の傘による拡大抑止とは異なる方向を選択したとしたら、日本の安全保障体制の根本的な変更を意味する。これが現実的な選択なのか、鳩山氏は答えを出す必要がある。

 民主党は米軍再編計画の見直しも求めているが、米政府はすでに計画の変更に応じる考えのないことを明確にしている。鳩山氏が再交渉をしたいというならば、なぜ再交渉する必要があるのか、再編の目標はいったい何なのかを明確にしなければならない。単に現在の計画には応じられないというのでは説得力がない

 −−民主党は選挙戦で「アジア重視」も掲げた

 「日本が自らの経験に基づきアジア諸国の民主主義の発展や経済成長に貢献したいというなら、米国も歓迎するだろう。ただ、現実問題として日本が現在、アジア諸国と協力してできることには限界がある。彼らは本当の同盟国は米国であることがわかるだろう。米国と協力した場合、日本はアジアにおいて重要な役割を果たしていける

 −−鳩山氏は将来の「アジア共通通貨」を視野に入れた「東アジア共同体」の創設を目指す考えを示している

 中国でアジアの共通通貨の構想が出たことがあるが、話題として出すことと現実とは異なる。ドルに代わる安定して、信頼性のある通貨はいまのところない。アジアの異なる国々の通貨を統合することは直ちにおきることはなく、米国も懸念する必要はない」

 −−来年は日米安全保障条約が改定されてから50周年にあたる。日米両政府内には、同盟関係の深化を図るため新安保宣言をとりまとめたいとの意見がある

 「再編に関するこれまでの合意を履行せずして、新しい合意を結んでも信頼性に欠ける。民主党が代案もないままに米軍再編計画の見直しを進めていこうとするなら、仮に新宣言をまとめても、実質的な内容を伴うものにするのは困難といえるだろう」

 −−民主党自民党出身者、社民党出身者など党内に多様が意見がある

 「米国としては何がおきるか見守るしかない。われわれができることはほとんどない。民主党は困難な選択をしなければならない。ときには妥協も必要だろう。日米の協力関係が損なわれず、前進するように願っている」

 −−今回の総選挙での政権交代の実現で、日本に2大政党制は根付いたとみるか

 「2大政党制は米国人にとってはなじみの深いもので、ほとんどの米国人は日本も2大政党制になったほうがいいというだろう。今後、日本が戦前の一時期にあったように2大政党制となっていくのか、あるいは民主党の長期政権が続くのか、それとも民主党が失敗し、自民党が再び政権を奪還し、長く統治するか、3つの可能性がある。政党間の競争があり、選択肢があるほうが日本国民にとってよいことだと思う。すべては民主党次第だ」

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オースリン AEIでは、結構引っかかりますね。東アジアに対していろいろといっているようです。
http://news-net.ddo.jp/cgi-bin/estseek.cgi?phrase=%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%B3+AEI&perpage=100&clip=-1&navi=0&attr=&order=_date_

ただ、Michael Auslinではあまり引っかかりません。有名じゃないんでしょうか。
http://news-net.ddo.jp/cgi-bin/estseek.cgi?phrase=Michael+Auslin&perpage=100&clip=-1&navi=0&attr=&order=_date_

また日米関係では次のような記事もあります。
米空母が引き揚げる日 「親中非日」の始まり

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090913-00000543-san-pol
 米国の「民主党政権」の安全保障政策が信用できない。中国に逡巡(しゆんじゆん)し、最新鋭戦闘機F22の対日輸出も渋っている。本当に「親中非日」路線に舵を切るか否かを見極める手段の一つに、米原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)の動静がある

 台湾総統選挙の1996年、中国が台湾近海にミサイルを発射し、台湾独立への流れにくさびを打ち込もうとした際、米国は空母2隻を台湾海峡に急派し、中国に警告した。だが、ウイグル人弾圧への反応一つをみても「自由と民主主義」を守る気概は、米民主党政権に感じられない

 むしろ中国に配慮して、神奈川県横須賀市を事実上の母港とするGWのプレゼンスを意図的に低下させる悪夢も、しかとは払拭できない。対米協力を今以上に限定しようと身構える、日本の「民主党政権」の誕生は、その悪夢を引き寄せ始めている

 実は、冷戦時代にも同種の国難に直面している。米ソの戦略核が「恐怖の均衡」を保ち、中国のミサイルが米本土に到達しなかったことで、米国が東アジアの友好国に核の傘を提供しないのではないかとの危惧が広がったのだ。そうした中、米国は通常型空母ミッドウェイに任務付与する際、初めて横須賀に乗員・家族を住まわせた。1973年のことだった。横須賀には度々、空母が寄港してはいたが、この時が事実上の母港を設けた最初である。そもそも、空母は軍事的プレゼンスを通して政治的コミットメントを示す戦略兵器。戦術核による報復手段も有しているから、横須賀の「母港」化は、米国の核の傘が「破れ傘」ではない印象を内外に強く印象付けた

 そして昨年9月、GWが横須賀に入港した。米空母唯一の海外拠点で当然、原子力空母の「母港」化も史上初のことだ。ブッシュ政権下の2006年に米国防総省が公表した「4年ごとの国防計画見直し」は太平洋の戦略・経済的重要性に注目し、空母11隻の内6隻を、潜水艦部隊の60%を、この地域に展開させる方針を明確にした。GWは、その6隻目の空母だった。

 ベトナム戦争終結を念頭にした1970年のニクソン・ドクトリンは、米国は自らを太平洋国家と位置付け、同盟国を守るとしながらも、諸外国の防衛は一義的にはそれぞれの国が負うべきだと「責任分担」を求めた。議会からの国防費削減圧力や徴兵制度廃止などもあって、海外基地・兵力削減を断行した。空母も例外ではなく、ソ連海軍への対抗上、15隻が必要だと主張した米海軍の反対を押し切って、18隻から12隻へと削減された。

 米海軍が戦力やコミットメント維持のため空母の展開期間を延長したことで、家族との別居期間も長期化し、入営希望者は激減した。その対策が空母の国外における「母港」設定方針であった。「母港」化により展開期間短縮と、1日1億円といわれる空母運用費の削減を図ったのだ。

 冷戦後も引き続き、空母の兵力投射能力は日本をはじめ、世界の安全保障環境に大きく影響をする。しかも、世界同時不況や、ゲーツ米国防長官が国防費の一部大幅削減などを公言している現状は、ニクソン・ドクトリン時代と結果的には共通する部分がある。従って「母港」の必要性も引き続き、極めて高い。

 見方を変えれば、GWが戦略的位置をはじめ、修理能力、支援施設など「母港」としては世界一の条件を満たしている横須賀を去る日は「親中非日」の始まる日だといえる。コスト負担増、展開期間の長期化による士気の低下を覚悟してでも、グアムやハワイまで下がるのであれば、台湾海峡有事を含む、中国軍による東シナ海南シナ海への侵出を黙認するシグナルに他ならない

 太平洋を隔てた日本にも「民主党政権」が誕生するが、その対米姿勢は“けんか腰”で、米民主党政権を「親中非日」へと誘っているかのようだ。党内にも連立相手にも「親中」を外交信条とする議員・秘書・党職員が闊歩している。日米「民主党政権」の安保戦略は期せずして、同じベクトルを形成し始めたのか。まさか、であってほしい。

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アメリカの政策にはときに批判的な僕ですが、アメリカとの関係を見直して一から安全保障問題を考えるのは無茶だと思っています(ちなみに自民に投票しました)。あまり急激な変更がなければいいなと思っています。

ジョージ ワシントンの動向はこちら↓をどうぞ。
http://news-net.ddo.jp/cgi-bin/estseek.cgi?phrase=%E7%A9%BA%E6%AF%8D+%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8+%E3%83%AF%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3&perpage=100&clip=-1&navi=0&attr=&order=_date_