<ロシア大統領>ガス問題で「和解」…トルクメニスタン訪問

トルクメニスタン

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090913-00000046-mai-int
 【モスクワ大木俊治】ロシアのメドベージェフ大統領は13日、中央アジアトルクメニスタンを訪れ、カスピ海沿岸のトルクメンバシでベルドイムハメドフ大統領と会談した。両者は、今年4月にトルクメンで起きた天然ガスパイプラインの爆発事故以来、供給が止まっているロシア向けガスの早期供給再開で合意し、供給停止で悪化した関係の「和解」を印象づけた。

 トルクメンは推定埋蔵量で世界4位とされる豊富な天然ガス資源の輸出先拡大を狙って中国や欧米との関係構築を進めており、これまで輸出ルートを独占してきたロシアは、ガス争奪戦でトルクメンのつなぎとめを狙っている

 インタファクス通信によると、会談でベルドイムハメドフ大統領は、「(供給再開への)問題はすでにない」と述べた。同席したロシアのプリホチコ大統領補佐官は記者団に、ロシア政府系天然ガス独占企業ガスプロムトルクメン側が、近く再開に向け協議を行う見通しを明らかにした。

 4月のパイプライン事故で、トルクメンは「ロシアの輸入量急減が事故の原因」とロシアを非難し、パイプラインの老朽化が原因とするロシアと対立。価格や輸入量をめぐる対立も表面化した。ロシアは自国産ガスにトルクメン産の安いガスを混ぜウクライナや欧州に輸出してきたが、トルクメンからの直接調達を目指す欧州に対抗するため昨年、国際価格での購入を約束。しかし、その後の世界的な経済危機によるガス需要の低下から輸入量の削減を提起し、これにトルクメン側が反発していた。

 カスピ海からロシアを迂回(うかい)してガスを運び出すナブッコ」パイプラインの建設を推進する欧州は、トルクメンのガスを供給源の一つに想定し協力を働きかけてきた。一方、今年12月にはトルクメンから中国への直通ガスパイプラインが完成、中国への供給が始まる見込みで、トルクメン産ガスをめぐる欧州、ロシア、中国の争奪戦が激化している。

 こうした中、ウクライナのユーシェンコ大統領も14日からトルクメンを訪問。今月下旬にはベルドイムハメドフ大統領が国連総会出席のため訪米し、資源を武器にしたトルクメンの多角的外交も注目されている。

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ナブッコパイプライン
確かにカスピ海を横断すればトルクメニスタンからナブッコにつなげそうですね。