神鋼の技、低質原料に光 カザフに新型製鉄炉建設へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091104-00000025-fsi-bus_all
 神戸製鋼所が、独自開発した次世代製鉄技術「ITmk3(アイティ・マークスリー)」による新型製鉄炉をカザフスタンに建設する方向で現地企業と最終調整に入ったことが4日、分かった。次世代技術は、低品位の鉄鉱石と石炭から鉄鋼の母材となる高純度の鉄の塊を生産できるのが特長。新興国の経済成長や資源メジャーの寡占化で優良鉄鋼原料の争奪戦が今後激化するのは確実なだけに、神鋼は新型では第2号商業炉となるカザフのプロジェクトを弾みに、次世代技術の世界的な普及につなげたい考えだ。

 ◆技術使用料を取得

 新型炉はカザフの総合資源会社SBSグループが計画している製鉄所の上工程に導入される方向で、交渉は年内にもまとまる見通しだ。神鋼が新型炉の設計を手掛け、技術のロイヤルティー(使用料)を取得する

 カザフでは石炭のほか、通常だと廃棄される低品位の鉄鉱石が多く採掘され、同国政府もこれらの資源の有効活用に向け新型炉の建設を後押ししている。

 一方、第1号商業炉は米電炉大手のスチール・ダイナミックス(SDI)が総工費約260億円を投じて米ミネソタ州に建設中で、今月にも完成する予定。来春をめどに量産化に入り、近隣鉱山でとれる鉄鉱石を原料に年50万トンを生産する。

 新型炉の建設に向け、神鋼は米鉱山会社クリフス・ナチュラル・リソーシズとも合弁会社を立ち上げ、事業化調査を進めているが、昨年の金融危機の余波で資金調達のめどが立っていない。このほかインド、ウクライナベトナムの鉱山会社などが関心を示しているという。

 従来の高炉方式では高品位の鉄鉱石や石炭を使って製鉄炉1基当たり年数百万トンの鉄鋼母材を生産。これに対し、ITmk3は1基当たり年50万トンに過ぎないが、生産時間は高炉方式の8時間に比べ約50分の1の10分。巨大設備が不要なため建設コストが大幅に抑えられ、二酸化炭素(CO2)排出量も高炉より約2割減る利点がある。

 ◆優良品に調達不安

 優良鉄鋼原料の需要は昨年秋以降の世界同時不況の影響で落ち込んだが、最近は中国などアジアで急速に回復しつつあり、資源メジャーも英豪系とBHPビリトンがオーストラリア国内の鉄鉱石事業の統合を打ち出すなど寡占化を一段と進める動きに出ている

 優良原料の埋蔵量は限られており、資源メジャーの価格支配力が強まれば、安定調達に“黄信号”がともる。低品位の原料を活用できるITmk3は世界市場で飛躍する武器になる可能性を秘めており、神鋼の佐藤広士社長は「製鉄炉の受注・建設と、ロイヤルティービジネス、自ら海外に製鉄炉を建設して生産・販売するビジネスの3分野を新たな収益の柱に育てたい」としている。(本田誠

中央アジアが韓国にラブコール(上)
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090615/p2
では

中央アジア最大の資源大国であるカザフスタンには、しばしば「メンデレーエフ周期表上のあらゆる資源を持つ祝福された土地」という修飾語が付く

と書かれていましたが、低品質の鉄鉱石が多いんですね。ともあれこの記事の内容は非常に期待できるものと思います。

資源メジャーの話も出ていますが、中国も
中国企業の権益、豪が相次ぎ認可 鉄鉱石やウラン

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091030AT2M3002K30102009.html

 【シドニー=高佐知宏】オーストラリア政府は30日、中国鉄鋼大手の宝鋼集団による豪鉄鉱石・石炭中堅アクイラ・リソーシズへの19.99%の出資を認可した。これに先立ち、中国原子力発電大手の中国広東核電集団によるウラン探査中堅エナジー・メタルズへの70%出資も認可しており、中国勢の豪資源権益取得の動きが再び活発になりそうだ。(00:26)

と豊富な資金をもとに権益確保に余念がないという感じなので注意が必要なのではと思います。