イラク選挙法案、副大統領が拒否 来年1月実施困難か

http://www.asahi.com/international/update/1118/TKY200911180472.html
2009年11月18日23時55分

 【エルサレム=井上道夫】イラクハシミ副大統領(イスラムスンニ派)は18日、来年1月予定の国民議会選実施のための選挙法案について承認を拒否したことを明らかにした。選挙が大幅に遅れる可能性は現実味を増しており、米軍のイラク撤退計画にも影響を与えかねない。

 ロイター通信などが報じた。ハシミ氏は、宗派間抗争で国外に逃れた難民の意思を「選挙に反映させる必要がある」と説明したという。難民の多くはスンニ派だ。

 選挙に関しては、議会が今月8日に選挙法案を可決。これを受けて、来年1月21日に選挙を実施する案が大統領評議会(正副大統領3人で構成)に提出されていた

 法案成立には同評議会全員による同意が必要。ハシミ氏が拒否権を行使したため、法案は議会に差し戻され再審議されるとみられる。

 一方、シーア派のマリキ首相は18日、「拒否権行使は国益を考慮していない」との声明を発表、ハシミ氏を批判。選管に日程通り選挙準備を進めるよう働きかけるという。

この件に関してはクルド人からも反対意見がでてますよね。

クルド人側も不参加警告 イラク議会選、懸念拡大

http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/091118/mds0911180031000-n1.htm
 イラク北部クルド人自治区のバルザニ自治政府議長は17日の声明で、イラク連邦議会が先に承認した、来年1月の同議会選を実施するための選挙法案によるクルド人への議席配分は不公正だと主張、配分が再検討されなければ「自治区住民は選挙ボイコットを迫られる」と述べ、強く警告した。AP通信が伝えた。

 アラブ系イスラムスンニ派のハシミ副大統領が15日、選挙法案は国外に逃れた難民の権利を十分保障していないとして法案承認に拒否権発動の構えを示唆。16日にはクルド人のタラバニ大統領も大統領評議会(大統領と2人の副大統領で構成)が議会に一部修正を求めたことを明らかにするなど、選挙日程遅れの懸念が広がっている。(共同)

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民族や宗派の問題は今の日本人には分からないくらい深刻ですよね。しかし選挙がずれ込めば米軍撤退にも影響が出て大問題になりますね。