アフガン:外国人戦闘員5千人続々越境 アルカイダと連携

http://mainichi.jp/select/world/asia/news/20091119k0000m030156000c.html
 【ニューデリー栗田慎一】パキスタン軍がアフガニスタン国境に隣接する部族支配地域、南ワジリスタンで10月に武装勢力組織「パキスタンタリバン運動」(TTP)への掃討作戦を開始して以降、この地域でTTPと連動していた国際テロ組織アルカイダと関係のある中央アジアや中東などからの外国人戦闘員約5000人が越境し、アフガン北部州に集結していることがアフガン情報機関の調べでわかった。

 旧支配勢力タリバンとともに、中央アジアからの北大西洋条約機構NATO)軍向け補給路の封鎖に乗り出し、米軍の増派計画を根底から揺さぶる狙いとみられる。

 TTP掃討作戦は17日で1カ月を迎えた。米国は「アフガンの安定にはパキスタンの安定が不可欠」とみて、パキスタンに5年で75億ドルの民生支援を行う代わりに軍事作戦の強化を求めたが、アフガン情勢は悪化の一途をたどっている。

 外国人が集結しているのは、中央アジアと国境を接するクンドゥズ、バルフ両州と、両州からカブールへ向かう幹線道路が合流するバグラン州の州都プルハムリ周辺。州警察幹部は取材に「警察車両で州都を一歩出れば、ロケット砲の攻撃に遭う」と述べた。

 NATO軍物資の8割が通過していたパキスタン側で昨秋以降、TTPによる物資輸送車両への攻撃が激化した。このため、米国はタジキスタンなどと代替輸送路の交渉を開始し、現在、中央アジアからの輸送が本格化している。

 これに対し、タリバンは8月からアフガン北部地域の輸送路沿いで勢力を急拡大。9月4日にはクンドゥズ州でNATO軍向け燃料輸送車を強奪し、同州駐留ドイツ軍の要請で米軍が空爆した。しかし、多くの市民が巻き込まれたことで、タリバンの勢力浸透を懸念した駐留米軍司令官が異例の現地視察をするなど、輸送路の安全確保に腐心してきた。

 一方、パキスタンのギラニ首相は17日、「南ワジリスタンの8割を掌握した」と述べ、近日中の作戦終結を示唆。しかし地元紙は、TTP幹部やメンバーの大半が隣接地域に拠点を移したと報じ、「米国が戦線を拡大するよう圧力を掛けるのでは」と懸念している。

 パキスタンではTTPによる掃討作戦への報復テロで市民500人以上が死亡。米国との「対テロ」同盟関係の見直しを求める世論が再燃している。

 ◇TTPとタリバン

 TTPは、タリバン戦闘員だったパキスタン人のベイトラ・メスード氏が07年に南ワジリスタンで設立し、総司令官に就任。国内の他の武装勢力とも共闘関係を結び、パキスタン側のタリバン支援体制を築いた。現在はパキスタン側でNATO軍輸送路攻撃を指揮したハキムラ・メスード氏が率いる。

毎日新聞 2009年11月19日 2時30分

今日書いた別のエントリ
<アフガン>タリバン兵8400人離脱 「和解」事業に応じ
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20091120/p2
とは反対にアフガンでタリバンが増えていると言うことですね。やはりアフガニスタンの情勢は複雑です。