<ドイツ>アフガン空爆で情報隠し 政界ゆるがす問題に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091219-00000048-mai-int

 【ベルリン小谷守彦】アフガニスタン北部で多数の民間人が死亡した9月4日の米軍空爆をめぐり、空爆を依頼したドイツ軍が「民間人はいなかった」などと事実とは違う説明をしていたことが、独政界をゆるがす問題に発展している。連邦議会国防委員会は調査委員会を作り、首相や国防相など多数の参考人を呼ぶ徹底した調査を行おうとしている。

 空爆現場に民間人がいた事実をメルケル首相やグッテンベルク国防相がいつ知ったかが最大の焦点だ。メルケル首相は9月末に行われた総選挙への影響を恐れて、選挙前に軍の失態を明らかにしなかったのではないかという疑念を持たれている。また、選挙後に国防相となったグッテンベルク氏は11月6日の記者会見で「空爆は軍事的に適切だった」と述べていたが、この時点で既に、真相を記した調査報告書に目を通していた疑いが省内部で指摘されている。政府首脳への報告が本当に遅かった場合、軍に対する文民統制のあり方が問われることにもなる。

 空爆要請には、タリバン幹部らの殺害を狙う独陸軍の特殊部隊がかかわっていた。秘密のベールの下で戦闘行為を繰り広げていた特殊部隊の実態は、アフガン派兵への反対論も多い世論をさらに硬化させる可能性がある。この問題で国防省事務次官と軍トップの統合幕僚長は11月26日に引責辞任。さらに、空爆時に国防相だったユング前労働相も「事実を知らされていなかった」と釈明して、翌27日に労働相を辞任した。

 ドイツは、アフガンに展開する国際治安支援部隊に約4000人を派遣している。だが、オバマ米政権による増派要請に対しては「総合的戦略が必要」などとして態度を明確にしていない。

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数日前には

独軍関与のアフガン空爆で「新事実」続々

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091214-OYT1T00756.htm

 【ベルリン=三好範英】アフガニスタン北部で9月初旬、ドイツ軍の要請による空爆で地元住民に多数の死者が出た問題を巡り、独メディアの報道で「新事実」が次々と明らかになって、メルケル政権は苦しい対応を迫られている。

 南ドイツ新聞(12日付)は、空爆はアフガンの旧支配勢力タリバン戦闘員の殺害が目的だったとのアフガン駐留国際治安支援部隊(ISAF)の報告書内容を報じた。ドイツ政府はこれまで、空爆の目的は、タリバンに奪われた燃料輸送トラックがテロに使われないよう、トラックを破壊することにあったと説明してきた

 報道が事実なら、政府のこれまでの説明と矛盾するだけでなく、平和維持活動のため、という独軍の駐留目的も逸脱していることになるため、野党は政権批判を強めている。

 また、ビルト紙(10日付)は、空爆の実施にドイツ陸軍特殊部隊(KSK)が関与していた、と報じた。少なくとも5人の特殊部隊員がアフガン北部クンドゥズに駐屯する独軍隊司令官の指揮下で、情報収集や米軍機の派遣要請などを行っていたというもの。ドイツ政府は、特殊部隊のアフガンでの活動内容については明らかにしていなかった

 一連の報道を受け、16日に活動を開始する議会調査委員会で、メルケル政権の対応が厳しく追及されることは必至だ。

 空爆は9月4日、クンドゥズ近郊で、独軍の要請に基づき、北大西洋条約機構NATO)の米軍機により実施された。ISAF報告書によると、空爆でトラック周辺にいたタリバン戦闘員60〜80人、民間人30〜40人が死傷した。11月には、民間人犠牲者が出たことを隠していたとして、シュナイダーハン軍総監、ユング労働相(空爆当時国防相)が辞任に追い込まれている。
(2009年12月14日18時54分 読売新聞)

という記事がありました。結構大変な問題になっているようです。