ミリタリー・バランス タリバン勢力拡大 30→160

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100204-00000059-san-pol
 ■「再統合」31年の内戦が影

 【ロンドン=木村正人】英国の国際戦略研究所(IISS)は3日、世界の軍事力を分析した年次報告書「ミリタリー・バランス2010」を発表。アフガニスタンイスラム原理主義勢力タリバンが影響力をふるう地方が2003年から08年末までに30から160に拡大し、全体(364地方)の44%を占めるようになったと指摘した。日英が主導するタリバンの「再統合(社会復帰)」についても「31年に及んだ内戦が複雑な影を落としている」と悲観的な見通しを示した。

 報告書は、アフガンと、パキスタン辺境でタリバンと系列2勢力、国際テロ組織アルカーイダと系列6勢力、その他7つの反政府勢力の計17勢力が活動していると分析。08年10月から昨年4月にかけ攻撃は6割も増えた。路肩爆弾による攻撃はアフガン大統領選前の昨年7月には前年同月比で倍増し828回。自爆テロも都市部で政府機関を攻撃する際の主要戦術になり、北大西洋条約機構NATO)加盟国の犠牲者は急増した。

 タリバンなどの資金源について、米中央情報局(CIA)は「複数のイスラム組織からの資金提供が麻薬による収入を上回っている」と警告している。

 ロンドンで開かれたアフガン国際会議では日英両国が主導して、投降したタリバン下級兵士に金銭や仕事を提供して社会復帰を促す「再統合」のための基金設立が決まった。計画の初年度分として各国が計1億4千万ドル(約126億円)の拠出を表明した。

 報告書は、1978年のクーデターで共産主義の人民民主党政権が発足し、特に92年に同政権が崩壊して以降、タリバンと反タリバン北部同盟の内戦が続いていると指摘。現在のカルザイ政権に人民民主党の生き残りが多数参加する一方で、ソ連のアフガン侵攻の際、西側が支援したムジャヒディン(イスラム戦士)がタリバン側につくなどの合従連衡が「再統合の見通しを複雑にしている」との見方を示している。

 一方、中国の軍事力について報告書は、陸軍に比べ海空軍の近代化が進んでいると指摘。2004年には艦艇の7%しか近代化されていなかったが、08年には25%に達し、潜水艦でも近代化率は10%以下から46%に、多様な任務がこなせる第4世代戦闘機の普及率も10%から20%に増えた。

 08年以降、作戦や訓練で中国は
(1)資源や通商の輸送ルート確保
(2)テロ対策
(3)ソマリア沖での海賊対策−など「多角的な任務」に優先的に取り組んでいると、報告書は分析している。

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アフガニスタンに関しては、タリバンの背後にはパキスタンがいますし、北部同盟の背後にはインドがいますし、複雑ですね↓
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20081028/1225198821

中国に関しては日経新聞が予算について触れてます
中国、軍の近代化加速 10年版ミリタリー・バランス
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100204ATGM0303J03022010.html

 【ロンドン=岐部秀光】英国際戦略研究所(IISS)は3日、世界の軍事情勢についてまとめた年次報告書「ミリタリー・バランス2010」を発表した。報告は中国が軍の近代化に自信を深め、国際安全保障の舞台でより大きな役割を果たそうとしていると分析。中国の実際の国防関連支出が公式予算のおよそ1.4倍に膨らんでいるとの試算を明らかにした。

 チップマン所長は「中国軍が増大する経済やエネルギー利権の保護など非伝統的分野に活動を広げている」と指摘した。

 報告は、国外での兵器購入や研究開発費を加えた中国の国防関連支出の合計が08年で831億ドルと、同年の予算(601億ドル)を大幅に上回り国内総生産(GDP)の1.88%に達したとの試算を公表。 09年の国防予算は703億ドルという。 (07:00)

IISSのページはここみたいですね。お金を払わないと見れないみたいですが。
http://www.iiss.org/publications/military-balance/

ところで日本についてどう書いてあるのか非常に気になるのですが、同じイギリスからの意見として
あきれるしかない!「中国への恋慕バブル」を膨らませ続ける鳩山民主党政権―英経済誌
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20100202/p2
と言うのがありました。