イラン、80年代に核兵器購入図る=100億ドルでパキスタンから−米紙

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100315-00000020-jij-int
 【ワシントン時事】14日付の米紙ワシントン・ポストは、パキスタンの「核開発の父」カーン博士が自宅軟禁中の2004年、同国政府の取り調べで、イランが1980年代末に100億ドルで核兵器を購入しようとしていたことを証言したと報じた。

 同紙が入手した文書によると、パキスタンのベグ元陸軍参謀長が軍事予算への支援と引き換えに、イランに核兵器売却を約束。イラン側は約100億ドルの支援を提示し、シャムハニ元国防軍需相が核兵器3発を購入するためイスラマバードを訪れた。

 しかしパキスタン政府内部で核兵器売却に否定的な意見が強まり、核兵器を売却しない代わりに、核爆弾開発に関連する図面やウランを濃縮する遠心分離機の部品を引き渡すことになったという。 

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ブット元首相「帰国し総選挙戦う」
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070715/1184516780
に書いたのは、新聞と

インド対パキスタン―核戦略で読む国際関係 (講談社現代新書)

インド対パキスタン―核戦略で読む国際関係 (講談社現代新書)

の内容をあわせると、ブット元首相が70年代半ばに核開発の費用集めのために中東各国を回った話が出てきますが、ブット首相は売っても2億〜3億ドルにしかならないと言ったとか、リビアが5億ドルをかなり超える額を提示したとか、カダフィ大佐は、ブット首相に対し「80億ドルを提供するから、開発に成功したらその第一号の原爆を譲って欲しい」といったとか出てきます(というか上のエントリのリンク先見たほうがはやいかと)。

今回の100億ドルというのはかなりの金額ですが、ブット首相の費用集めのときイランは100億ドルを提示したのか。その上でブット首相は2億〜3億ドルにしかならないと言っていたのか。と疑問が残ります。

またカーン博士が独断で核拡散させたという事になっているんでしょうが、個人相手に100億ドルの取引というのも額が大きすぎるような気がします。

イラン・イラク戦争の間の話だと思うのですが、そのころはパキスタンも核実験は行っていなかったわけで、実験もせずに100億ドルと核兵器3発の取引は無理があるように思います。