中国核弾頭、国内で頻繁に移動 事故の危険も

http://sankei.jp.msn.com/world/america/100318/amr1003180000000-n1.htm

 【ワシントン=古森義久】中国の核兵器配備戦略の実態が米国政府に近い民間研究機関の調査報告により17日までに明らかにされた。中国は平時には約450発の核弾頭の大多数を中央部の秦嶺山脈の広大な地下基地に保管し、共産党中央軍事委員会の直轄下においているが、なお国内6カ所の核ミサイル基地との間で鉄道と高速道路を使い、頻繁に核弾頭を移動させているため、事故の危険度も高いという。

 「中国の核弾頭の貯蔵と操作システム」と題する同報告は、ワシントン地区に本部をおく「プロジェクト2049研究所」(所長・ランディ・シュライバー元国防次官補代理)により作成された。同研究所では、核兵器の安全管理には透明性と責任体制が最重要との観点から、秘密の多い中国の核戦略、とくに核弾頭の扱いに光をあてたという。

 同報告によると、中国は合計約450発(うち250発が大陸間弾道弾などの戦略核)と推定される核弾頭の大部分を、平時は秦嶺山脈太白山を中心とする地下トンネル網に保管している。この管理基地は「二十二基地」と呼ばれ、陜西省太白県に所在する。同基地は党中央軍事委員会胡錦濤主席)の指揮下にあり、核弾頭の安全管理から移動、実射までの権限を有する。人民解放軍では核ミサイルは戦略ミサイル部隊(第二砲兵)の管轄下にあるが、同部隊も「二十二基地」の指令に従うという。

 同報告は中国のこの集中的な核弾頭管理は日ごろの貯蔵や隔離という点での安全性や責任の度合いが高いと評価している。

 一方、同報告によると、中国は核ミサイルの発射基地として瀋陽、洛陽、黄山、西寧、懐化、昆明の6基地を機能させ、平時からそれぞれにごく少数の核弾頭をおいているが、情勢に合わせて「二十二基地」からの核弾頭を常時、出入りさせている。この頻繁な移動は中国が核の先制不使用を宣言し、先に核攻撃を受けてもなお十分な報復のできる核戦力を保つ戦略を取っているため、防御の弱いミサイル発射基地におく核弾頭を最小限としていることに原因するという。

 同報告は中国軍がこの頻繁な核弾頭の移動に一般にも使用される鉄道と高速道路を使うと指摘する一方、「二十二基地」自体が一部の弾頭を攻撃回避の確実な保存のため、夜間、特別な列車に乗せ、長時間、移動させ続けることも多いとして、「一般の鉄道や道路への高い依存のために交通網の破(は)綻(たん)からの危険への懸念がある」と強調している。

 同報告はその破綻の実例として(1)2008年5月の四川大地震の際、「二十二基地」弾頭移動駅の近くの鉄道トンネルで列車が脱線し、危険物質が露出された可能性が高い(2)同年2月に秦嶺山脈内の道路凍結で、大型車両がスリップして多重衝突し、弾頭関連の輸送に危険が生じた可能性が高い−と述べ、中国の核弾頭管理の危険を指摘した。

 「プロジェクト2049研究所」はアジアの安全保障を2049年までに確実にするという目標の下に08年に創設された。役員や研究員は国防総省国務省で長年、中国軍や核戦略を専門にした人たちが多く、今回の調査報告は国防総省で中国の核戦略研究を担当したマーク・ストークス氏を中心に作成された。

日米核密約への反発を弱めるためにこの情報を出してきたんでしょうか。しかし「プロジェクト2049研究所」と言うのは今まで知りませんでした。新聞サーチをしてみると http://news-net.ddo.jp/cgi-bin/estseek.cgi?phrase=%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88+2049+%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80&perpage=100&clip=-1&navi=0&attr=&order=_date_
同じく産経新聞
【日々是世界 国際情勢分析】日米中の微妙な三角関係
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091229/plc0912290843003-n1.htm

 日本人の妻の肩をつかむ米国人の夫、にじり寄る妻の愛人の中国人。そんな漫画が12月11日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)・アジア版に掲載された。FTの副編集長兼上級解説者、フィリップ・スチーブンズ氏によれば、日米中の状況は、漫画のような三角関係世帯(夫婦といずれか一方の愛人が同居する状態)になっている。

 日米関係は、米軍普天間飛行場移設問題で、静かな緊張状態が続いている。一方で、鳩山由紀夫政権は、東アジア共同体構想を唱えるなど、日中の政治的距離を縮めようとしており、米国を刺激している。それは、「アジアにおける米国の優位が、中国の台頭によって挑戦を受けている」形であり、日本も「長く続いてきた米政府との安保同盟の関係に課題を突き付けている」(FT)。

 日米関係を揺さぶっている直接の要因は普天間問題だ。だが、その背後には、大きな問題が存在する。鳩山政権は「米政府にあてがわれた追従的な役割を受け入れることを好まない」(FT)という性格を有しており、普天間問題は、地政学的変化をめぐる日米の相違を引き寄せる「避雷針」になっているだけだというのだ。

 米政府高官らが硬軟両様の態度で日本に普天間問題の解決を迫る中で、米有力紙には、鳩山政権に対し、米政府は忍耐を持って当たるべきだとの論調も散見される。

 例えば、ニューヨーク・タイムズ(NYT)のコラムニスト、ロジャー・コーエン氏は10日付のコラムで、「米国のいらだちは、鳩山民主党の一部にある、非現実的な“友愛の世界”幻想とともに抑えられるべきだ」と冷静な対応を呼びかけている。

 しかし、そんな甘い対応で大丈夫なのか。21日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)・アジア版で、シンクタンク、プロジェクト2049研究所のケリー・カリー非常勤研究員は、「(鳩山政権は)日本国民の最善の利益を守ってくれるのが、民主主義の米国か専制主義の中国かを自問する必要があろう」と警鐘を鳴らしている。

 米国は、妻を愛人に奪われかねない。そして日本にとって最悪のシナリオは、思わせぶりな態度を見せている自分が、夫からも愛人からも見捨てられることだ。

英文でのサーチでは、北朝鮮の事なども書いているようですね。
http://news.google.co.jp/news?q=project%202049%20institute&oe=utf-8&rls=org.mozilla:en-US:official&client=firefox-a&um=1&ie=UTF-8&sa=N&hl=ja&tab=wn

公式サイトは
http://project2049.net/
ですね。