イランでの待遇話せば死刑…脅迫、と記者証言

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100420-OYT1T00080.htm
 【ワシントン=本間圭一】昨年、取材のためイランに滞在中に逮捕され、スパイ罪で4か月近く身柄を拘束された日系米国人記者、ロクサナ・サベリさん(32)が、収監時の体験などをつづった「二つの世界のはざまで・イランでの生活と拘束(仮訳)」を3月末に出版したのを機にワシントンで本紙のインタビューに応じた。

 サベリさんは、自身が米情報機関の協力者だとの自白を当局から連日、迫られた過酷な経験を語り、「イラン当局は取材活動まで規制しようとしている」と批判した。

 フリー記者としてイランの社会情勢に関する書籍の出版を計画していたサベリさんは昨年1月末、テヘランの自宅から情報当局者4人に連行、収監された。

 サベリさんは拘束の理由について、「著書の取材を名目に保守派、改革派双方と接触、その内容を米国の情報機関に流したとの容疑だった」と明らかにした

 刑務所では「出版の資金提供者はだれか」「だれにインタビューしたのか」などと詰問が続き、サベリさんは精神的な苦痛から、最終的に自身がスパイだとうそをついたという。

 サベリさんはまた、昨年5月の釈放直前には、イラン当局者から「我々には世界中に情報員がいる。ここでの待遇を話したら、死刑執行令状に署名する」と脅され、刑務所での出来事を公表しないよう強い圧力をかけられたと打ち明けた

 さらに、昨年6月の大統領選後、政府が改革派への弾圧を強めている点に触れ、「刑務所では身体的拷問、女性への性的虐待も起こっている」と証言。民主的進展のためには「体制の構造変化が必要だ」と語り、権力全体の改革が不可欠との見方を示した

 サベリさんの新著では、収監体験に加え、米国生まれのサベリさんが少女時代から抱いていた父親の祖国イランへのあこがれ、2003年にイランに入国してからの困難な取材などが紹介されている。米国など英語圏で出版され、邦訳も検討されている
(2010年4月20日01時08分 読売新聞)

これは読んでみたいですね。邦訳版を待ちます。