スーダン反政府派、160人超死亡 政府軍と戦闘相次ぐ

http://www.asahi.com/international/update/0516/TKY201005160187.html
2010年5月16日20時43分

 【ヨハネスブルク=古谷祐伸】スーダンからの報道によると、同国西部ダルフール地方で、主要な反政府組織「正義と平等運動(JEM)」と政府軍との戦闘が14日まで相次ぎ、JEM戦闘員ら160人以上が死亡した。政府とJEMは2月、和平に向けて動き出したが、状況は振り出しに戻りつつある。

 スーダン政府によると、戦闘は14日、JEMの拠点だったダルフール西部ジェベルムーンで起き、JEM戦闘員108人が死亡、61人が拘束された。ダルフール南部ニャラ近郊でも13日、警察とJEMの戦闘があり、双方で約60人が犠牲になった。どちらが仕掛けたかについて、双方の主張が食い違っている

 ダルフール紛争は2003年、地元の黒人住民がアラブ系中央政府に蜂起して始まり、国連推計で30万人が犠牲になって最悪の人道危機と呼ばれる。反政府勢力が細分化したため、和平交渉は難航。今年2月、政府とJEMは和平交渉のルールを決めた枠組み合意に署名し、停戦した。しかし、JEMは5月、政府からの攻撃が続いていることを理由に交渉の一時中断を表明した。

過去記事を見ても和平がうまく行かなかったという事はわかるのですが、何が起こっているかについては記述があいまいです。
2010/03
スーダン>和平合意至らず、継続協議に ダルフール紛争
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100316-00000019-mai-int

 【ヨハネスブルク高尾具成】アフリカ北部スーダンの西部ダルフール地方の紛争を巡って先月23日、和平枠組み合意に調印したスーダン政府と主要反政府勢力「正義と平等運動(JEM)」などは、期限として定めた15日を過ぎても最終合意に至らずカタール・ドーハでの継続協議に入った。AP通信が伝えた。

 政府は4月に予定される大統領選など総選挙を前に最終合意を実現したい方向だ。しかし、和平合意に参加しているのは、20以上ある反政府勢力の一部だ。JEMは数百万人のダルフール避難民の選挙参加を求め、選挙の延期を要請。また、政府が他反政府勢力とも並行して交渉していることに不快感を示している。

 約30万人が死亡、270万人が難民・国内避難民となったダルフール紛争(03年発生)は「史上最悪の人道危機」と呼ばれ、先月の枠組み合意を受け、和平実現への期待が高まっている。

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バシル大統領の圧勝確実、主要野党ボイコット 11日からスーダン同時選挙
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100410-00000565-san-int

 【カイロ=村上大介スーダンで11日、24年ぶりとなる複数政党制による大統領選や国民議会(国会)選など同時選挙の投票が始まる。同国南部の内戦を終結させた2005年の包括和平合意に基づく選挙だが、主要野党は「不正」を理由にボイコットを表明、大統領選では長期独裁を続けるバシル氏の圧勝が確実。だが、「民主的な選挙」で勝利し、欧米の独裁非難をかわそうとの大統領の思惑は失敗に終わりそうだ。

 投票は13日までで、州議会選や南部大統領、南部議会選なども含め、6つの選挙が行われる。開票結果は18日に発表される予定。

 しかし、スーダン南部の内戦で政府軍と戦った反政府武装勢力の政治組織で、主要野党のスーダン人民解放運動(SPLM)は、与党・国民会議(NC)による「選挙不正」や西部ダルフール地方で紛争が続いていることを挙げ、大統領選や、北部州のほとんどで国民議会選や地方選をボイコットすると表明。選挙の4週間延期を求めて拒否された有力野党、ウンマ党もボイコットを決めるなど、混乱は広がっている。

 スーダンでは南部の分離独立を問う住民投票が来年1月に予定され、西部のダルフール紛争でも今年2月、主要反政府組織、正義と平等運動(JEM)が政府と和平に向けた枠組み合意に調印。今回の選挙は、内戦と紛争に明け暮れたスーダン正常化の行方を占うものとなるはずだった。

 スーダンでは1983年に北部のアラブ系イスラム教徒主導の政府が全土にイスラム法を導入、南部の黒人系キリスト教徒らとの間で内線が勃発(ぼっぱつ)した。89年の軍事クーデターでバシル准将が全権を掌握し、93年に大統領に就任。03年からはダルフール地方で黒人系住民が反政府運動を活発化させ、紛争が激化した。国連などは30万人が死亡したと推計。国際刑事裁判所(ICC)は09年、同紛争をめぐる戦争犯罪の容疑でバシル大統領に逮捕状を出した。

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タイやキルギスの問題は大きく取り上げられてるでしょうから、スーダンの問題を取り上げてみました。