ガザ支援船拿捕「銃声30分、足すくんだ」 活動家証言

http://www.asahi.com/international/update/0609/TKY201006090555.html

2010年6月10日1時16分


写真:強強行突入の様子を証言するクレクチオルさん(左)=イスタンブール、北川写す

 イスラエル軍によるガザ支援船団拿捕(だほ)事件で、支援船に乗っていた活動家らがこのほど、朝日新聞のインタビューに応じた。証言からは、9人が死亡し、多数が負傷した事件の現場が浮かび上がる。

 英国人の芸術家クリフ・ハンリーさん(61)はイスラエル軍の強行突入が始まった5月31日午前4時半ごろ、6隻の支援船のひとつマビマルマラ号の甲板で海を見ていた。暗闇のなか、軍用ボートとヘリが近づいてきた。乗客ラウンジに逃げ込んだ。「直後から銃声が聞こえた。30分間ほど続いたと思う。怖くて足がすくんだ」

 ラウンジに押し入ってきた兵士は、活動家の所持品のカメラを見つけ次第、銃でたたき壊した。服のポケットに入れていた撮影済みのメモリーカードを見つけると海に投げ捨てた。その後も体を調べられ、下着姿にさせられた。拿捕が完了すると、上部甲板に連行された。両手を縛られ、ひざまずく姿勢を取るよう命じられたという。

 トルコ人弁護士のフセイン・レバント・クレクチオルさん(43)は同じ船の甲板の最後部にいた。

 軍用ボートで船に接近した兵士が、突入のためフックが付いたロープを甲板に放り投げてきた。クレクチオルさんは仲間と棒で払いのけ、飲料水の瓶を兵士に投げつけて抵抗したという。

 ボートから銃声が響いた。消火ホースを持ってボート上の兵士に放水していた男性の胸のあたりに命中。男性は仰向けに倒れ、床は血に染まった。その直後、上空にヘリコプターが飛来。複数の兵士がロープを伝って上部甲板に降りてきた。

 銃声が聞こえ、船内は騒然となった。上部甲板の様子をうかがうと、多くの活動家が倒れていた。兵士は銃を水平に構えていたという。

 最終的に、別の活動家が5人の兵士を拘束し、機関銃などを奪ったが、「こちらは発砲していない」と話す。

 イスラエル軍の小型艇の船影を最初に確認したのは30日午後11時ごろ。活動家たちは鉄パイプや棒きれ、瓶などをかき集めて強行突入に備えていた。(イスタンブール北川学

活動家の口をふさいで回るわけにもいかないので情報は今後も出てくると思うのですが、イスラエルは独自調査しかしないのでしょうか。