「イランがタリバン支援」 流出機密文書 政府の関与は不明

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100728-00000101-san-int

 【ワシントン=犬塚陽介】民間の内部告発サイト「ウィキリークス」によるアフガニスタン関連機密文書の流出で、イランがイスラム原理主義勢力タリバンを、金銭面や軍事面などで後押ししている可能性が浮上している。事前に文書を入手していた英紙ガーディアン(電子版)が26日までに伝えた。イラン政府が直接関与しているのかどうかなど、情報の信憑(しんぴょう)性は不明だが、事実ならタリバンはイランの手助けで勢力を維持していることになる。

 ガーディアンが機密文書の内容として報じたところでは、イランは2004年からタリバンとの結びつきを強めており、タリバン幹部をイランに居住させているほか、金銭援助も続けているという

 国際治安支援部隊(ISAF)が05年2月に作成したとされる機密文書によると、タリバン指導層の一部はイランに住み、国境を越えアフガンでテロリストの勧誘やテロ作戦の実行に及んでいる。同文書は「イラン政府がアフガン兵士の殺害に約1740ドル(約15万円)、政府関係者の殺害に約3481ドル(約30万円)を提供している」とタリバン側に報奨金が支払われている可能性を示唆した。

 別の文書では、イランがアフガンの国会議員にわいろを渡したり、戦闘で負傷したタリバン兵をイランで治療したりするなど、水面下での影響力強化の可能性が指摘されている。ただ、ガーディアンは、イランのタリバン支援を裏付ける具体的証拠はなく、仮に事実でもイラン指導層がどこまで情報を把握しているかは不明としている。

 イスラムスンニ派が主体のタリバンに対し、シーア派のイランは当初、アフガンからの排除で米国とも協調していた。だが、02年にブッシュ前大統領がイランを「悪の枢軸」と名指ししたことで態度を硬化、少しずつタリバン支援に傾いていったとの指摘もある

 タリバンへの支援をめぐっては、機密文書を入手した米紙ニューヨーク・タイムズが、パキスタンの三軍統合情報部(ISI)の関与の可能性を指摘していた。

 同紙の報道によると、ISIのハミード・グル元長官が昨年1月、タリバン側と接触し、テロ行為に目をつぶる代わりに活動をアフガン国内に限定するよう伝えるなどしたという。

 しかし、パキスタンのハッカニ駐米大使は、公表された機密文書は「現状を反映していない」と述べ、事実関係を否定している。

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タリバンと対テロ戦と中東イスラム諸国。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20081028/1225198821
で、取り上げましたけど、
2008/10
<イラン>タリバンと対話、失敗避けられぬ…外相が米欧警告

イランはタリバンと敵対し、98年には当時、政権の座にあったタリバンとの全面戦争の危機に直面した。

や、
2007/08
イランがタリバン支援 次期米統参議長、懸念を表明
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070801/1185966602
などがありました。