英防衛機器「BAEシステムズ」 日本に売り込み攻勢 FXの機種選定で存在感

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BAEシステムズが初公開した次世代の無人ステルス攻撃機「タラニス」の試作機(同社提供)(写真:産経新聞

 英航空防衛機器大手BAEシステムズが、次世代・無人ステルス攻撃機の試作機を初公開し、日本の次期主力戦闘機(FX)の機種選定をめぐり売り込み攻勢をかけるなど、存在感をアピールしている。今年春に公表されたストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の統計でBAEは、兵器販売で初めて米企業を抜き、世界一にもなった。同社の動向を探った。(ロンドン 木村正人)

 ■無人ステルス

 7月12日、英国防省とBAEは、無人ステルス攻撃機「タラニス」の試作機を英中西部ウォートンで初公開した。これに続き、同月19日から英南部ハンプシャー州で開かれたファンボロー国際航空ショーで、BAEはタラニスの模型を公開した。

 タラニスは大ブリテン島などの先住民ケルト人の間に伝わる雷神の名前。英国防省は4年前からBAE、ロールス・ロイスなど英産業界と協力し開発を進めてきた。開発費1億4千万ポンド(約190億円)の75%を国防省が負担し、来年から試験飛行を開始する。

 軍事ジャーナリスト、清谷信一氏によると、無人機は、有人機のようにパイロットの肉体的な限界に影響されず、戦略、戦術的な柔軟性があるため、次世代攻撃機の主流になっており、米国やフランスが開発競争にしのぎを削る。

 英国も負けじと開発を急いでおり、BAEのタラニス担当、ニール・キャンベル氏は「タラニスは英国の技術の粋を尽くした、世界トップ水準の一つだ」と胸を張った。

 ■08年は世界一

 SIPRIの統計では、2008年の兵器販売はBAEが324億2千万ドル(約2兆8千億円)で、米ロッキード・マーチン社や米ボーイング社を抑え世界一となった。米企業以外が1位になったのは初めてのことだ。

 BAEの前身はブリティッシュ・エアロスペースで、国有企業だった。それが「1970年代後半に民営化され、米企業を買収し99年にBAEシステムズになった。米企業を買収したことによって、米国に販路が広がったのが大きな転機となった」と、マーク・パーキンソン上級副社長は説明する。

 現在、BAEはオーストラリア、スウェーデン南アフリカにも拠点を広げる。米国の装甲車メーカーや軍用トラックメーカーを買収し、イラク戦争アフガニスタンでの対テロ戦で兵器の需要が拡大した。

 一方でBAEは、戦闘機ユーロファイターを売り込むためサウジアラビアの王子に巨額のワイロを贈るなど、過度の販売攻勢で物議をかもしたこともある。今年2月には、他の兵器取引に絡み不正を行っていたことを認め、罰金4億ドル(約345億円)を米国に納付することに同意している。

 ■FX商戦

 ファンボロー国際航空ショーでは、英国など欧州4カ国による共同開発のユーロファイターの展示飛行も行われた。航空自衛隊のFXの機種選定をめぐりBAEは、ユーロファイターの売り込み攻勢をかけている。

 FXには、米英などが共同開発中でロッキード・マーチン社が手がけるF35ライトニングIIが有力視されている。

 しかし、BAEのピーター・エドワーズ広報責任者は「日米同盟に波風を立てるつもりはないが、防衛力強化の必要性が高まるアジア・太平洋地域で、米国一国に戦略的に依存することを望まない国は多い」と語り、F35ライトニングIIを牽制し、ユーロファイターをアピールした。

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攻撃機とかはやっぱり自主開発は無理で買うしかないんですかね。日本も無人偵察機は作っているようですが。
防衛省 離島有事に無人偵察機 21年度導入へ今秋飛行試験
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090125/1232857104

またFXはF35で決まりのようですね。
FX選定 F35に一本化へ 23年度概算要求 7億円計上
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20100824/p3