中国反論「事実無根」…読売新聞「北極資源を狙い調査」に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100907-00000017-scn-int
 読売新聞(4日付)が、北極における中国の科学調査を紹介し、「最大の関心は資源開発であり、並行して資源探査も行った模様」と報じたことに対し、中国海洋局極地弁室の王勇処長は6日「まったくの事実無根。主観にもとづく憶測」と批判した。中国新聞が報じた

 王処長は「一部の日本人が、中国の北極における正常な科学調査を、経済、政治目的と、ねじまげようとしている」と述べ、「中国の調査目的は、北極の変化が中国の気候に与える影響を知ることだ。純粋に科学の領域であり、資源調査は研究項目に含まれていない」と主張した。王処長によると、北極の探査に使用している船舶の「雪龍号」に、資源調査の能力はない

 中国はこれまで、1999年、2003年、08年、10年に、計4回の北極調査を行っている。王処長は「(北極調査の分野で中国は)国際協力を行い、透明性も維持している。第4回調査には、10人の外国人科学者が参加した。第1回、第3回調査には、日本人科学者も動向した」と説明。北極における中国の活動は、関連する国際法で認められている科学調査の権利を行使したものであり、国際的に貢献していると説明した。(編集担当:如月隼人)

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まずはその読売の記事ですが、
中国、北極の資源に狙い…開発準備着々と

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100904-OYT1T00271.htm

 【北京=大木聖馬】中国が北極の開発に向け、着々と準備を進めている。

 中国は北極に眠る資源を将来の成長戦略の要ととらえており、獲得競争に向け足がかりを築く狙いだ。

 新華社通信によると、中国の北極科学調査チームが8月31日、北極圏での約40日にわたる調査を終えた。調査は4回目で、発表によると、アラスカ沖のボーフォート海やベーリング海など130か所あまりで海氷データを収集し生態系を調べた。ただし北極における中国の最大の関心は資源開発であり、並行して資源探査も行った模様だ。

 北極の海底にある原油天然ガスは世界全体の埋蔵量の4分の1を占めるとされ、金やウランなどの鉱物資源も多い。中国は北極と南極の資源を「21世紀後半から22世紀にかけての経済成長を支える重要資源」(中国筋)と位置づけており、中国海軍の尹卓・少将は中国メディアに「中国が北極海開発の一角を占めるのは当然だ」と明言している。
(2010年9月4日10時01分 読売新聞)

やはりこの尹卓・少将の発言が重要では無いでしょうか。調べてみると日経にありました。
2010/03
中国海軍幹部、北極海開発に積極進出

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100307ATGM0601P06032010.html
 中国の通信社、中国新聞によると、中国海軍の尹卓少将は「北極海の開発で中国が一角を占めるのは当たり前だ」と述べ、北極開発への積極的な進出を目指す考えを示した。尹卓少将は北京で開会中の国政助言機関、全国政治協商会議(政協)の委員を務めており、海洋戦略の司令塔となる「国家海洋戦略委員会」の新設などを提案するという。中国は将来の石油・天然ガス開発をにらみ、北極進出準備を進めているとされるが、軍幹部が公に進出を望む意向を表明するのは珍しい。(中国総局) (07:00)

この発言を報じたのも一番最初の記事と同じ中国新聞社じゃないかwというわけで今回は資源目的でなかったとしてもいずれは当然と思っていると見ていいのではないでしょうか。

ところで読売の記事南極版もあります。
2007/10
中国が南極の内陸に新基地開設へ…将来の資源獲得を視野

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071013i111.htm

 【北京=佐伯聡士】中国政府は、2009年に南極の内陸部に新たな調査基地を開設するため、本格的な極地調査態勢作りに入った。

 近く南極内陸部に調査チームを派遣し、天文・気象観測を行う鉄塔などの設備を建設する計画だ。中国はアフリカや中央アジアなど世界各地でエネルギー資源の獲得に躍起になっているが、一連の動きには、将来的な極地での資源獲得競争を視野に発言力を強化する狙いがあるとみられる

 中国紙「中国海洋報」などによると、調査チームは、天文実験や地震観測、大気などの調査を実施、精密な地形図を製作するほか、調査基地建設の場所選定や環境影響評価なども行う。中国は南極に2つの調査基地を保有しているが、内陸では初の建設となる。

 中国政府は04年7月、北極海ノルウェースピッツベルゲン島にも初の調査基地を開設。今年6月には、調査隊が同基地を訪れ、気候、環境などの実験・観測活動を行っている。

 外交筋によると、中国政府は、ロシアの探査船「ミール」が今年8月、北極点海底に国旗を設置して資源開発権の獲得をアピールした事態を注視している。実際、ロシア側の報道では、9月に訪中したロシアの極地研究者が中国側に、北極の氷上に航空基地を建設する計画を表明、研究への協力を打診したところ、中国側は強い関心を示したという。

(2007年10月13日18時48分 読売新聞)

どこもがっついてて嫌ですねぇ。