<NATO>アフガンへの治安権限14年までに移譲完了

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101013-00000046-mai-int
 【ブリュッセル福島良典】北大西洋条約機構NATO、加盟28カ国)は11月19、20日にポルトガルの首都リスボンで開く首脳会議で、アフガニスタンにおける治安権限の地元当局への移譲を来年前半に本格的に開始し、14年までに完了するとの行程表(ロードマップ)を承認する。ラスムセン事務総長が11日、ブリュッセルNATO本部で記者会見し、明らかにした。

 NATO率いる国際治安支援部隊(ISAF)からアフガン軍・警察への治安維持権限の移譲が完了すれば、ISAF部隊の撤退日程にめどが立つ。米軍の撤退開始は来年7月に予定されている。

 ラスムセン事務総長は記者会見で「リスボン首脳会議で権限移譲の11年初めの開始、遅くとも7月までの開始が発表されるだろう」と述べた。また、首脳会議では、14年末までにアフガン軍・警察が全土で治安を維持する態勢の整備を目指すカルザイ・アフガン大統領の構想が承認されるとの見通しを示した。

 NATOはアフガン治安部隊ができるだけ早く独り立ちできるよう訓練に力を入れており、来年10月までに計30万人のアフガン軍・警察を養成することを目標に掲げている。アフガンの首都カブール中心部の治安維持権限はすでに事実上、アフガン軍・警察に移譲されているが、地方での移譲の具体的な見通しは立っていない

 ラスムセン事務総長は当初、今年中に権限移譲が加速されるとの見通しを示していたが、戦況が好転しないことなどから、「来年前半」に軌道修正した形だ。

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この記事は毎日新聞からですが、産経新聞
アフガン軍事作戦10年目 戦費に国民不満 成果示せぬオバマ政権

http://sankei.jp.msn.com/world/america/101007/amr1010072353012-n1.htm


バージニア州のアーリントン国立共同墓地で6日、アフガンでの軍事作戦で死亡したロバート・ボールドウィンさんの葬儀が営まれた(AP)

 【ワシントン=犬塚陽介】米国史上最長となったアフガニスタンでの軍事作戦が7日、10年目に突入した。来年7月の撤退開始を公約するオバマ米政権は、米兵約9万5千人を投入してイスラム原理主義勢力タリバンの掃討を続けている。しかし戦況は好転せず、不況下で戦費のかさむ軍事作戦への国民の不満が高まっている。12月に控えるアフガン戦略の再検証を前に、オバマ政権は「目に見える成果」を国民に示したい意向だが、出口の見えぬ対テロ戦の行方に米国には悲観論も広がっている。

 「基本的な方針の変更が必要になるとは考えていない」

 ゲーツ国防長官は9月23日の記者会見で、アフガン軍事作戦を再検証する年末に向けて、戦略の大幅な見直しは必要ないとの考えを強調。同席した制服組トップのマレン統合参謀本部議長も「いくらかの調整はあるだろうが、現在の戦略は正しい」と自信を示した。

 米国はアフガンでの対テロ戦に「掃討、確保、構築」と呼ばれる反政府武装勢力の平定戦略を採用タリバンを掃討し治安を確保した上で、住民の生活向上を支援することによりタリバンとの関係を断絶させる青写真を描いている。

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 しかし、米国の戦略はその第一段階で早くもつまずいた格好だ。2月に始まった南部へルマンド州マルジャの戦闘は現在も続いており、第2段階の治安の確保にはほど遠い。9月下旬に始まったタリバン拠点、南部カンダハル州の掃討作戦も目立った成果はない

 アフガンでの米兵死者数は、今年7月に66人と月間で過去最悪を記録するなど、すでに1300人を超えている。

 戦費総額は約3360億ドル(約28兆円)。米紙ワシントン・ポストによると、現在も1年で約1千億ドル(約8兆円)が支援目的で支払われ、一部は汚職がはびこるアフガン高官の手に落ちていく。米国の失業率が10%前後で推移する中、米国民には効果がはっきりしない出費への嫌悪感が広がっている。

 9月29日に発表されたCNNテレビの世論調査では、アフガンでの軍事作戦を肯定したのは44%で、3月の調査から11%も減少し、不支持は58%に達した。

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 オバマ大統領はテロの脅威から米国を守る上で「アフガンでの戦争は必要だ」と強調。昨年12月には、来年7月の撤退開始を条件に3万人の増派を決めた

 だが、戦果に乏しい状況で、あらかじめタリバンや国際テロ組織アルカーイダに撤退時期を通知するような手法への疑問もあり、政権内に亀裂を生んでいるとの指摘も多い。

 ワシントン・ポスト紙の著名ジャーナリスト、ボブ・ウッドワード氏は新著「オバマの戦争」で、現在アフガン駐留米軍トップを務めるペトレイアス司令官が「この戦争に勝つとは思わない。子供の時代まで戦い続けることになろう」と吐露した−と明かしている。

戦争に関する記事はやはり陰惨です。戦争がろくな結果を生まないと、なぜ始める前に気が付けないのかという気がしますが。