イラク元副首相の死刑、バチカンが中止求める

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20101027-OYT1T00957.htm
 【ローマ=柳沢亨之】ローマ法王庁バチカン)は26日、イラクの高等法廷が同日、旧フセイン政権のタリク・アジズ元副首相(74)に対し、イスラムシーア派政党弾圧に関与したとして死刑判決を言い渡したことを受けて、判決を非難するとともに刑の執行中止を求める声明を発表した。

 バチカンが個別の死刑判決を非難するのは異例

 バチカン報道官名の声明は「イラクの和解と復興のため、死刑執行中止を祈る」と強調。「外交的手段による人道介入」も辞さないとし、イラク政府への圧力を強める意向を示した。

 アジズ元副首相は、カトリックの一派「カルディア・カトリック教会」の信徒。2003年のイラク開戦直前には、当時のローマ法王ヨハネ・パウロ2世を訪ね、開戦反対で共闘を訴えるなど、独自のカトリック人脈を駆使したことで知られた。

 バチカンでは今月、中東の高位聖職者を招き、初の代表司教会議を開いたが、イラク戦争以後、イスラム過激派のテロが頻発し、キリスト教徒の脱出が続くイラクや他の中東域内各国の政情に強い危機感を表す発言が相次いだ。法王ベネディクト16世も「神の名を借りたテロ思想」と述べ、暗にイスラム過激派を非難していた。バチカン筋は「声明はアジズ氏だけでなく、開戦以降、悪化した中東の政情全体への懸念を示したものだ」と説明している。
(2010年10月27日21時44分 読売新聞)

中東の代表司教会議というのはこれですね。
イスラエルバチカンが批判…中東司教会議
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20101026/p4

死刑を報じた記事はたとえば毎日新聞
イラク特別法廷>フセイン氏側近の元副首相に死刑判決

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101026-00000107-mai-int
 【カイロ和田浩明】イラク特別法廷は26日、フセイン元大統領(06年に刑死)の側近だったタリク・アジズ元副首相(74)ら3人に、イスラムシーア派政党メンバーらを弾圧した罪で死刑判決を下したイラクの国営テレビが報じた。同法廷はイラク戦争で崩壊したフセイン政権幹部らの犯罪行為を審理している。アジズ被告は、マリキ首相の率いるシーア派政党アッダワ党のメンバーらの弾圧や処刑に関与した罪で起訴されていた

【関連記事】
イラク:議会空転を「違憲」判断 最高裁
イラク:秘密文書公表「政治的意図だ」 マリキ首相側反発
ウィキリークス:強姦、殺害…イラク戦争の秘密文書公開
イラク:マリキ首相も周辺国行脚へ
イラク:サドル師派が首相支持 「反マリキ」取り下げ

またはCNN
イラクフセイン政権のアジズ元副首相に死刑判決
http://www.cnn.co.jp/world/30000676.html

2010.10.27 Wed posted at: 09:48 JST

バグダッド(CNN) イラク・旧フセイン政権の「顔」として長年知られていたタリク・アジズ被告が26日、同国高等法廷で、イスラムシーア派政党弾圧に関与したとして死刑を言い渡された。

アジズ被告は1981―2003年に副首相を務め、このうち8年間は外相を兼任。2009年3月には、1992年に貿易商42人が殺害された事件に関連して禁固15年を言い渡されていた

裁判所関係者によると、今回の裁判では旧政権党・バース党の元幹部2人も死刑判決を受けた

アジズ被告の娘、ザイナブ・アジズさんはヨルダンの首都アンマンでCNNとのインタビューに応じ、「衝撃を受けている」と語った。裁判では先週まで新たな証人尋問が行われていたため、この日に判決が下されるとは予想していなかったという。ザイナブさんは「父は国家に仕えてきただけで、悪いことは何もしていない」と訴えた

同被告の元弁護士は、死刑判決の背後に政治的な意図があると主張。「本人はいつも『かれらは必ず私を殺す方法を見つけ出すだろう』と話していたが、法的見地から考えてこの判決は間違っている」と述べた

また、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、フセイン旧政権による重大な人権侵害を改めて指摘し、責任者は裁かれるべきだとしたうえで、「罪の重さにかかわらず死刑という手段は使うべきではない」との立場を示した。

また過去の記事は
2005/05
イラクのアジズ元副首相、釈放求めて「国際世論」に訴え

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200505300006.html
2005.05.30

Web posted at: 12:49 JST-
CNN

(CNN) 29日付の英紙オブザーバー(電子版)は、03年4月以来米軍に拘束されているイラクのタリク・アジズ元副首相の直筆とされる手紙を掲載した。バグダッドの米軍基地に拘束されている元副首相は英語とアラビア語で書いた手紙を接見した弁護士に託し、「国際世論」に対し、自分の「このひどい状態」を終わらせるため協力して欲しいと訴えた

英語を流ちょうに話し、メガネと葉巻がトレードマークだったアジズ元副首相は長くフセイン政権の対外的な「顔」だった。イラク戦争開始とフセイン政権崩壊の後、アジズ氏は03年4月24日に米軍に拘束。以来、その消息はほとんど外部に伝わってこなかった

オブザーバー紙は、バグダッドクロッパー米軍基地に拘束されている元副首相を、米国の政界関係者や中央情報局(CIA)関係者が訪れて質問した際、同席した弁護士を通じて入手したという手紙を掲載。手紙は弁護士のメモ帳から破りとった紙に書かれたもので、2枚がアラビア語、3枚が英語

報道によると、元副首相は「国際世論」にあてて、自分の「このひどい状態」を終わらせるために国際社会の支援を求めると書いている。アジズ氏が自分が無実で、違法に拘束されており、家族との通信や面会も認められていないと訴えている。また米国関係者からは、収賄疑惑の指摘される国連の旧石油食糧交換計画で収賄を行った政治家は誰か、質問されたと明かしている。

アラビア語での手紙でアジズ氏は「私たちは世界から完全に切り離されている。ここには13人が拘束されているが、家族と会ったり電話をしたりすることはできない。私は不当に罪を問われているが、適正な取り調べなど何もされていない。私たちのこのひどい状態と取り扱いに、誰かがただちに介入することが急務だ。あらゆる国際法ジュネーブ条約イラクの法律に違反している」と書いている

また5月7日の日付で英語で書かれた手紙では、「私たちを助けてくれるよう期待している。もう長いこと刑務所に入れられ、家族から引き離されている。一切の接触も電話も手紙もない。家族が送ってきた小包も、私たちの手元に届かない。私たちは公正な扱いと公正な取り調べと、ゆくゆくは公正な裁判を必要としている。助けて下さい」と書いている。

またアラビア語と英語の両方で書かれた別の手紙では「私は何の罪にも問われていない」「私は法律は人間としてのあるべき行動に背いたことなどない」とも主張している。

アジズ氏のヨルダン在住の息子はオブザーバー紙に対して、自分の父はサダム・フセイン大統領の命令に従っていただけで、背けば殺される立場だったと主張。また「父の健康状態が悪化している」として、早期の公判開始や釈放を求めた。

アジズ氏はフセイン政権幹部で唯一のキリスト教。北部ティクリート出身のサダム・フセイン大統領とその一族が権力を独占する中、ティクリート出身でないアジズ氏は主流派ではなかったとの指摘もある。

一方で、アジズ氏はサダム・フセイン元大統領の信頼篤い側近で、クルド人地域での化学兵器使用など旧政権による様々な人権侵害に元副首相も責任があると非難する声も強い

オブザーバー紙によると、石油食糧交換計画の贈収賄疑惑について米政界関係者に質問されたと明かす手紙では、アジズ氏は「私が石油や金を、誰に渡すよう指示したか聞かれた。シラク仏大統領に渡すよう支持したか、あるいはペトロス・ガリガリ前故呉事務総長の秘書官)か、それともエキウス(国連査察官ロルフ・エキウス氏)か、と。答えはノーだ。メガワティ・インドネシア大統領についても、ノーだ」と書いている。

石油食糧交換計画の贈収賄疑惑ってなんかなつかしいですね。検索結果。
http://news-net.ddo.jp/cgi-bin/estseek.cgi?phrase=%E7%9F%B3%E6%B2%B9+%E9%A3%9F%E7%B3%A7+%E4%BA%A4%E6%8F%9B%E8%A8%88%E7%94%BB&perpage=100&clip=-1&navi=0&attr=&order=_date_
結局どうなったのかおぼえていない。眠いのでまた今度。

まぁ自分は死刑は悪い奴なら殺していいという事で戦争につながると思っているので反対ですけどね。被害者を前にしても声高に叫べるかと言われると自信ないですけどね。