米、G20首脳会議でレアアース問題提起へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101029-00000011-xinhua-int


(写真:新華社

 【中証網】米ホワイトハウスのロバート・ギブズ報道官は26日、11月に韓国ソウルで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議で米国はレアアース(希土類)問題を提起すると述べた。

 中国の温家宝首相は10月初旬、第6回中国・EUビジネスサミットに出席した際、「レアアースを管理、規制することは必要だが、決して封鎖しない」と表明した。中国外務省の馬朝旭報道官も26日、「レアアース資源に対する管理と規制は中国の主権権利で、世界貿易機関WTO)の規則にも合致している。重要な天然資源の輸出規制は各国が採っている普遍的な政策であり、中国だけを非難するのは道理に合っていない」と指摘した。

 ■米クリーンエネルギー技術企業に絶えず供給

 ギブズ報道官は、「米政府は中国がレアアース輸出を減らすかを注視している。レアアースの備蓄確保と経済意義の観点から、米国は必ずG20首脳会談でレアアース問題を提起する」と述べた

 米エネルギー省・Critical Metals Task ForceのDiana Bauer担当者は25日、米国のクリーンエネルギー技術企業へのレアアースの供給が途絶えたことはこれまでないが、一部企業は中国のレアアース輸出規制に懸念を示している」と明かした。

 米国は世界一のレアアース消費国。かつてはレアアースの生産大国だったが、環境保護とコストへの配慮で最後のレアアース鉱が02年に閉鎖された。

 ■日米はレアアースを呑みこむだけ

 日本と米国は中国のレアアース輸出規制問題のWTOへ提起に向け非公式な意見交換を開始したと伝えれている。だが、パスカル・ラミーWTO事務局長によれば、WTOはこうした原材料問題を処理する権利を持たない

 ブリューデレ・ドイツ経済技術相は26日、自由貿易協定はすべての商品、特にレアアースに適用されなければならない。国際市場における活発度を維持するためにいかなる国も自国市場を開放しなければならない」と指摘。ドイツ産業連盟も同日、米国と欧州は協力し合い、レアアースの中国依存度を軽減すべきだと呼びかけた

 だが中国の業界アナリストは、「レアアースは重要な戦略資源であり、自由貿易を実施する道理はない。中国はしっかりと自らのレアアースの優勢を把握すると同時に、戦略備蓄として希少金属を買い付けるべきだ」と反論した。

 中国のレアアース生産高は世界の約97%を占めるが、レアアース埋蔵量は全世界の9900万トンの36%に過ぎない。管理と規制の弱さから、大量のレアアースが安い価格で米国、日本、欧州諸国へと流れた。08年の中国のレアアース採掘量は世界の97%を占める12万トンに達した。一方で米国や日本などは輸入レアアースの備蓄を急いでいる。米国のレアアース埋蔵量は09年時点で世界の13%を占める1300万トンだが、生産量はゼロ。日本も年間3万トンのレアアースを輸入しているが、生産量はゼロだ。

 ■レアアース関連株が急伸

 米Kaise Bottom−Fish Onlineによると、米国のレアアース銘柄は08年末から現在までに120%上昇し、さらにここ1カ月で累計上昇幅が35%に達した。鉱業アナリストのJohn Kaiser氏は、「現在のレアアース市場は1990年代のインターネットバブルのようだ」と警鐘を鳴らす。同氏によると、プロジェクトのフィジビリティスタディ段階にとどまっているレアアース企業の株価さえも暴騰している。

 英紙『ファイナンシャル・タイムズ』によると、ニューヨーク市場に上場するRare Element Resourcesの株価は過去4週間で135%上昇した。年初かの上昇幅は300%に達する。だが、同社の社員は09年時点で2人のみ、プロジェクトの本格的な稼動は2015年以降だ。

 トロント上場レアアース企業であるNeo材料科技の最高責任者(CEO)はレアアースバブルが崩壊すれば、涙を流す企業は少なくない」と述べた

(翻訳 孫義/編集翻訳 松尾亜美)

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WTOは権利をもたないって書いてるのはこれだけだったような。

2009年から
中国のレアメタル輸出規制、WTO違反…米とEU提訴へ
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090624/p3
とやってるのに中国強気だなとおもったらそういうことですか。それなら納得できます。これから国際的に話し合われるべきですね。