中国の胡佳夫妻、エイズ遺児支援断念 強い圧力受けた末

http://www.asahi.com/world/china/news/TKY201011120425.html

2010年11月12日20時8分

 【北京=林望】中国の人権活動家でノーベル平和賞の候補にも名前が挙がった胡佳さんの妻、曽金燕さんが11日、エイズで親を失った遺児らを支援するため夫妻で立ち上げたNGOの活動を停止すると宣言した。税務当局の調査が続き、強い圧力に悩んだ末の決断という。

 「自分で生んだ子を自分の手で殺すような気持ちです」

 曽さんは12日、朝日新聞の電話取材にそう話した。胡さん夫妻は学生時代から、「売血」行為で広がる中国農村のエイズ問題に取り組み、2004年にNGO「北京愛源情報提供センター」を立ち上げた。ユニセフなど国内外の基金の協力を得て、感染被害の深刻な河南省の農村で親を失った子どもらの生活や進学を支えてきた。支援を受けた子どもは年100人以上に上るという。

 しかし、今年9月に国税局が同センターの税務調査を開始。11日には北京市税務局も調査を始め、関係団体との契約書の提出などを求めてきたという。センターの代表を務める曽さんは「寄付を我々の収入ととらえているようだ。法に沿って争うことも考えてきたが、犠牲にする時間や労力は大きい。事態が広がって、支援者に迷惑が及ぶことは避けなければと判断した」と話す。

 決断の背景には、人権派の弁護士らでつくるNGO「公盟」が昨年、「登記がされていない」などとして捜査を受け、代表者が脱税を理由に逮捕された「教訓」(曽さん)がある。米国の放送局「ラジオ・フリー・アジア」などによると、近年、中国では当局の圧力に動じず社会問題に取り組むNGOが、脱税や消防法違反などの理由で調査を受け、活動を止められたり、妨害されたりするケースが増えている

 胡さんは外国メディアの取材を受けたことなどを理由に国家政権転覆扇動罪に問われ、08年に懲役3年6カ月の判決を受けて服役中。曽さん自身も北京五輪期間中、大連市のホテルに軟禁されたほか、ふだんから当局の厳しい監視下に置かれている。
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胡佳氏の釈放をもとめる動きもあったんですが、どうなったのか分かりませんでした。最近の記事がインデックス化されて無い事が原因だと思います。
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