<イラク>制裁解除で近づく国際復帰 産業、治安になお課題

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101216-00000086-mai-int
 【カイロ和田浩明】国連安保理が15日、90年のクウェート侵攻で科した制裁を19年ぶりに解除したことで、イラク原子力開発が可能となり石油収入の管理権も取り戻すなど、国際社会への完全復帰に近づいた。だが、原子力産業の再建には長期間が必要で、国際テロ組織アルカイダが活動する不安定な治安に核拡散への懸念も残る。侵攻の主因だったクウェートとの国境問題も未決着。課題克服に向けマリキ首相が早期に組閣作業を完了し指導力を発揮できるか注目される。

 イラクフセイン政権時代、隣国イランや事実上の核保有イスラエルに対抗するため大量破壊兵器(WMD)の開発・製造計画を推進。クウェート侵攻後に受けた安保理制裁と国連査察で計画は事実上解体されたが、ブッシュ米政権はWMD保有アルカイダとの連携を理由に03年、イラク戦争を開始、フセイン政権を排除した。

 安保理の15日の措置は、抜き打ち査察を可能にする国際原子力機関IAEA)の追加議定書にイラクが署名するなどして、核不拡散順守を示したことを評価したものだ。

 イラクフセイン政権崩壊後から、科学者らを中心に原子力の平和利用に向けた国際社会への働きかけを開始。アラブ連盟原子力開発での協力を再開、09年にはフランスに原子炉建設の協力を依頼するなど、発電や医療などの分野での原子力利用に意欲を見せてきた。

 しかし、原子力産業の基盤は国連査察や戦争で弱体化し、核科学者らも多くが国外に流出。米軍の研究者は今年4月にまとめた報告書で「原子力計画の再建には大きな障害が横たわっている」と指摘している。

 一方、複数のアルカイダ幹部は、核兵器の入手に長年興味を示している。イラクアルカイダ系組織は弱体化したが、今年10月にも50人以上が死亡したキリスト教会占拠事件を起こすなど、過激な活動を継続。原子力技術・施設の導入に向け、テロリストによる核物質や技術の強奪に対処する体制も将来的には求められる

 クウェートとの国境問題や戦後補償問題では、安保理イラクに対し早期決着を求め、ジバリ外相も「残る義務を果たすことを約束する」と明言した。しかし、賠償をめぐりクウェート側が英国でイラク航空機の差し押さえを図り、対抗措置としてイラク政府が同社の解散を発表するなど、スムーズな決着への見通しは厳しい

 こうした重要課題に対処するには内政の安定が必須だが、3月の連邦議会総選挙から9カ月がたち、マリキ首相の続投こそ決まったものの組閣作業は続いており、新政権発足は年明けになるとの観測が有力。国連制裁解除の果実をイラクが受け取るには、まだ時間がかかりそうだ。

【関連記事】
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毎日新聞です。まぁここまではありきたりでどこも報道してるようなことだとおもうのですが、過去のエントリ、
イラク外相、経済制裁決議の削除を要求 国連安保理
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090721/p8
にあるように、『イラクはこれまで数十億ドル単位を余分に支払ってきたとしている』んですよね。この点はっきり書いている記事はあるかなと思ったわけです。多分赤字にした部分にそれが含まれてるんでしょうけど。

あと国境問題、僕がニュースを真面目に見始めたきっかけはイラク戦争ですが、イラクには海はあるという認識でしたが、「イラクが海を欲しがったのが湾岸危機の原因じゃなかったっけ?」と言われた事がありました。そこら辺が国境問題として残ってるんですかね。

朝日新聞では、
イラクへの主な制裁、安保理が解除 主権回復へ前進

http://www.asahi.com/international/update/1216/TKY201012160147.html
2010年12月16日11時58分

 【ニューヨーク=丹内敦子】国連安全保障理事会は15日、イラクに関するハイレベル会合を開き、1990年のクウェート侵攻後にイラクに科した主な制裁の解除などを内容とする3本の決議を採択した。イラクの主権回復が進むことになる。

 会合は今月の安保理議長国・米国のバイデン副大統領が主宰。来年末に米軍撤退を控え、米国としてはイラクの自立を国際社会にアピールする狙いもあるとみられる。

 採択された決議は、イラク原子力の平和利用を制限していた制裁の解除▽国際管理下にある原油・ガス輸出収益をイラク政府の管理に戻す人道支援事業「石油と食糧の交換計画」清算と残金のイラクへの返還。これらによってイラクによる自国統治の範囲は広がり、戦後復興もさらに進む見通しだ。

 この日の会合に出席したイラクのゼバリ外相は「これらの決議採択は、イラクの主権や独立の制限、制裁体制の終結の始まりになる」と歓迎した。議長をつとめたバイデン氏は議長声明で「どんなテロ行為もイラクの平和、民主主義、復興を逆戻りさせることはできない」とし、戦後のイラクの変化や発展を強調した。

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こんな記事も
・ 〈ロイター〉安保理イラク制裁を19年ぶり解除、原子力開発も可能に(12/16)

・ 海外ニュースはCNN.co.jpでも
・ 国連・その他記事一覧
・ 国際トップ

まぁ朝日もはっきり書いてないですね。CNNだと
国連安保理フセイン政権時代の対イラク制裁を解除

http://www.cnn.co.jp/world/30001242.html

(CNN) 国連安全保障理事会は15日、旧フセイン政権時代に科した対イラク制裁解除の決議を採択した。

決議採択を受けてイラクのゼバリ外相は「イラクの主権と独立、復興に対する制約の終わりの始まりだ」と歓迎を表明した。

この日の決議には、石油と食料を交換する制度の廃止、大量破壊兵器関連の制裁解除、イラク開発基金を6月30日で廃止することなどが盛り込まれた

これでイラク制約を受けることなく国際的な金融取引や貿易ができるようになり、民生用の原子力発電計画に着手することも可能になる。

安保理議長を務めたバイデン米副大統領はイラク民主化に向けた進展を評価する談話を発表。国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は「同国は国際社会における地位正常化に向け着実に進展している」と指摘した。

イラクは1990年にクウェートに侵攻し、これが引き金となって湾岸戦争が起きた。2003年には当時のフセイン大統領による大量破壊兵器計画などを理由に米国主導でイラクに侵攻したが、同国から大量破壊兵器は見つからなかった。

クウェートとの間には未解決の問題が残っており、ゼバリ外相は「残る問題をすべて解決するため、両国政府の間で前向きな協力と交渉が進んでいる」と語った

まぁ今までイラクがこうむってきた損害金額までははっきりとはかいてないですね。

あと「石油と食糧の交換計画」の不正の問題もありましたね。検索結果
http://news-net.ddo.jp/cgi-bin/estseek.cgi?phrase=%E7%9F%B3%E6%B2%B9+%E9%A3%9F%E7%B3%A7+%E4%BA%A4%E6%8F%9B+%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF+%E4%B8%8D%E6%AD%A3+%E3%82%BB%E3%83%90%E3%83%B3&perpage=100&clip=-1&navi=0&attr=&order=_date_
とりあえず
2007/01
米検察、元国連事務次長を起訴…フセイン政権下の収賄

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070117-00000203-yom-int
 【ニューヨーク=白川義和】フセイン政権下のイラクに対する国連の人道支援事業「石油・食糧交換プログラム」をめぐる不正疑惑で、米ニューヨークの連邦地検は16日、事業の最高責任者だったベノン・セバン元国連事務次長(キプロス出身)を収賄などの罪で起訴したと発表した。

 検察当局によると、セバン被告は事業の便宜を図る見返りに、フセイン政権から約16万ドル(約1900万円)のわいろを受け取った。事業は1996年から2003年まで続き、独立調査委員会の報告によると、同政権が原油売却の「割増金」などで得た不正収入は18億ドルに達した。

という事がありました。これより後の報道は無いみたいです。

追記:
「石油・食料交換計画」の残金の額が書いてある記事がありました。
安保理イラク制裁を一部解除 原子力平和利用が可能に 

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2010121690111650.html
2010年12月16日 11時43分

 【ニューヨーク=加藤美喜】国連安全保障理事会は15日、イラク復興に関する閣僚級会合を開き、1990年のフセイン政権(当時)によるクウェート侵攻後に科された安保理制裁の一部を解除する決議案を採択した。制裁解除によりイラクは民生用の原子力開発が可能となるほか、これまで国際管理されていた原油の輸出利益が原則的に同国政府の管理に委ねられる。

 議長国、米国のバイデン副大統領は「イラクは安定、自立した国へと目覚ましい移行を遂げつつある」と強調、イラク復興に向けた国際社会の協力を要請した。イラクのジバリ外相は「わが国の主権に対する制約の終わりの始まりだ」と述べ、制裁解除を歓迎した。

 米軍は2011年末にイラク駐留軍を完全撤退する方針。制裁解除により同国の自立を一層促したい考えだ。

 イラククウェート侵攻後、安保理核兵器などの製造を禁じる制裁決議を採択。米英などは03年、イラク大量破壊兵器保有しているとして安保理決議を経ずにイラク戦争へ踏み切りフセイン政権を崩壊させたが、現在まで大量破壊兵器は見つかっていない。

 閣僚級会合ではまた、原油収入でイラク市民に人道支援物資を購入する「石油・食料交換計画」の活動を打ち切り、残金6億5千万ドル(約548億円)をイラク政府に返還することも決議された。日本からは徳永久志外務政務官が出席し、イラクの平和構築に向けた日本の継続支援を約束した。

中日新聞