余録:延坪島砲撃から1カ月

http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20101219k0000m070082000c.html
 北朝鮮軍の砲撃を受けた延坪島ヨンピョンド)の北西に韓国最北端の島、白※島(ペクリョンド)がある。国際空港で知られる仁川(インチョン)から170キロ。高速艇でも4時間を要するが、島から見える北朝鮮の海岸線はわずか17キロ先だ
▲上陸部隊来襲も想定し、人口約1万人の半数を守備隊の将兵が占める。先月の砲撃の際はこの島でも対岸の砲陣地に不審な兆候があるとして、全住民に防護施設への退避命令が出た。防毒マスクも配布されたという
12年前、国際取材団の一員として、この島に渡ったことがある。北朝鮮が独自の海上軍事境界線を一方的に宣言し、韓国軍艦艇と交戦するのはその翌年だ。まだ緊迫感はさほどでなく、行政の力点は観光開発にありと見えた
▲困ったのは霧である。船便が止まり、1泊2日の旅程が3泊4日になった。暇つぶしに防波堤から竹ざおを延ばしたが、釣れない。しかし喜びもあった。宿所の軍施設から街に出るには、通りすがりの軽トラックに合図して荷台に飛び乗ればよい。素朴な人情がうれしかった
▲その情は今も健在のようだ。砲撃の余波で観光客の足が遠のき、兵士も外出制限が厳しくて各種店舗は打撃にあえぐ。だが大半が農業、漁業を営む島民は、流血の被害を受けた延坪島住民のために募金をした。女性たちは冬漬けのキムチをたっぷり漬け込み、いつか延坪島に戻る人々に渡すべく準備を始めたと報じられている
▲間もなく砲撃から1カ月。海の霧は晴れても、いつまた軍事挑発があるか分からない、という不安は容易に晴れないだろう。あの島々に住む温良な庶民たちを、どす黒い煙と砲火の恐怖に閉じ込めた者の非情を憎む。

 ※は令の右に羽
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毎日新聞 2010年12月19日 0時09分

正直ここら辺の事情把握してませんでした。
ヤ ン パ の ク ニ ャ ン に ょさん
天安号事件をふりかえってみた。
http://plaza.rakuten.co.jp/yanpa555/diary/201004160000/ より

字は小さくて読めませんがw

追記:
北朝鮮、領海拡大狙う多目的作戦 緊張高め紛争化図る

http://sankei.jp.msn.com/world/korea/101220/kor1012202317009-n1.htm


海上射撃訓練再開を前に、韓国・延坪島で警戒に当たる韓国軍兵士=20日午前(聯合=共同)

 【ソウル=黒田勝弘北朝鮮延坪島砲撃など黄海で軍事緊張を高めている背景には、朝鮮戦争休戦(1953年)以来、不利になっている領海の拡大など軍事的、政治的面での多目的作戦がある。

 軍事的緊張激化で海の南北境界線の“紛争化”を米国など国際社会に印象付ける一方、韓国に対しては“戦争の恐怖”で世論を対北平和・対話ムードに誘導し、李明博・保守政権を揺さぶる狙いがある。

 一方、北朝鮮では対外的緊張で国民の危機感を高め、後継体制づくりという不安定な権力過渡期を国民団結で乗り切る考えだ。

 こうした作戦が結果的に金正恩後継者の手柄として、その崇拝・神格化につながるというわけだ。したがって北朝鮮の狙いはあくまで局地紛争による“政治的効果”であって、本格的な軍事衝突や全面戦を考えてのことではない。

 北朝鮮が最近、軍事挑発を繰り返しているNLL(北方限界線)は朝鮮戦争休戦に由来する。

 休戦当時、北朝鮮周辺の制海権は韓国・国連軍が握っていて、北朝鮮軍はどの島も支配していなかった。このため国連軍司令官は延坪島や白●(=領の頁を羽の旧字体に)島など西海5島と北朝鮮本土の中間を海の境界線として、一方的にNLLを設定した。

 これに対し北朝鮮は当然、不満だったが海上支配力がなかったため事実上認めてきた。艦艇や漁船などNLL外への進出も控えてきた。

 しかし近年、西海5島を含む周辺海域は北朝鮮の領海だとしてNLL無視の動きを見せ、南北間で衝突が相次いでいた哨戒艦撃沈や延坪島砲撃はその延長線上にある。北朝鮮は60年続いた休戦体制を力で変更しようというわけだ。

 現在のNLL体制では、最北端の白●(=領の頁を羽の旧字体に)島から北朝鮮の首都・平壌までは150キロ、韓国のソウルまでは210キロ。北にとっては気になる距離だ。

 しかし北が新たに主張している境界線だと、ソウルは北の領海から約100キロで、韓国の対北防衛体制は大きく揺らぐ。仁川国際空港などすぐそこだ。

 北朝鮮はNLLを軍事紛争化し、米国(国連軍)との間で新たな境界線設定など“平和協定交渉”を狙っている。韓国としては軍事挑発を繰り返す金正日・正恩軍事独裁政権を相手に、領海譲歩の現状変更には絶対に応じられない。

 北朝鮮は一連の軍事挑発でNLLの紛争化に成功しつつあると評価しているはずだ。さらに“戦争脅迫”が韓国世論を李政権批判に向かわせ、新たな対北融和政権誕生につながることを期待している。

 これに対し韓国政府は「今度こそは断固たる対応」を取ることが北の軍事挑発と狙いをくじく道と判断している。南北の緊張・対決は続きそうだ。

北朝鮮砲撃の各国の反応。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20101123/p6
でも産経新聞
北朝鮮砲撃】暴挙、背景に何が…「意図的な挑発」「権力闘争か」
より、

ジャーナリストの萩原遼さん(73)は「砲撃が起きた地域は韓国と北朝鮮の領海が複雑に入り組んでいるエリアで、北朝鮮が挑発行為に出るには格好の場所

とありました。

http://tenmei.cocolog-nifty.com/matcha/2010/11/post-b9d2.html にコメントしました。今出先なので、メモ代わりにここに書いておきます。