<駐露大使更迭>私はロシアに詳しくない…首相、怒り爆発

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101224-00000005-mai-pol
 関係者の証言をまとめると、政府が河野雅治駐ロシア大使(62)を事実上更迭する背景には、ロシア大使館側から発信された情報を信じ、ロシアに対して事前に北方領土訪問の中止を求めるなどメッセージを発信できなかった官邸側の強い不信感があるようだ。

 メドベージェフ大統領が9月下旬に北方領土を「近く訪問する」と明言、10月下旬に訪問の観測記事が頻繁に流されて以降も、外務省は首相官邸に「訪問はない」と報告し続けた菅直人首相は、周辺に「本当に行かないのか」と繰り返し確認したが、返ってきたのは「大使館からの情報では『訪問はない』ということです」との答えばかりだった。

 だが、大統領は11月1日、北方領土国後島への訪問に踏み切った。一時帰国を命じられ、同月3日午前に帰国した河野大使は、同日夕、外務省の佐々江賢一郎事務次官、小寺次郎欧州局長らとともに首相公邸に呼び出された。菅首相仙谷由人官房長官が事情聴取を始めた。

 「なぜだ。なぜ訪問しないと判断したのだ」。官邸側から問いただされ、河野大使は「ロシア外務省からそういう報告を受けていましたから」と答えた。これに菅首相カチンときた。「そんなことは聞いていない。誰が言ったかじゃなく、どうしてそう思ったんだ」

 口ごもる河野大使を見て、仙谷長官が助け舟を出した。「大統領はプーチン首相との関係など、いろいろあるのじゃないのか。そのあたりの判断は」。だが、河野大使の口は重くなる一方だった。

 「要するにどういうことだ」。いら立つ首相ら。最後に、河野大使はこう口走ってしまった。「私はあまりロシアに詳しくないので……」。次の瞬間、首相らの怒りが爆発した

 後任と目される原田親仁(ちかひと)駐チェコ大使(59)は河野氏と違いロシアンスクール(ロシア専門家グループ)。だが、北方領土交渉の見通しが厳しい状況は変わらない。前原誠司外相は早ければ2月にもロシアを訪問、ラブロフ外相と会談し、対ロシア外交の立て直しの糸口を探る。外務省幹部は「まず北方領土訪問以前の状態に戻すところから始めるしかない」と言葉少なだ。【犬飼直幸】

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北方領土へ>メドベージェフ露大統領:北方領土訪問 駐露大使が一時帰国 首相、情報収集強化指示

しかし今までも北方領土訪問してるんですよね。
イワノフ露副首相が北方領土訪問 プーチン大統領の後継候補
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070405/1175780716

露外相、北方領土を初訪問 首脳会談前に日本けん制
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070603/1180876558
なにをそんなに怒るかなという気もします。

見出し記事は毎日新聞ですが、産経新聞だと、
菅外交、繰り返される「その場しのぎ」ロシア大使更迭へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101223-00000568-san-pol
 メドベージェフ露大統領の北方領土訪問という前代未聞の“日本外交の失態”に対し、菅政権は、河野雅治駐ロシア大使更迭で決着を図ろうとしている。だが、日米同盟にずれがあるかのようにふるまい、ロシアに付け入るすきを与えたのは民主党政権だ。河野大使を一時帰国させた際もあいまいな態度で、13日にはシュワロフ第1副首相の北方領土訪問も許すなど、その後も失態は続く。定まらない菅政権の外交姿勢を放置した「その場しのぎ」が繰り返されている。

 対露外交では近年、情報収集能力の低下が指摘されてきた。影響力のある鈴木宗男衆院議員と、鈴木氏に反発する勢力が外務省内で対立。刑事事件で鈴木前議員の影響力が低下すると、ロシアとの太いパイプを持つ「鈴木派」の官僚が一掃された−との見方だ。

 それ以上に問題なのは、政権交代以来、官邸の外交方針がふらつくことで、外交情報が政府内で滞留する混乱が生じていることだ。

 河野氏は当初、露大統領の国後島訪問について「具体的計画があるとは承知していない」と指摘。外務省欧州局も同様の判断で、首相官邸は楽観していた。

 その後、日本大使館から伝えられた「大統領訪問は確実」という新しい情報は、10月末に東南アジア諸国連合ASEAN)関連会議出席のためハノイに滞在していた菅直人首相と前原誠司外相には伝わらなかった露大統領もハノイにおり、情報があれば、訪問阻止の直接交渉もあり得たが、それもできなかった。

 情報の軽重と、どこまで首相に報告するかという外交の基本が政府内で壊れていることを示す事案だ。外務省内から「政府全体の問題を放置して、河野氏スケープゴートにするのか」という声が出るのはこのためだ。

 政府は今後、「日露協力関係が新段階へ進むように努力する」(前原外相)との戦略を描く。後任に有力な原田親仁(ちかひと)駐チェコ大使はロシアスクール(ロシア語研修組)だが、鈴木前議員と対立した経緯がある。混乱を抱えたままで政府が一枚岩になれるかどうかは不透明だ。

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毎日新聞産経新聞だと全然ちがいますね。どちらを信じるかは任せますけど。

追記:
「大使更迭」一斉に報道 ロシア

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/101223/erp1012231951007-n1.htm


河野雅治駐ロシア大使

 ロシアのメディアは23日、日本の報道などを引用し、政府が河野雅治駐ロシア大使を事実上更迭することを決めたと一斉に伝えた。

 タス通信は東京発で、大使は11月のメドベージェフ大統領による北方領土国後島訪問に関する情報収集が「十分にできなかった」ことの責任を問われたと報道。日露間のぎくしゃくした関係を修復し、平和条約締結交渉を前進させたいとしている前原誠司外相が来年2月の訪露を予定するなど、日本側は対露関係の立て直しを熱心に模索しているが、具体的な提案はまだ何もないと指摘した。

 一方、モスクワの在ロシア日本大使館では現地時間の22日夜から日本での「大使更迭へ」の報道が伝わり、大きな驚きと困惑が広がった。(共同)

ロシア側にはロシアに原因があるとは見てないようですね。