最近米国が中国を持ち上げているワケ(朝鮮日報)

http://www.chosunonline.com/news/20101227000050
記事入力 : 2010/12/27 13:00:39

 米政府が、来年1月19日の米中首脳会談を控え、中国を称賛している。特に延坪島砲撃と哨戒艦「天安」沈没事件といった最近の北朝鮮の挑発行為と関連し、中国が北朝鮮に影響力を行使し、さらなる挑発を回避したとして、中国に対する肯定的な評価をメディアに配信していることが分かった。これを受けて、ニューヨーク・タイムズワシントンポスト、ウォールストリートジャーナルの3紙は先週末、「中国が北朝鮮の挑発を抑止した」といった内容の解説記事を一斉に掲載した。ワシントンのある外交消息筋は25日、「米政府がこうした内容を意図的に主要メディアに流している」と話した。

 米中関係は今年一年、人民元の為替レートや米国の台湾への武器輸出、オバマ大統領とダライラマの面談、米国のノーベル平和賞授賞式への出席などをめぐり、摩擦を繰り返してきた。ある消息筋は「スーパーパワーで協力すべきことは多いが、両国が来年の首脳会談まで顔を赤らめるのは災いとなる。こうした負担からも米政府内には、今回の首脳会談を必ず成功させるというムードが漂っている」と述べた。

 また一方で、米国が中国を称賛するのは、中国が北朝鮮の挑発抑止に取り組むよう、その名分を用意するための戦略という見方もある。中国は、メンツと名分を重視するため、米国や国際社会の圧迫に屈服し行動することを極度に嫌悪する。このため中国の役割を評価し、メンツを立てるのがより効果的という論理だ。ワシントンポスト紙も「中国は、延坪島砲撃後、提案していた6カ国協議首席代表会合を催促せず、まずは南北関係が改善されなければならないという米国側の考えを受け入れた。米政府の当局者らはこれを高く評価している」と報じている

ワシントン=イム・ミンヒョク特派員

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

韓国の新聞ですから、中国の態度には我慢なら無いところもあるのでしょうね。
(中国に関しては
北朝鮮砲撃の各国の反応(続き7)。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20101128/p1
というのも書きましたが)

米国の態度に対する批判めいたものを感じます。

しかし同じ様なことは日本でも報じられています。産経新聞
中国主席を厚遇 協調演出で外交成果狙う 米大統領

http://sankei.jp.msn.com/world/america/101231/amr1012310032000-n1.htm

中国の胡錦濤国家主席

 【ワシントン=佐々木類】中国の胡錦濤国家主席が1月19日に米国を訪問する。国際会議への出席などを除く本格的なワシントン訪問は2006年4月に次いでとなるが、今回は大統領主催の公式晩(ばん)餐(さん)会が開かれるなど、同盟国並みの厚遇で迎えられるのが特徴だ。軍拡や南シナ海を自国領扱いするなどの強硬姿勢を牽(けん)制(せい)する目的で対中圧力路線にかじを切るオバマ政権だが、北朝鮮問題をにらみ、中国との協調を演出することで、国内向けに外交成果をアピールする思惑があるようだ

 トナー国務副報道官代行は29日の記者会見で、胡氏の訪米に先立ち、楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相が1月3日からワシントンを訪問することを明らかにした。胡氏訪米の準備のためとみられる。

 首脳会談では北朝鮮人民元の問題などが主要テーマになる見通し。オバマ大統領としては特に、ウラン濃縮や韓国・延坪島を砲撃するなど挑発行為に出た北朝鮮への圧力を強めるよう、“後見役”である中国に「影響力の行使を求めていく」(クローリー国務次官補)方針だ。

 こうした中、米国内の外交関係者の間で話題を集めているのが、オバマ政権の胡氏に対する近年にない厚遇ぶりだ。中国首脳の訪米中の待遇は、「米政権の対中評価を見極める上で格好のリトマス試験紙」(外交関係筋)とされているからだ。

 今月、ホワイトハウスが胡氏の訪米日程を発表した際、06年4月の訪問時にはなかった「公式晩餐会の開催」をことさら強調したのは、「厚遇されるという事実にこだわる」(ワシントンの外交筋)中国側の意向をくんだためとみられる。

 実際、当時のワシントン・ポスト紙は「江沢民国家主席はブッシュ(前)大統領の私邸に招かれたから、胡氏はそれ以上の厚遇を受けることで中国国内での求心力を高めたかったのだろう」と解説している。

 しかし、主席として初めて訪れたワシントンで胡氏は思わぬ“事件”に見舞われる。

 儀(ぎ)仗(じょう)兵による21発の礼砲を受けてホワイトハウスの歓迎式典に出たまではよかったが、中国国歌の演奏でホワイトハウスの司会者が、「中華民国(台湾)国歌」と紹介

 その上、胡氏の演説中には、中国政府が非合法とする気功集団・法輪功系メディアの女性記者が「ブッシュ大統領、彼(胡氏)の殺人をやめさせて」と叫ぶ一幕もあった。女性記者は事前にホワイトハウス発行の臨時記者証を取得していたという。

 以後、胡氏は国連総会や20カ国・地域(G20)首脳会議へ出席するため複数回訪米したが、「この事件がトラウマ」(外交筋)となったとされる。このため、今回の訪米には並々ならぬ意欲を示しているという。

たしか大学時代の歴史の授業で中国を専門にしている先生が、『中国の支配者はかつて皇位を支配を正当化するものとしてきたが、今の中国共産党は国外の政府が自分たちを支配者と認めているということをよりどころにしている』と言っていました(だから北朝鮮を決して見捨てないだろうとも)、アメリカに厚遇されることは中国内的に見ても価値があるんでしょうね。

しかし日本も米国のこういう態度を、もうちょっと批判的に見てもいいと思うんですけどね。

中国は「銀行」…頭上がらぬ 米国務長官、豪首脳に吐露
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20101230/p2
というのも有りましたね。