中国で初のレアアース業界団体、来年5月に93社で発足 国際市場で主導権狙う

http://sankei.jp.msn.com/world/china/101230/chn1012301900002-n1.htm
 【上海=河崎真澄】中国でレアアース(希土類)採掘や生産、流通、輸出にかかわる業者を政府が主導して集めた初の業界団体「中国レアアース業協会」が来年5月にも発足する見通しになった。業者ごとのバラバラな販売契約がレアアース輸出価格の乱高下につながったとの反省から、業界団体に輸出などの対外交渉を一本化する。輸出枠の削減と合わせ、中国にはレアアース国際市場で主導権を握る狙いがありそうだ。

 中国主要紙が30日までに中国政府高官の話として伝えたところによると、この業界団体は工業情報化省が音頭を取り、外資との合弁も含むレアアース業者93社で発足する方向で準備が進んでいる。海外からの鉄鉱石調達で価格交渉窓口となっている国鉄鋼工業協会(CISA)がモデルという。政府主導でレアアース業界全体に足並みをそろえさせ、安値輸出などの抜け駆け行為や密輸業者にも目を光らせる

 同紙によると、レアアースの輸出平均価格は2002年から09年までに1トンあたり最低5500ドル前後から最高1万7千ドル近くまで約3倍もの開きがあった。価格決定権が日米欧など買い手側にあったほか、業者間の過当競争が影響したとみられる。

 中国商務省はレアアースの来年1〜6月期の輸出枠を、今年の同時期と比べ約35%減の約1万4400トンに削減する方針で、業界団体の発足で輸出管理の締め付けを一段と強化する。

 中国のレアアース生産量は08年で約12万トン。輸出枠は05年の6万6千トンから昨年は5万トンに削減され、今年は3万258トンと前年比40%のマイナスとなる見通し。国内ハイテク産業の需要拡大を受け、中国は資源枯渇や環境汚染、密輸取り締まりを理由にレアアース輸出制限を強めそうだ。

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レアアースの重要性についてはここにまとめてあります。
日本がわが国のレアアースを低価格で購入できることは永遠にない=中国
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20101020/p1
密輸に関してはすでにきじになってます。
中国のレアアース、価格の上昇に伴なって「密輸」が激増
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20101011/p2
上に政策あれば、下に対策ありという中国の名言(?)が出ています。

しかし中国もバラバラで競い合うよりも共同体を作るというメリットを学んでいるわけですね。国際社会の合意というか国際世論に従うことも学んでくれればいいのですが。