バチカンが資金洗浄対策で教令、監視機関設立へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101231-00000474-reu-int
 [バチカン市 30日 ロイター] ローマ法王庁バチカン)は30日、金融の透明性とテロリズムへの資金供与対策を国際基準に合わせた教令を発した。

 バチカンの銀行にはマネーロンダリング資金洗浄)疑惑が浮上。今年9月、法王庁の財政管理組織「宗教事業協会」(通称バチカン銀行)が、イタリア当局の捜査を受け、2300万ユーロ(3023万ドル)の資金を押収され、金融面の公開性向上を求める声が上がっていた。今回、それに応える形で金融活動作業部会(FATF、本部パリ)のルールを遵守する新教令を策定した。4月1日までに発効する。

 「財務情報局(FIA)」という監視機関を設立し、国際金融関連法の遵守具合をチェックする。法王庁のすべての部署が対象となる

 法王庁の報道官は「これでバチカンは、国際社会、国際当局と結束したシステムに全面的に組み込まれた」と述べた。

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以前からちょくちょく報道されている件ですね。
2010/09
バチカン銀行の「闇」解明なるか 資金洗浄の疑い 伊当局が資産押収

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100923-00000122-san-int
 【ロンドン=木村正人】「神の銀行」といわれるローマ法王庁バチカン)の財政管理組織「宗教事業協会」(通称・バチカン銀行)の資産2300万ユーロ(約26億円)が、イタリア司法当局にマネーロンダリング資金洗浄)の疑いで押収された。法王庁は容疑を否定している。同行をめぐっては1980年代に不正融資疑惑が発覚したが、関係者が次々と変死し、真相は解明されずに終わっている。

 ローマからの報道によると、バチカン銀行は今月中旬、イタリアの銀行クレジト・アルティジャーノに預けていた資金をドイツ・フランクフルトの米JPモルガン・チェースなど2行に受取人を明らかにしないまま送金しようとした。このため、イタリア中央銀行が同国の司法当局に通報した。ゴティテデスキ総裁ら銀行幹部2人が捜査対象という。

 バチカン銀行は昨年11月にも受取人を明らかにしないまま計1億8千万ユーロ(約203億円)を送金していた疑惑が発覚し、伊司法当局が捜査していた。同行は長年にわたり顧客の身元を明かさず、他行への送金を代行していたとされる。

 法王庁は21日、「当惑し驚いている」と表明、同行の業務は公明に行われていると強調した。バチカン市国主権国家のため伊司法当局の捜査がどこまで進むのか疑問視する声もある。

 ローマ法王は17日、訪問先の英国で金融危機について「経済活動に関する堅固な倫理規定がなかったため」と説教した。イタリアのカトリック大学で金融倫理を教えていたゴティテデスキ氏は1年前、同行総裁に就任、法王と同じく倫理を失った現代資本主義を厳しく批判し、タックスヘイブン租税回避地)規制など銀行の近代化に取り組んでいた。

 バチカン銀行は1942年に設立され、法王直属の枢機卿からなる委員会によって運営されている。以前はマフィアとのかかわりが指摘され、改革を唱えた法王ヨハネ・パウロ1世が78年、就任1カ月余で死亡した。82年には主力取引行のイタリアの銀行の不正融資が発覚し頭取が変死。歴代頭取の秘書も自殺したうえ、バチカン銀行が関与していた疑惑も浮上し、大スキャンダルとなった。

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2009/11
バチカン「神の銀行」に捜査の手 資金洗浄に関与か

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/091127/erp0911271123008-n1.htm

マネーロンダリング疑惑にゆれるローマ法王庁(ロイター)

 ■バチカン銀 マネーロンダリング疑惑

 ローマ法王庁バチカン)の財政管理組織「宗教事業協会」(IOR、通称バチカン銀行)がイタリアの民間銀行を通じて巨額のマネーロンダリング資金洗浄)を行っていた疑いがあるとして、イタリア司法当局が捜査を始めた。「神の銀行」とも呼ばれるバチカン銀行をめぐる不透明な金の動きは、これまでにも度々指摘されてきたが、法王庁があるローマ市内のバチカン市国は独立国家であるため、捜査の手はほとんど及んでこなかった。司法当局は、民間銀行の捜査を尽くし、その過程でバチカンにも捜査協力を要請する方針だ。“アンタッチャブル”な世界の核心にどこまで迫ることができるか。

 伊ANSA通信などによると、バチカン銀行は過去3年間にわたり、イタリアの民間銀行最大手、ウニクレディトのサンピエトロ広場(バチカン市国内)にある支店の複数口座を通じ、多額の送金を行ったが、このうち少なくとも約6000万ユーロ(約80億円)分について、受取人や口座の実質的管理者名を明らかにしていなかった。イタリアでは2007年から施行されたマネーロンダリング対策新法により、これらの明示が義務づけられている。不透明な資金の流れは、イタリアの中央銀行のイタリア銀行が把握、司法当局に通報した。

 ■マフィアと関係の取引先も

 ローマ法王は19世紀のイタリアの国家統一の過程で、すべての法王領を失ったが、1929年にムッソリーニ政権下のイタリア政府とラテラノ条約を結び、バチカン市国以外の領地を放棄する代償として7億5000万リラ(現在の約1200億円に相当)の補償金を得た。この補償金と世界中の信者からの献金を原資に、投資銀行などを通じてバチカンの資産運用を行っているのがバチカン銀行で、前身の法王庁財産管理局が改組されて1942年に設立された。

 だが、取引のあるイタリアや米国の銀行の担当者の中にはマフィアの世界とつながりのある者もおり、他国の捜査機関が原則として指一本触れることのできないバチカン銀行は、麻薬資金などの巨大な洗浄装置として悪用されるようになったとされる。法王庁は一貫して否定しているが、一説によれば、バチカン銀行は資金洗浄額の10%以上を手数料として取り、得た利益を東欧や中南米の反共組織に送金していたともいわれている。

 ■調査中に不審死相次ぐ

 1978年9月には、バチカン宮殿で法王就任からわずか33日目のヨハネ・パウロ1世が65歳で謎の急死。遺体は解剖もされないまま、あわただしく埋葬された。ヨハネ・パウロ1世はバチカン銀行の改革と大規模な担当替えを表明したばかりだった。その後、翌79年にかけて、バチカンの不正な金融取引を調査していたイタリア当局の検事、刑事ら5人が、相次いでテロの犠牲者となった。

 82年6月には、バチカン銀行の主力取引行で13億ドルの不正融資が発覚したイタリアのアンブロシアーノ銀行の頭取が、銀行破綻直前にロンドンで変死体となって発見された(英当局は後に他殺と断定)。

 こうしたスキャンダル、疑惑は小説の題材にもなっているが、実態はベールに包まれたままだ。今回、イタリアの司法当局者は「まずは地道に口座の名義人と管理者を特定し、突破口を開く」と話している。

 法王がベネディクト16世(82)に代わってからは初めて及ぶ捜査の網。成り行きが注目される。

眠くなってきたのでこれでアップで。