テロとの戦いに暗雲も パキスタン知事殺害

こういうイスラム教とテロリズムを結びつけるような記事もどうかと思うのですが。普段は部分的に強調するんですが、今回はやめておきます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110111-00000589-san-int
 【ニューデリー=田北真樹子】イスラム教に対する冒涜(ぼうとく)法に批判的だったパキスタン中部パンジャブ州のサルマン・タシール知事を銃殺した警護官の男が“英雄”として国内の宗教指導者らから称賛を受けている。こうした動きはタシール氏を追悼することさえ阻み、冒涜法改正への反対運動を勢いづけている。宗教の不寛容に歯止めをかける政治勢力をも欠いた情勢は、テロとの戦いにも影響を及ぼしかねない。

 4日に首都イスラマバードでタシール氏を殺害したムムタズ・カドリ容疑者(26)が6日、事件後初めてラワルピンディの裁判所に姿を見せた。迎えたのは弁護士らによる称賛とバラの花びら。弁護には約300人の弁護士が手を挙げているともいわれている。

 一方、前日に執り行われたパンジャブ州ラホールでのタシール氏の葬儀では、一部の宗教指導者が「イスラム教徒は葬儀に出席しタシール氏の死を悼んではならない」と指示。このため、葬儀で祈りをささげる聖職者が見つからない事態となった。

 報道によると、カドリ容疑者は「単独で犯行にのぞんだ」と証言しているが、犯行を動機づけた宗教指導者の存在があったとみられる。また、同容疑者は過去に過激思想が問題視され、州警察特殊部隊から外されていたにもかかわらず、2008年に部隊に復帰しタシール氏の警護を担当していた。事件時、ほかの警護官が同容疑者に発砲を止めさせなかったことに対しても批判が出ている。

 しかし、こうした批判や冒涜法のあり方についても、同法改正反対の動きにかき消されている。法改正に反対する宗教指導者らは9日、南部カラチで大規模なデモをし、動員力を見せつけた。タシール氏に近いはずのザルダリ政権も早々に冒涜法改正はしないと表明。過激派の圧力に屈したともとれかねない態度は、テロとの戦いに対する政権の姿勢を不安視させる。

 ハイダー元法相は、「国内の穏健派が殺害され続ければ過激派とテロリストが国を乗っ取ってしまう」と危機感を募らせる。

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あと、もう一本は別の話題ですが、
警察署で自爆テロ、20人死亡=パキスタン

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110113-00000009-jij-int
 【ニューデリー時事】パキスタン北部カイバル・パクトゥンクワ州バンヌー地区の警察署で12日、自爆テロがあり、地元メディアによると20人が死亡した。犯人は爆弾を積載した車で警察署に突入し、付近のモスク(イスラム礼拝所)も被害を受けた。

 バンヌー地区は米軍がパキスタンと連携して対テロ戦を継続している部族地域・北ワジリスタン地区に隣接。地元メディアによると、ここ数カ月、パキスタン軍による作戦が繰り返し実施されている。

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米軍とパキスタンが連携していることは、
イスラム武装勢力が犯行声明、パキスタン自爆テロ
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20100204/p5
で初めて公にされたようですが、今ではぜんぜん普通のことになってしまったんですね。まぁそれだけですけど。