カルマパ17世の僧院を捜索 大量の中国元も押収 インド

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110129-00000568-san-int
 【ニューデリー=田北真樹子】インドのPTI通信によると、同国北部ヒマチャルプラデシュ州の警察と税務当局は29日までに、同州ダラムサラにあるチベット仏教カギュー派最高位カルマパ17世が滞在するギュート僧院を大金を隠し持っていた疑いで家宅捜索した。インドルピーや中国元などが押収されたほか、カルマパ17世の側近が逮捕された。当局はなぜ大金がギュート僧院にあったかを調べているが、中国による資金提供疑惑も浮上している。

 報道によると、家宅捜査は27、28両日に行われ、ギュート僧院内にあるカルマパ17世の事務所が対象となったもよう。同州警察によると、20カ国以上の外国通貨が押収されたといい、約110万中国元(1400万円)と60万米ドル(5200万円)も含まれていた。僧院関係者は、金は寺院建設を目的とした土地購入代としている。

 事件は、今月同州内で逮捕された男2人が、1000万ルピーを所持していたことが端緒となったという。一部メディアは情報筋の話として、印中国境インド側のチベット仏教寺院に影響力を及ぼすため、中国がカルマパ17世側に定期的に資金提供をしていた可能性があると報じている。

 ダラムサラにあるチベット亡命政府議会議長はPTI通信に、「法的な知識を欠いていたために寄付で集まった大金を所持していた」と語り、カルマパ17世と中国の関係を否定した。

 カルマパ17世はチベット仏教主要宗派の一つであるカギュー派の最高位活仏(かつぶつ)。1992年に中国政府よりカルマパ17世と認定され、2000年1月、14歳でインドに亡命した。

【関連記事】
ダライ・ラマに翻意促す 政治引退示唆で亡命政府
チベットの環境問題、待ったなし」ダライ・ラマが米大使に
ダライ・ラマ政治ポスト引退に「1年かかる」 側近が認識
米中首脳会談、「国民冷遇」胡錦濤主席に自由の“洗礼”
隠れたキーマンはハンツマン駐中国大使 胡主席訪米

活仏については
パンチェン・ラマが副会長に=中国仏教協会
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20100204/p1
中国が「活仏転生」許可制 チベット族激怒
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070808/1186521700
など。