【リビア騒乱】「国連決議は不可欠ではない」 飛行禁止区域で英外相

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110302/erp11030208120005-n1.htm
2011.3.2 08:11


カダフィ派のバリケードで対空砲火を操る男性=1日、トリポリ西部(ロイター)

 ヘイグ英外相は1日、英BBC放送の番組で、リビア上空の飛行禁止区域設定には国連安全保障理事会の決議は「必要不可欠ではない」と言明した。

 ヘイグ外相は、武力行使を容認する安保理決議が採択されれば理想的だとしながらも、「決議がなくても、飛行禁止区域の設定が合法的で、国際的にも正当化されたケースが過去にもあった」として「(決議の有無は)現場の状況次第だ」と指摘した。

 さらにキャメロン英政権が現在、決議なしの飛行禁止区域について、関係国との協議入りを前にあらゆる面から法的検討を行っていることを明らかにした。(共同)

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国連決議は不可欠ではないと言い出すという事は、もうやる気なんですかね。アメリカもやる気かなりありそうです。
リビア飛行禁止空域設定、根強い警戒感

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110302-OYT1T00949.htm
 【ブリュッセル=工藤武人】リビアの最高指導者カダフィ氏支持派による反体制派への武力攻撃が激しさを増す中、米欧主要国は、空爆阻止に向け飛行禁止空域設定に関する本格的な検討を進めている

 だが、飛行禁止空域設定には、国連安全保障理事会拒否権を持つロシアが明確に反対するなどハードルも高い。米欧の間でも本格的な軍事行動につながることへの警戒感は根強く、実施に向けては曲折も予想される。

 飛行禁止空域の設定には、カダフィ氏側が頼みとする空軍力を封じ込め、反体制派への空爆を防ぐ狙いがある。米欧では、キプロスの英軍基地やイタリア空軍基地を拠点に監視にあたる案が検討されている

 中東一帯を担当する米中央軍のマティス司令官は1日の米上院軍事委員会公聴会で、「軍用機を飛ばすなと要求するだけ」では実効力を伴わないと指摘。カダフィ氏側の防空施設を破壊して制空権を握る必要があり、「軍事行動になる」と述べた。マレン統合参謀本部議長も同日、「非常に複雑な作戦になる」と語った。
(2011年3月3日01時19分 読売新聞)

ドイツも反対のようですね。
リビア騒乱】米英、飛行禁止区域設定を検討 中露独は反対

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110301/mds11030120470012-n1.htm


 2月28日、ジュネーブの国連欧州本部で記者会見するクリントン国務長官(AP)

 【ロンドン=木村正人】米国と欧州主要国はカダフィ政権による反体制派への空爆を防ぐためリビア上空の飛行禁止区域設定について検討を始めた。英国は反体制派への武器供与も検討しており、イタリアはリビアとの不可侵条項を中断した。経済制裁に加え、カダフィ大佐に軍事面でも圧力をかけるのが狙いだが、主権にかかわる問題であるだけに「新たな国連安保理決議が必要」との見方が一般的だ。軍事衝突も予想されるため、ロシアや中国、ドイツは反対しており、実現には高いハードルが待ち受ける。

 英国のキャメロン首相は2月28日、下院で「軍事的な飛行禁止区域を設定する計画について同盟国と協力するよう国防省と国防参謀長に命じた」と明言、「カダフィ政権が自国民に武力行使するのを許すことはできない」と述べた。

 米国はリビア関連資産300億ドル(約2兆4600億円)、英国は10億ポンド(約1300億円)を凍結したが、カダフィ大佐は強気の姿勢を崩しておらず、退陣に追い込むには軍事面での圧力も強める必要があると米欧はみている。

 英各紙によると、英国では戦闘機をキプロスの英軍基地やイタリアの空軍基地に展開することが検討されている。広大なリビア全土を飛行禁止区域にするのは困難なため首都トリポリや第2の都市ベンガジに絞る案艦船レーダーによる監視にとどめる案が協議されている。地上部隊の派遣も除外されていないという。

 28日、ジュネーブ欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表と会談したクリントン国務長官は飛行禁止区域設定について協議していることを明らかにした。

 1991年の湾岸戦争後に米英仏がイラクフセイン政権の空爆からクルド人らを守るため、イラク国内の南北に飛行禁止区域を設けた例があるが、このときはクルド人の保護をイラクに求めた安保理決議が設置の根拠とされた

 26日には対リビア制裁決議が安保理で採択されたが、北大西洋条約機構NATO)のラスムセン事務総長は、飛行禁止区域の設定には新決議が必要との見方を示している

しかし反対派もイラク戦争の経験から、武力行使に本当に反対なら、解釈によっては武力行使も可能なあいまいな表現の国連決議は採択しないと思います。ここら辺は本当の戦闘の前に色々と争いがありそうです。

ところでアラブ連盟も容認に動いてるようで。
リビア 飛行禁止、アラブ容認 空爆阻止へ連盟外相会合

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110303-00000129-san-int
 【カイロ=大内清】アラブ連盟(本部カイロ)は2日、外相会合を開き、リビア最高指導者カダフィ大佐の軍による反体制派への空爆を阻止するため、米欧が協議しているリビア上空での飛行禁止区域の設定を容認することを決めた

 これまで設定に消極的とされてきたアラブ諸国が容認に転じたことで、米欧での議論も加速しそうだ。

 中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどによると、反体制派が制圧している東部の工業都市ブレイガやアジュダービヤでは、カダフィ氏側による空爆があった。地上部隊による攻撃も行われ、反体制派数十人が死亡した。国際人権連盟(本部・パリ)は2日、死者は約6千人に達したと発表した。トリポリは約3千人、ベンガジでは約2千人に上るという。

 またオランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)のモレノオカンポ主任検察官は、国連安全保障理事会の対リビア制裁決議を受け、カダフィ氏側による暴力行為などについて正式に捜査を開始すると明らかにした。

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アラブ連盟の開会式ではイラクがこんなことを言っていたのですが。
リビア危機はアラブの問題、外国が介入すべきでない=イラク外相

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110303-00000906-reu-int
 [カイロ 2日 ロイター] アラブ諸国が加盟するアラブ連盟は2日、カイロで外相会議を開催した。イラクのジバリ外相は、開会のあいさつで、リビア危機はアラブ地域の問題であり、アラブ以外の国・地域が介入すべきでないと述べた。

 ジバリ外相は、リビアの最高指導者カダフィ大佐は暴力を停止するために勇気ある決断をし、リビア国民の「正当な権利」を尊重しなければならない、と指摘した。

 2日の会議は、カダフィ大佐への非難を繰り返すと予想されているが、決議草案は「リビアの結束と保全」も強調するとみられる。

 アラブ連盟は、リビア政府のデモ弾圧に抗議し、リビア代表の参加資格を停止している

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この後アラブ連盟も容認に動いたわけですね。まぁアメリカはやると言ったら、どうころんでもやるでしょうしね。

過去のエントリ。
リビア介入、国連は動くか 「国民を保護する責任」初適用も
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110301/p2