反体制派がカダフィ軍事拠点への空爆を欧米に要請 国連承認下で …正義は誰の手に?
■反体制派がカダフィ軍事拠点への空爆を欧米に要請 国連承認下で
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110302/mds11030213020010-n1.htm
2011.3.2 13:01米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は1日、リビア北東部の主要都市ベンガジを実効支配する反体制派が、最高指導者カダフィ大佐の軍事拠点に対する空爆を、国連の承認の下で欧米諸国に要請するかどうか検討していると報じた。
反体制派の協議に通じた複数の人々の話として伝えた。空爆対象の候補としてはレーダー基地などが含まれるという。
同紙によると、反体制派はカダフィ政権が崩壊しないことにいら立っており、国連安全保障理事会の承認があれば「外国の軍事介入ではない」と主張できると考えているという。
しかし同紙は、国連の承認があっても外国軍による介入は、反体制派の蜂起を「リビア占領を狙った西側の謀略」と位置付ける大佐の術中にはまる可能性があり「大きなリスクを伴う」と指摘した。(共同)
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確かにこれはそうですよね。
■【リビア騒乱】「国連決議は不可欠ではない」 飛行禁止区域で英外相
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110303/p3
の
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にあったように『艦船レーダーによる監視にとどめる案』で、反体制側の損害を最小に食い止めるようサポートするのがせいぜいじゃないかなという気がします。世界的に見ればアメリカがカダフィ体制に大概の事をしても行動は支持されるでしょうけど、中東に限ればアメリカの存在自体が敵視されてる面もありますからね。反体制側に「ここでアメリカの力を借りたら結局何も変わらないんじゃないか」と思わせたら大失敗ですからね。
■ウォールストリート・ジャーナル紙ヘッドライン(3日付)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110303-00000090-reu-int
リビアの反体制派が国際社会に対し、カダフィ大佐側への空爆を要請したものの、ゲーツ米国防長官はリビアへの軍事介入に慎重姿勢。
というのも判る気がします。なんとなくイラク戦争の10年以上前の湾岸危機をみているような気がします。今は正義は欧米の側にあるでしょうけど、本当に戦争の手配が整って実力行使する頃になると、全然正義と思われない情勢になっているという。
ところでカダフィが排除されたとして、その後任となる人も一応出てきてるようですね。
■国連に空爆要請=リビア反政府派―前法相が「国民評議会」代表に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110303-00000010-jij-int
【トリポリ時事】リビア東部を支配する反政府勢力の報道官は2日、ベンガジで記者会見し、国連に対し、最高指導者カダフィ大佐に従う雇い兵の拠点に対する空爆を要請した。AFP通信が伝えた。カダフィ氏は反政府勢力の手に落ちた諸都市の奪還のため、アフリカ西部のマリやニジェールなどの雇い兵を投入しているとされる。報道官はまた、カダフィ政権から離反したアブドルジャリル前司法書記(法相)が、反政府勢力を束ねる新組織「国民評議会」の代表に就任する見通しであることを明らかにした。評議会は30人で構成されるという。
アブドルジャリル氏は2月下旬、カダフィ政権に代わる「暫定政府」樹立を表明。新指導部選出のための選挙を3カ月以内に実施すると発表していた。国民評議会は今後、同氏を中心に反政府勢力を統合する組織づくりを目指すとみられる。
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〔用語解説〕「リビア」
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よくよく見ると先月報道がありましたね。
■前リビア法相、暫定政府樹立に着手=3カ月以内に選挙、国土一体性維持
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110227-00000017-jij-int
時事通信 2月27日(日)6時34分配信【カイロ時事】リビアのカダフィ政権を離反したアブドルジャリル前司法書記(法相)は26日、暫定政府の樹立に着手したことを明らかにした。中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどが報じた。暫定政府は北東部のベンガジに拠点を置き軍民の関係者で構成、新指導部選出のための選挙を3カ月以内に実施することを目指すという。前書記はまた、国土の一体性を維持し、トリポリを引き続き首都とする考えを示した。
カダフィ政権崩壊を想定した新体制構築で、具体案が浮上したのは初めて。首都にとどまり、徹底抗戦の構えを取る最高指導者カダフィ大佐の包囲網が一層狭まった。
前書記はまた、反政府デモ隊弾圧に関し、犯罪に責任を負っているのはカダフィ大佐のみで、同大佐の出身部族であるカダドゥファ族に責任はないとの見解を示した。
「カダフィ後」の国家再建をめぐっては、リビア社会の基盤を成す部族間の対立の回避が重要課題の一つとされ、前書記の見解表明はこの点に配慮したものとみられる。
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ただデモ弾圧の責任を誰が負うかは、ICCの捜査、
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http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110303/p4
の結果によるんじゃないでしょうか。『市民弾圧を指揮した人物の特定や命令系統などの情報』を集めているようですし。ここを適当に処理してしまうと、ICCの威信が傷つくと思うのですが。
ともあれ前出の軍事評議会ですが
■リビア反体制派、軍事評議会を設立 首都進攻に向け
http://www.asahi.com/international/update/0302/TKY201103020078.html
2011年3月2日10時29分【カイロ=古谷祐伸】リビアの最高指導者カダフィ大佐と反体制派の攻防戦が西部を中心に続くなか、東部の拠点都市ベンガジで1日、支配を固めつつある反体制派の指導者らが、首都トリポリ進攻にむけた軍事評議会の設立を発表した。
AFP通信などによると、詳細は明らかにされていないが、ベンガジなどでは有志の軍事訓練が始まっており、首都進攻のための作戦本部としての位置づけとされる。ただ、「我々の戦力とカダフィ氏のそれとはバランスが取れていない」との声が反体制派内から出ており、表向きは拒んでいる国際社会の軍事介入を依頼する可能性が強まっているという。
AP通信によると、トリポリで包囲されつつあるカダフィ氏は1日までに、息子などが率いる精鋭部隊を使って反体制派の支配する都市を攻撃させた。ザウィヤとミスラタ、ジンタンの奪還には失敗したが、ガリヤンとナフサ、サブラタの各都市は奪い返した。国連によると、2月19日以降、隣接するエジプトとチュニジアに計14万人が脱出した。
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と軍事介入依頼に慎重ともあります。上は朝日新聞ですが産経新聞だと、
■【リビア騒乱】反体制派「国民評議会」が空爆要請へ 評議会代表に前司法相就任見通し
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110303/mds11030301300001-n1.htm
2011.3.3 01:30【カイロ=岩田智雄】内戦状態にあるリビアの反体制派が拠点とする北東部の第2の都市ベンガジで、反体制派「国民評議会」のスポークスマンは2日、記者会見し、最高指導者カダフィ大佐に反旗を翻し反体制派に合流したアブドルジャリル前司法書記(司法相)が同評議会の代表に就任する見通しであると発表した。ロイター通信などが伝えた。同評議会は30人で構成されるという。
アブドルジャリル氏は先月26日、ベンガジを拠点に暫定政権を樹立する考えを表明。国民評議会は、暫定政権構想は同氏の「個人的意見」だとの見解を示していたが、カダフィ政権後の受け皿作りが本格化した格好だ。
スポークスマンはまた、カダフィ氏側の外国人傭兵(ようへい)を攻撃するため、国連を通じて欧米諸国に空爆の実施を要請することを明らかにした。ただし、リビアへの外国部隊の派兵については反対する考えを示した。
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ということで空爆は要請する方向のようですね。
ただこういう報道もあります。
■英特殊部隊、リビア潜伏か=化学兵器押収目指す
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110302-00000106-jij-int
【ロンドン時事】2日付の英紙デーリー・テレグラフは、リビアのカダフィ政権が依然貯蔵しているとされるマスタードガスやサリンなどの化学兵器を押収するため、英国の特殊空挺(くうてい)部隊(SAS)が既にリビアに潜伏しているもようだと報じた。同紙によると、リビアの化学兵器は砂漠地帯の異なる3カ所の貯蔵庫に収められているとみられ、その量は最大で10トン。SASの隊員は10日ほど前からリビア入りしているという。
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出会い系サイトでデモ組織=反体制工作の一端明らかに
なんか大量破壊兵器が出てくるとホント湾岸危機→イラク戦争の既視感が。まぁ同じ失敗はしないでしょうけど、次の戦争はどういう大義名分で攻め込むことになるんでしょうね。