日立、中国で水ビジネス本格参入…欧州に対抗

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110307-00001254-yom-bus_all


読売新聞

 日立製作所が、中国で水ビジネスを本格展開することが7日、明らかになった。

 四川省成都市で下水道の浄化システムを納入するほか各都市で上下水道の建設・運営などの一括受注を目指す。日本メーカーが中国で包括的な水ビジネスに参入するのは初めてとなる。

 納入するのは、微生物を使って短時間で生活排水などに含まれる窒素を取り除く浄化システムで、従来方式に比べて、設備投資が抑えられるという。現地の国有企業である興蓉(こうよう)集団と共同で事業を行う。

 中国は、急速に都市化が進んでおり、上下水道の処理能力が追いついていない。経済産業省は2025年までに、中国が世界の水ビジネス市場の約15%(約12・4兆円)を占める世界最大の市場に成長すると見込んでおり、日立は中国での事業強化は不可欠と判断した。日本企業の水ビジネスは、部品納入や総合商社の出資などにとどまっており、先行する仏のスエズ社やベオリア社といった欧州の「水メジャー」に比べ出遅れている

水ビジネスというと、
三菱商事日揮・荏原、水処理ビジネスで提携 新興国で一括受注
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20100204/p7
というのを以前とりあげました。

日中で水ビジネスで合意する見通しが以前ありました。水メジャーという言葉も出てきます。
2009/10
<水ビジネス>日中両国で協力合意へ 国際市場参入に弾み

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091010-00000014-mai-bus_all
 11月初旬に北京で開かれる「日中省エネルギー・環境総合フォーラム」(日中両国政府共催)で、水質浄化などに関する協力で両国が合意する見通しとなった。中国は急激な工業化で水需要が増加する一方、湖水の汚染が深刻な社会問題となっている。これに対し、高い水処理技術を持つ日本は、海外での水ビジネスの展開を将来の成長分野と位置づけており、両者の利害が一致した。【赤間清広】

 同フォーラムは、経済産業省や財界幹部が訪中し、海水の淡水化や工場・生活排水の処理などについて、中国政府や地元企業と具体的な協力方法を討議する。

 素材メーカーなど水ビジネスにかかわる日本企業も同行し、日本の高度な水処理技術を売り込む計画だ。政府は、中東・アフリカ地域の22カ国・機関で構成する「アラブ連盟」との関係強化のため12月に東京都内で初開催する「日アラブ経済フォーラム」でも水問題を取り上げる方針で、将来の市場拡大が見込まれる新興国に対する取り組みを本格化する。

 日本は汚れた水をろ過するフィルターなど個別技術では世界トップレベにあるが、プラントの設計、建設、運用といった一貫したサービスを提供するノウハウに乏しく、海外の水市場に参入できずにいた。人口減少で国内の水需要が頭打ちになる中、政府は水ビジネスの国際展開に向けた体制を早急に整える必要があると判断。民主党政権も「政権交代にかかわらず、(水ビジネスは)前に動かしていく」(前原誠司国土交通相)として引き続き、支援に力を入れる方針だ。

 経産省は7月、企業の水ビジネスを支える専門部署を省内に新設。今月15日には上水道の運用ノウハウを持つ地方自治体もメンバーに加えた「水ビジネス国際展開研究会」の初会合を開き、海外市場の調査や有力事業の絞り込みに入る。

 ◇世界の水ビジネス市場は約60兆円

 水質浄化などの世界の水ビジネス市場は現在約60兆円規模だが、途上国の経済発展と都市化に伴う水需要の急増で、2025年には100兆円超に拡大するとみられている。砂漠化が進むアジア、アフリカ地域では水不足が深刻化しており、貧困国支援の側面からも水ビジネスに対する関心が高まっている。

 海外市場はこれまで、スエズ(仏)、ヴェオリア(同)、テムズ・ウオーター(豪)など「水メジャー」と呼ばれる少数の欧州系企業がシェアを独占してきたが、水ビジネスの成長力に目をつけた米国やドイツ、インドネシアなどの企業が相次ぎ参入。政府の全面的な支援を受けた日本勢も加わり、国際競争が激化している。

11月の日中合意は、わかりませんでしたが、12月の「日アラブ経済フォーラム」はこれですね。
2009/12
<日本・アラブ経済フォーラム>水関連ビジネスなど協力確認

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091207-00000080-mai-bus_all
 日本とアラブ諸国の関係強化を目指す「日本・アラブ経済フォーラム」の初会合が7日、東京都内であり、水関連ビジネスなどの連携促進を盛り込んだ議長総括を発表した。

 アラブ連盟に加盟する中東・北アフリカの22カ国・機関から、閣僚や企業幹部ら1000人以上が参加。日本側は直嶋正行経済産業相岡田克也外相、日本経団連御手洗冨士夫会長らが出席した。

 会議では、アラブ諸国の水不足解消と、日本企業の水処理技術などのビジネス展開を後押しするため、政府間で「水政策対話」を実施することで一致太陽光発電や観光など幅広い分野での連携も確認した。アラブ連盟のムーサ事務局長は会見で「日本の最先端技術の移転に期待している」と述べた。【柳原美砂子】

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「水政策」で調べてもこの後の流れは分かりませんでした。
http://news-net.ddo.jp/cgi-bin/estseek.cgi?phrase=%E6%B0%B4%E6%94%BF%E7%AD%96&perpage=100&clip=-1&navi=0&attr=&order=_date_

日立の話に戻りますが、詳しく知りたい方は
「日本型水メジャー」になるための条件
http://www.nikkei.com/tech/ecology/article/g=96958A9C93819499E3E2E2E09C8DE3E2E2E4E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2
スマートグリッドとかまで水ビジネスと統合するような話が出ています。

まぁうまく行ってくれればいいんですが。

追記:
こういうのもありました。
豊田通商名古屋市水道局、スリランカで水ビジネス参入

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110307/fnc11030714410010-n1.htm
2011.3.7 14:39

 豊田通商は7日、名古屋市上下水道局と相互協力協定を締結し、スリランカ生活用水を供給する水ビジネス事業への参入を目指すと発表した。同国コロンボ郊外の水道がない地域で、同市上下水道局の水浄化技術を用いた飲料水の供給について検討する。

 砂地の微生物を用いて水を濾過(ろか)する浄水事業を行う。同事業に関し、豊田通商国際協力機構(JICA)と業務委託契約を締結することから、事業着手に向けた調査を本格化する。調査は来年3月に終了し、採算性を検討して、事業化を図る計画だ。

 世界の水ビジネスは、新興国を中心とする水資源不足を背景に拡大。水道技術のノウハウをもつ自治体と企業の連携が増加している。関西経済連合会大阪市は、ベトナムの国営水道会社に水質改善技術の供与を開始。横浜市日揮と水道ビジネスの展開で包括提携するなど、全国的に官民一体となった水道技術の売り込みが活発化している。

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日揮というと、上にリンク貼ったエントリでも名前が出ていますね。