中国初の空母「施琅」、23日にも試験運航へ

中国初の空母「施琅」、23日にも試験運航へ(上)

http://www.chosunonline.com/news/20110408000065

70年の悲願、ついに実現

建造中の新空母は2015年に実戦投入へ

 中国の空母保有が、間もなく現実のものになろうとしている。新華通信や環球時報など中国国営メディアの電子版は7日、中国がウクライナから購入し、2002年から大連の造船所で改造作業を行ってきた旧ソ連の空母「ワリヤーグ」が、完成段階に入り、仕上げの作業が進められていると報じた。

 空母ワリヤーグの中国名は「施琅(清の水軍の将軍で、台湾を奪還した人物)」。新華通信は「1940年代に国民党政府の海軍が空母建造計画を策定して以来、中国人が70年間待ち望んできた空母保有の夢が、ついに実現した」と報じた。中国では、海軍の創設日にあたる今月23日や、共産党創党90周年を迎える今年7月1日が、試験航海の日程に挙げられている。

■米国の制海権に対し「遠洋防御」戦略

 中国で空母の父と呼ばれる劉華清提督(1916-2011年)は1985年、中央政府に提出した「中国の海軍戦略」の提案書で「21世紀初めまでに、台湾や沖縄まで防衛ラインを拡大し、2020年までに北太平洋に進出、50年までには全世界に作戦範囲を拡大しなければならない」と主張した。

 中国は、09年に海軍の戦略概念を「近海防御」から「遠洋防御」に転換した後、太平洋やインド洋へ作戦範囲を拡大することに腐心している。08年からソマリア海域に3隻の軍艦を投入し、昨年4月には日本の南方海上を通って西太平洋に進出する大規模な海軍機動訓練を実施した。

 こうした遠洋進出戦略を実現するために、必要不可欠となるのが空母だ。北京大のある国際政治専門家は「中国の利害の範囲が全世界に拡大した今、中国海軍の防御概念が近海にとどまることは、中国の国益に合致しない。空母によって、海軍の作戦範囲を全世界に拡大しなければならない」と語った

 中国が空母開発に積極的に乗り出した背景には、中東から輸入される原油の輸送ルートの安全確保と深い関係がある。原油の輸送ルートに当たるインド洋や南シナ海東シナ海などは、ほとんどが米国の制海権下にあり、従来の近海防御の概念では、有事の際にエネルギーの安全保障を確保できないというわけだ。中国の原油輸入依存度は60%に達している。

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

中国初の空母「施琅」、23日にも試験運航へ(下)

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■韓国領空が空母の作戦半径内に

 「施琅」が実戦配備されれば、韓国はもちろん日本など北東アジアの軍事バランス、特に海軍力の勢力図が変化すると予想される。空母が実戦配備されるということは、中国版イージス艦駆逐艦、攻撃型原子力潜水艦など5-8隻の艦艇からなる空母戦闘団が総合的に動くことを意味する

 特に、中国の空母が西海(黄海)に配備された場合、韓国の領空のほとんどが空母艦載機の作戦半径に入ることになる。米国の空母の作戦半径は1000キロ以上だが、中国の空母は500-800キロの作戦半径にとどまると予想されている。主力艦載機になる可能性の高いスホーイ33戦闘機の戦闘行動半径が、最大800キロ程度だからだ。

 スホーイ33はスホーイ27の艦載用として作られたもので、全般的な性能はスホーイ27より劣る。そのため、韓国空軍の最新鋭戦闘機F15Kと比べると、劣勢だと評価されている。しかし有事の際、中国内陸の基地から戦闘機が出撃するよりも、空母から出撃する方が、攻撃範囲は広くなる。中国の空母には、米空母のE2C早期警戒機に比べはるかに探知距離は短いものの、早期警戒レーダーを積んだ特殊なヘリも搭載され、早期警戒能力も備えているという。

■中国、2020年には原子力空母を開発予定

 「施琅」は当分の間、空母戦闘団の戦略・戦術の習熟や、艦載機の離着艦技術の開発試験に用いられるものとみられる。外信が報じた内容によると、中国はこの空母の改造を通じて蓄積した技術を活用し、上海の長興島で中国独自の空母1隻を建造している。新空母は、2015年から16年ごろをめどに実戦投入される見込みだ。

 さらに20年には、原子力空母の開発も予定されている。北京のある軍事消息筋は「中国は、空母『施琅』を開発した技術を基に、2-3隻の通常型空母を建造した後、原子力空母を開発する計画も進めている」と語った。

ユ・ヨンウォン記者

北京==崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

「ミリタリー・バランス2011年版」微妙に報道の内容が違うが…。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110309/p6
でもワリャーグは訓練用とも作戦任務を帯びる可能性とも書いてありましたが、訓練と言っても実戦投入される新空母があってこそする意味があるわけですから、中国の空母実戦投入に気をつけなければいけないわけですね。

中国の海洋展開戦略に関しては
中国、インドネシア・パプアに関心示す 「第2列島線」南端の戦略拠点
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110113/p3
あたりを参照。

またこういう記事もありますね。
■中国式「資源」獲得術 「真珠の首飾り戦略」のどかな港が要衝に
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20100403/p1