デモ強硬鎮圧のシリア、それでも国連人権理事国に立候補

http://www.asahi.com/international/update/0510/TKY201105100209.html

2011年5月10日14時19分

 市民デモへの強硬鎮圧を続けるシリアが、国連人権理事会(本部・ジュネーブ)の理事国選挙に立候補し、国際社会や人権団体が反発を強めている。当選の可能性があり、理事会への信頼が失われるとして、立候補辞退を求める声も出始めた

 人権理事会は先月29日、反政府デモ参加者への武力鎮圧を理由にシリアを非難する決議を採択した。西側諸国のある外交官は「非難決議を受けた国が理事国になれば、理事会の信頼が失われる。シリアは立候補を辞退すべきだ」と朝日新聞に語った。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(本部・ニューヨーク)も「シリアを当選させることは被告を陪審席に座らせるのと同じ」という声明を出した。

 国連は20日の総会で、人権理事会の理事国15カ国を選挙で決める。シリアは反政府デモ弾圧が本格化する前の3月中旬にアジア(中東含む)枠で立候補を表明。同枠は4カ国で他はインド、インドネシア、フィリピン。枠と立候補国数が同数なのはアジア・中東諸国で調整された結果だ。

 各国は地域ごとにその枠数分を投票し、国連加盟国の過半数(97票以上)を得票した国が当選する。秘密投票で行われる。

 人権理事会を創設した2006年の国連総会決議では理事国に「最高水準」の人権状況を求めている。あるアジアの外交官は「正直、シリアでいいのか、という疑問はある」と話す。

 複数の外交筋によると、米国がシリアに投票しないように呼びかけており、同じ中東のクウェートオマーンをシリアの対抗馬に立てる動きもあるという。(ニューヨーク=春日芳晃)

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 〈国連人権理事会〉 「人権の砦(とりで)」として2006年6月に発足し、加盟国の人権状況の定期審査を実施している。前身の人権委員会は非民主国家が委員になるなど批判が強かったことを踏まえて、理事国となる国には「最高水準」の人権状況を求めている。

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まぁ人権の考え方にも色々とあると思うのですが、人権保護のための機関をのっとるようなやり方は違うと思います。

国連人権理事会、シリア非難決議可決 中ロなど反対
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110430/p1