ベトナム、南沙諸島で選挙 領有権主張の中国反発

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110514-00000533-san-int
 【シンガポール=青木伸行】ベトナムは22日の国会議員選挙を、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島でも実施する。これに南シナ海のほぼ全海域の領有権を主張する中国が反発、ベトナムも反論するなど応酬が繰り広げられている。

 ベトナム共産党は1月の党大会で、グエン・フー・チョン氏を書記長とする新指導部を発足させ、今回の選挙を経て、7月招集予定の国会で首相らを正式に選出する。ベトナムが実効支配する南沙諸島の一部は、中南部カイホア省の1郡と位置づけられ、有権者」は駐屯する軍兵士らだ。

 これに対し、中国外務省は10日、「選挙は中国の主権の侵害であり、非合法、無効だ」と非難。ベトナム外務省も12日、南沙諸島での選挙は「ベトナムの内政問題だ」と反発した。

 中国は先月、南沙諸島などの領有権を主張する文書を、国連事務総長に送付。ベトナムも今月、「ベトナムの不可分の領土だ」と反論する文書を事務総長に送った

 南沙諸島はフィリピン、マレーシアなども領有権を主張しており、中国と東南アジア諸国連合ASEAN)は2002年に平和的解決をうたった「行動宣言」に署名している。ASEANは宣言を法的拘束力のある「行動規範」への格上げを目指しているが、中国は消極的だ。

 温家宝首相は先月末、ASEAN議長国のインドネシアと、マレーシアを歴訪。インドネシアへの約90億ドルの融資、マレーシアとの経済協力拡大で合意し、「領有権問題は2国間で解決すべきだ」とクギを刺している。

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各国の主張する領域の図は、
ベトナム、中国の南沙演習に抗議
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110306/p4
にあります。