パキスタン人記者殺害 軍とアルカイダ 関係報道

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011060202000021.html
一週間ちかく前の記事ですが。

2011年6月2日 朝刊

 【バンコク=杉谷剛】パキスタンの首都イスラマバードで先月三十一日、行方不明になっていたパキスタン人記者が遺体で見つかった。体に打撲とみられる傷が多数あり、何者かに誘拐、拷問されて殺されたとみられる。記者は殺害直前、パキスタン海軍内部に国際テロ組織アルカイダの協力者がいたとする調査報道を発表。周囲に脅迫されていると訴えていた。

 AFP通信によると、殺されたのはインターネット新聞アジア・タイムズ・オンラインのパキスタン支局長サイヤド・サリーム・シェザードさん(40)。先月二十九日、テレビ番組に出演するため市内の自宅を出た後、行方不明になった。

 遺体は市内から約百五十キロ離れた場所に止まっていた自家用車のそばで見つかった。解剖の結果、身体や顔に棒のようなもので打たれた傷が十五カ所以上あった。

 シェザードさんは行方不明になる二日前、海軍内に潜入しているアルカイダ協力者に関する記事を発表した。それによると、海軍は内部捜査で下級幹部ら十人を逮捕。その後アルカイダから釈放要求があり、軍は逮捕者の尋問を条件に交渉を進めたが決裂した。このためアルカイダは五月二十二日に南部カラチの海軍航空基地を襲撃に及んだとする衝撃的な内容だった。シェザードさんは殺害される前、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」のメンバーに「パキスタン軍の情報機関から脅迫されている」と話していたという。

 シェザードさんはアルカイダイスラム武装勢力に関する報道や著書に定評があり、三人の子供の父親でもある。ザルダリ大統領は「深い悲しみ」を表明。クリントン国務長官もシェザードさんの功績をたたえ、「米国は殺害を非難する」との声明を発表した。

上は東京新聞ですが、朝日新聞だと別の記事を扱っています。
パキスタンで記者殺害 軍とアルカイダの関係を取材

http://www.asahi.com/international/update/0601/TKY201106010662.html

2011年6月1日22時15分

 パキスタン東部マンディバハウディンの運河で5月31日、報道サイト、アジアタイムズオンラインの記者サリム・シャハザドさん(40)が他殺体で見つかった。パキスタン軍とテロ組織の関係をめぐる記事を執筆、当局に脅されていたという。

 地元メディアなどによると、シャハザドさんは5月29日、首都イスラマバードの自宅から市内のテレビ局に車で向かう途中、行方不明になっていた。遺体には暴行の跡があったという。

 シャハザドさんはパキスタン軍と国際テロ組織アルカイダタリバーンなど武装勢力の関係を取材。昨年、軍当局がタリバーン幹部を極秘裏に釈放したと報じた。その後、この件で軍統合情報局(ISI)から脅迫を受けたと国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチに伝えていた。先月はアルカイダパキスタン海軍の関係をめぐる記事を書いていた。(イスラマバード=五十嵐誠)

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・ 〈コラム・ルポ〉週刊アジア
・ アジアネットワーク
・ 人民日報ニュース
・ アジア記事一覧

先月の件はこれですね。
2011/05
武装集団がパキスタン・カラチの海軍基地襲撃 死傷者25人、航空機2機破壊 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110523-00000579-san-int

 【ニューデリー=田北真樹子】パキスタン最大都市、南部カラチのパキスタン海軍航空基地が22日夜、武装集団の襲撃を受けた。武装集団は基地内に立てこもり、襲撃開始から約16時間にわたって治安当局との銃撃戦を展開。マリク内相によると、治安当局者を含む10人が死亡、15人が負傷した。武装集団も全員が殺害された。また、航空機2機が破壊された。

 パキスタン軍施設の襲撃は、2009年10月に首都近郊ラワルピンディの陸軍司令部が襲撃を受けて以来最大。国内でも警備が最も厳重な軍基地が襲撃を受けたことで、核管理を含めたパキスタンの治安能力を不安視する見方が国内外で改めて広がりそうだ。

 国際テロ組織アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者殺害を受け、報復宣言をしていたイスラム武装勢力パキスタンタリバン運動(TTP)」が、「ビンラーディンの殉教に対する報復」と犯行を認めた。TTPと、アルカーイダは協力関係にあったとされる

 空軍基地の襲撃は22日午後10時半頃(現地時間)に始まった。TTPによると武装集団の規模は20人以上。基地の裏から侵入したとみられ、ロケット砲で格納庫内の対潜哨戒機P3Cを攻撃し、炎上させた。同機は米国から昨年6月に供与されたばかりだった。

 地元テレビは、武装集団が下水道をつたって基地内に侵入したと伝えている。襲撃にはロケット砲や手榴(しゅりゅう)弾が使われており、海軍報道官は「武装集団は高度な武器を持っていた」と語っている。

 TTPは内部の事情を把握し、周到に準備したとみられることから、内部に武装勢力の協力者がいたのではないかとの指摘が出ている

 マリク内相によると、襲撃時基地内にいた11人の中国人を含む外国人17人は全員無事だった。

 カラチでは4月下旬、海軍のバスを狙った爆弾テロが3件あり、少なくとも計9人が死亡。いずれもTTPが犯行を認めている。

 パキスタン国内では、01年の米中枢同時テロ以降、米国のテロとの戦いに共同歩調を取るパキスタン政府にイスラム過激派などが強く反発。TTPは、アフガニスタン国境沿いのパキスタン北西部部族地域などに拠点を置く、複数の武装勢力からなる組織で、パキスタン政府や軍関連施設を標的としたテロ攻撃を繰り返している。

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赤字にした部分が上の記事で亡くなられた、サーリムさんの報道なんでしょうね。朝日新聞昨年、軍当局がタリバーン幹部を極秘裏に釈放したと報じたは探しましたが、見つかりませんでした。ところで基地内に中国人がいたようですが、こんな記事もあります。
パキスタン、中国に軍港建設要請…海軍駐留も

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110524-00001180-yom-int

読売新聞

 【イスラマバード=横堀裕也】パキスタン政府は、同国西部グワダル港での軍港建設と中国海軍の駐留を中国政府に要請した。

 ムフタル国防相が、23日付の英紙フィナンシャル・タイムズなどに明らかにした。かつてなく米国とパキスタンの関係が冷え込む中、間隙(かんげき)を突く形で、中国の軍事的プレゼンスが強まることにつながりかねない事態だ。

 ムフタル国防相は同紙に、ギラニ首相が17日に訪中した際、軍港建設と海軍駐留を要請したと明らかにした。

 建設の具体的時期などは不明。要請の事実を中国側は認めていない。しかし、パキスタンの地元メディアは、同国防相の話として、「パキスタン側は潜水艦乗組員の訓練も中国に依頼した」と報じた。

中国式「資源」獲得術 「真珠の首飾り戦略」のどかな港が要衝に
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20100403/p1
でも、グワダル港は出てきましたが、中国による軍事的利用はありえないとあったのですが、状況は変わっているようですね。