中国国防相とベトナム国防次官が握手…安全問題、北京で会議

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110830-00000007-scn-int

ベトナムのグエン・チー・ビン国防次官は29日、北京市内の八一大楼を訪れ、中国の梁光烈防相と会談した。グエン国防次官は、第5回中国・ベトナム防務安全協議に出席するため、訪中した。

 中国新聞社電によると、八一大楼における会談で双方は友好的な雰囲気のもとで、国際的な情勢や両国軍の関係などで意見を交換したという。

 第5回中国・ベトナム防務安全協議では、南沙諸島ベトナム名:チュオンサ/英語名:スプラトリー)など南シナ海における両国の対立が重要な議題になった。

 中国の梁国防相は「双方は当面、ともに努力し、問題の複雑化と国際化に反対し、協議と交渉で紛争を解決すべきだ」などと述べた。ベトナムのグエン国防次官は「両国の全面的な戦略的協力パートナーシップを重視」、「南シナ海問題で両国に一部の食い違いがあるが、相互信頼にもとづき友好的な交渉を通じて解決を求めるべきだ」などと述べた。

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◆解説◆
八一大楼は北京市の中央部にある建物。中央軍事委員会のオフィスビルとして1990年代末期に完成したが、現在は外国からの賓客の接待などに使われている。「八一」は中国の建軍記念日(1927年8月1日の南昌蜂起)を示し、軍のシンボルとしてさまざまな場面で使われている。(編集担当:如月隼人)

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8月の頭にはこういう記事があったのですが。
ベトナム新内閣 対中牽制色くっきり 外相に強硬派

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110804/asi11080421010002-n1.htm
2011.8.4 20:58

 【シンガポール=青木伸行】ベトナムグエン・タン・ズン首相が、第3次内閣を発足させた。首相は中国との南シナ海領有権問題と、インフレ抑制を優先課題に取り組む意向。安全保障分野では、アジア・太平洋地域への関与を強める米国との連携を深めつつ、対中国では引き続き神経質なかじ取りを強いられそうだ。

 首相が提出していた全閣僚26人(副首相ポストを含む)の人事案が、3日の国会で承認され、新内閣がスタートした。初入閣はファム・ビン・ミン外相やブー・バン・ニン財務相ら15人で、フン・クアン・タイン国防相は留任した。

 ズン首相は3日の国会での演説で「独立と主権、領土を強固に守っていく」と強調するとともに、インフレの抑制と経済の安定を重視する方針を表明した。

 新内閣の顔ぶれをみると、ミン氏の外相起用に今後の対米、対中方針がにじみ出ている。同氏は第1外務次官からの昇格で、欧米との人脈が太い。父親は強硬な反中派として知られた故グエン・タク元副首相兼外相でもある。タイン氏の国防相留任と合わせ、対中牽(けん)制(せい)姿勢が反映されているとみられている。

 だが、ベトナムにとって、南シナ海における中国との領有権問題は、最大の政治的なリスクとなっている。それだけに、中国との間合いの取り方に極めて腐心しており、今後も「硬軟を使い分けていくことになるだろう」(外交筋)との見方は強い。

 現に最近でも、中国の反対を押し切る形で、7月に米軍との共同演習を中部ダナン沖合の南シナ海で実施した。その一方で、同月29日から8月1日にわたりハノイで、中国側と領有権問題をめぐり協議し、「平和的な方法で解決する」ことで一致している。

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早速硬軟使い分けているようですね。

ファム・ビン・ミン外相はこちらに名前が出てました。
南シナ海問題】大国巻き込み狙うベトナム、インドにも秋波

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110830/chn11083021300010-n1.htm
大国巻き込み狙うベトナム、インドにも秋波
2011.8.30 21:29

 南シナ海をめぐる中国とベトナムの対立は中国紙が「戦争」に言及する事態となった。小国ベトナムにとって活路は大国の応援を求めることである。軍事面も含めた関係強化が進む旧敵米国、かつて最大の後ろ盾だったロシア。この両国に続いてベトナムが秋波を送り始めたのがアジアのもうひとつの雄、インドである。

 中国初の空母が試験航海に出た3日後の今月13日、米空母ジョージ・ワシントンベトナム沖にいた。米政府から招かれたベトナム政府・軍の一行はこの日、空母の視察に訪れ、艦載機の発進訓練などを見学した。この8日前には米第7艦隊のバンバスカーク司令官がハノイベトナム軍高官と会談している。

 米越間の軍事交流は2003年の米艦船によるベトナム戦後初の寄港以後、急速に進展している。先月には中国が反発する中、米艦船3隻がベトナム沖で米越合同演習に参加した。米越両国は6月にワシントンで政治・安保・国防年次対話を開いたが、南シナ海問題も協議し、地域安保での協力を確認した。

 この会合のベトナム側団長を務めたファム・ビン・ミン外務次官は今月発足した新内閣で外相に就任した。同氏の父は、反中派の旗頭として中国に目の敵にされたグエン・コ・タク元外相である。

 しかし米政府は、緊張緩和に向けた外交的取り組みへの関与を強めているものの、問題の核心である南シナ海の領有権については中立を貫く姿勢を崩していない。ハノイで最近会ったベトナムの中国専門家も「米国の経済立て直しは中国が頼りだ。その弱みを中国はよく知っている」と、米国のベトナム支援には限界があるという認識を口にした。

 ベトナムの庇(ひ)護(ご)者はかつてソ連(ロシア)であり、中部カムラン湾ソ連軍基地はその象徴だった。しかしロシアは資金難から02年にカムラン湾から撤退した。ロシアはその後、ベトナムとの関係再構築に動き、昨年にはカムラン湾の再基地化の憶測も流れたが、両国政府はともに明確に否定している。

 しかし、スプラトリー(中国名、南沙)諸島に近いカムラン湾基地を重要な対中カードとして使うというベトナムの戦略は明白だ。外国基地化は認めないが、「すべての国の艦船に(保守や修理、補給などの)サービスを提供する」とグエン・タン・ズン首相自ら明言している。ロシアの支援で基地機能を強化・拡充し、空母受け入れも将来はあり得ると軍首脳は語る。

 ベトナムにとって、兵器の調達先としてのロシアの重要性は今も変わらない。ロシアにベトナムが発注したフリゲート艦の2隻目が先月、カムラン湾に到着した。このほか、キロ級潜水艦6隻やスホイ30戦闘機など、ロシア製兵器の活発な調達が目立つ。

 こうした中で、対中戦略上の新たな連携相手として急浮上しつつあるのがインドである。5月にインド海軍の駆逐艦など2隻がホーチミン市に寄港したのに続いて、7月にはカムラン湾のすぐ北にあるニャチャンを戦車揚陸艦が訪問した。一方、ベトナムからは海軍司令官を兼務するグエン・バン・ヒエン国防次官が6月に訪印している。

 ベトナムとインドはホー・チ・ミン主席とネール首相以来の長い友好の歴史がある。ともにロシア製兵器への依存度が高いことも軍事交流には好都合だ。インドはベトナム軍、とくに海軍と空軍の近代化への支援を明言しており、対艦ミサイルや地対地ミサイルの供与に原則同意したという報道もある。

 中国は国内メディアがこうした動きをいち早く報じるなど、インドの東進を警戒する。しかし、中国のインド洋進出に対抗するためにも、ベトナムとの連携強化や南シナ海への進出を当然と見る向きがインドでは多い。あるインド人コラムニストのブログ記事は中国への痛烈な皮肉で終わっている。「インド洋がインドの海でないなら、南シナ海も中国の海ではないだろう」。

(在バンコク・ジャーナリスト 鈴木真)

難しいところですね。ちょっと過去の記事もいろいろと読みこぼしているようですが、南シナ海南沙諸島メコンの開発あたりはちゃんとまとめようと思います。