日本タンカー、米艦船と衝突の件、イランの事などふくめて。

こちら↓の記事によりますと、
Fully-loaded oil tanker rips gaping hole in side of U.S. warship amid fears of radar failure in late-night collision
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2187303/USS-Porter-Mid-sea-drama-tanker-rips-huge-hole-U-S-Navy-ship-late-night-collision.html
ぶつかったポーターという艦船は、バーレーンを基地にしているアメリカ第五艦隊に配備されるために航行していたようですね。
一方の商船三井が所有するパナマ船籍の「M/V Otowasan」は、カタールのメサイード港からアラブ首長国連邦フジャイラ港に向かう途中だったとの事らしいです。地図で見ると以下のAからBに向かっていたようです(Bを見るためには縮小してください)。

大きな地図で見る
ちょっと調べてみたのですが、あまり詳しい事は分かりませんでした。
OTOWASAN
http://www.marinetraffic.com/ais/jp/shipdetails.aspx?MMSI=371687000

まぁぶっちゃけイランと関係があるかどうかで気になったんですけどね。イラン産原油を積んだタンカーがいるかもしれないと思ったので。
2012/07
日本、7月はイラン産原油輸入せず8月再開へ=関係筋
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120705-00000016-reut-int


7月4日、業界および政府筋は、日本が7月、イラン産原油を輸入しないことを明らかにした。ソウルで6月撮影(2012年 ロイター)

[東京 4日 ロイター] 業界および政府筋は、日本が7月、イラン産原油を輸入しないことを明らかにした。欧州連合(EU)によるイラン産原油輸送タンカーへの保険引き受け禁止措置が7月1日付で発動されたことを受け、制裁に抵触するリスクを回避する。

政府筋は「7月に輸入は行われないと認識している」と話した。

日本政府は前月、イラン産原油の輸入を維持するため、積荷に最大76億ドルの保険を提供することを決めた。政府筋によると、船会社は月内に政府との保険契約に署名する。

関係筋によると、次回、イランで輸出に向けた積荷が行われるのは7月末となっており、輸送期間を考慮すると、日本に到着するのは8月半ば以降になる公算が大きい。

アジア諸国では韓国が、7月1日から同国産原油の輸入停止を決めている。

EUがイラン産原油を積んだタンカーの保険を扱わないとなったので、政府が代わりに保険を提供する事にしたと。で、港関係の事を調べる方法がちょっと分かったので、何か分かるか調べてみました。
まずは、イランの港12のリスト
http://www.marinetraffic.com/ais/jp/datasheet.aspx?COUNTRY_CODE=IR&PORT_NAME=&orderby=COUNTRY_CODE&sort_order=ASC&menuid=&datasource=PORTS_CURRENT&app=&mode=&B1=%E6%A4%9C%E7%B4%A2

LAVAN
KISH
SIRRI
LENGEH
BANDAR ABBAS
BUSHEHR
KHARK ISLAND
LARAK ISLAND
RAJAEI PORT
BANDAR ANZALI
NOWSHAHR
AMIR ABAD

で、BANDAR ABBAS(Wikipediaによると大きいのはここらしい)に出入りしている船
http://www.marinetraffic.com/ais/jp/datasheet.aspx?datasource=PORT_MOVES&MOVE_TYPE=1&PORT_ID=1614&PORT_NAME=BANDAR%20ABBAS

'BANDAR ABBAS' 出港船・入港船: 11 レコードが見つかりました。
現地時刻 出港/入港 港 船舶名
2012-08-17 15:10 DEPARTURE BANDAR ABBAS YM PLUM パナマのコンテナ船
2012-08-17 07:09 ARRIVAL BANDAR ABBAS CAPT.KATTELMANN シンガポールのコンテナ船
2012-08-17 06:52 DEPARTURE BANDAR ABBAS SKYGLORY パナマの貨物船
2012-08-16 20:17 DEPARTURE BANDAR ABBAS YARAN ←同下
2012-08-16 18:19 ARRIVAL BANDAR ABBAS MARISOL シエラレオネのコンテナ船
2012-08-15 07:03 DEPARTURE BANDAR ABBAS ORE HANSA マーシャル諸島ばら積み貨物船
2012-08-14 22:46 DEPARTURE BANDAR ABBAS VALERIAN ボリビアの貨物船
2012-08-14 22:15 ARRIVAL BANDAR ABBAS YARAN ←イランのコンテナ船
2012-08-14 22:09 DEPARTURE BANDAR ABBAS HANJIN BREMERHAVEN パナマのコンテナ船
2012-08-14 20:31 DEPARTURE BANDAR ABBAS ALFA KARADENIZ ←同下
2012-08-14 19:58 ARRIVAL BANDAR ABBAS ALFA KARADENIZ ←トルコの石油化学タンカー
2012-08-14 16:45 DEPARTURE BANDAR ABBAS YM FOUNTAIN リベリアのコンテナ船
2012-08-14 08:04 DEPARTURE BANDAR ABBAS NEPTUNE ←ツバルの石油タンカー
2012-08-14 06:39 DEPARTURE BANDAR ABBAS CS TINA パナマのコンテナ船
2012-08-14 06:27 ARRIVAL BANDAR ABBAS SIMRAN パナマアスファルトタンカー
2012-08-13 20:27 DEPARTURE BANDAR ABBAS ARIA ←同下
2012-08-13 20:18 ARRIVAL BANDAR ABBAS ARIA ←イランの上陸船

たしかに8月中旬には日本はいないみたいですね。

ですが、イランからの石油輸入はもう少し続くと思います。
2012/05にはこんな記事がありました。
三菱東京UFJ銀、イラン決済再開 米国内除き口座凍結解除
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120525-00000014-fsi-bus_all

 三菱東京UFJ銀行は25日、イランの政府や中央銀行の関連口座凍結を、米国内の口座を除いて解除したことを明らかにした。凍結を指示した米ニューヨーク州地裁の決定に対し、米連邦地裁が同日までに「米国外の口座凍結は無効」との判断を下したため。これにより日本企業とイランとの決済取引が再開、イラン産原油の調達不安はひとまず後退する。

 州地裁は今月2日、1983年にレバノンで起きた米海兵隊司令部爆破テロをめぐり、被害者への賠償金確保のため、イラン関連口座の凍結を指示。これに対し同行は「凍結命令は日本国内の資産にもおよび、日本の法律上問題がある」と主張、異議を申し立てていた。

 日本のイラン産原油の輸入額は年間1兆円規模にのぼり、同行が決済の7〜8割を担っている。口座凍結が長引けば原油調達が混乱する恐れがあった。

まぁただ一時的な処理だとは思うんですけどね。アメリカもいつかはイラン産原油輸入ゼロにしろといってくるのではという気がします。

実際に問題が起こるとすればここら辺からだと思います。
2012/04
ペルシャ湾>3島の領有権巡り イランと湾岸諸国対立
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120422-00000038-mai-int

毎日新聞 4月22日(日)20時14分配信


アブムサ島、大トンブ島、小トンブ島の位置

 【テヘラン鵜塚健】ペルシャ湾に浮かぶアブムサ島、大トンブ島、小トンブ島の3島の領有権を巡り、イランと湾岸諸国との対立が過熱している。イランのアフマディネジャド大統領が今月11日にアブムサ島を訪問したことに、領有権を主張するアラブ首長国連邦(UAE)が強く反発。サウジアラビアなど6カ国で作る湾岸協力会議(GCC)がUAEに加勢してイランを非難し、地域の新たな火種になっている。

 。しかし、同年に独立アブムサ島は、英国撤退後の71年からイランが実効支配。しかし、同年に独立したUAEがその後、他の近隣2島も含めた領有権を主張した。以降、論争が続くが、本格的な衝突はなかった。

 しかし、大統領がアブムサ島を訪問したため、UAE政府は在UAEイラン大使を呼んで抗議。UAEが加盟するGCCは17日、外相会議を開き「イランの行為を、GCC全体に対する侵略行為とみなす」とする非難声明を出した

 これに対し、イラン政府も「島の領有権は明らかだ」として反論。イランとUAE側の双方が国連の潘基文(バン・キムン)事務総長に書簡を送り、非難合戦に発展している。

 イランは核開発問題で米欧諸国と対立。経済制裁に反発し、世界の原油の2割が通過するホルムズ海峡の封鎖をちらつかせてきた。海峡に近い3島の領有権を改めて主張することで、地域での影響力を国際社会に誇示する狙いもあるとみられる。

 イランとGCCは、反体制派への弾圧を続けるシリアのアサド政権に対する是非や、バーレーンの反政府デモを巡る立場でも対立。3島の領有問題が加わり、さらに対立が深まりそうだ。

 UAEの国営通信によると、米英仏の各国政府も、アフマディネジャド大統領の訪問に批判的な見方を示し、両国の対話や国際司法裁判所を通じた解決を求めており、イラン側の反発が強まる恐れもある。

国際裁判所に持ち込まれるとどうなるんでしょうね。UAEの領有権が認められたうえで、その島を巡って対イラン戦争が始まるという感じになりそうな気がしてしょうがないのですが。