米で車載用電池事業拡大=年末には現地生産―日立

リチウム関係の記事を以前幾つか取り上げてきました。
2010/12
■リチウムイオン電池も日本勢陥落 トップはまた韓国サムスン
またボリビアもリチウム開発のパートナーに韓国を選んだようです。
2012/09
■日本はリチウムでは韓国に完敗?

そこで2012/09の記事ですが、日立が頑張るようです。

■米で車載用電池事業拡大=年末には現地生産―日立

時事通信 9月30日(日)20時0分配信

 【ニューヨーク時事】日立製作所 <6501> は車載用のリチウムイオン電池事業を米国で加速させる。今年から米自動車最大手ゼネラル・モーターズGM)の主力中型車「マリブ」のハイブリッド車(HV)向けに供給を始めた。今後GMが発売する大半のHVに、日立製電池が採用される見通しだ。 

やはり信頼性や性能では日本はまだ勝負できると思っていいのでしょうか。

ところでトヨタは今は電気自動車よりハイブリッド車のようです。

■トヨタなぜHV戦略にこだわるのか EVと距離を置く理由とは?


トヨタが12月に発売する新型EV「eQ」を披露する内山田竹志副会長=東京都江東区(古川有希撮影)(写真:産経新聞

 トヨタ自動車が平成27年末までに新型ハイブリッド車(HV)21車種を発売する。HV重視の戦略を鮮明にしたわけだが、一方で電気自動車(EV)は年内に発売するものの、当初計画は大幅にトーンダウン。なぜ、トヨタはEVに及び腰なのか。EVが普及すれば、取引先約2万6千社から成る巨大な“トヨタピラミッド”に亀裂が生じるとの危機感が見え隠れする。

 「エコカーの“本命”といえば?」 こう問われると、「電気自動車(EV)」と答える人は多いはずだ。ガソリンではなく、電気で走るクルマ。これは1908年に米フォード・モーターがガソリン車の量産モデルを開発して以来、自動車業界の新たな1ページの始まりであり、すでに三菱自動車日産自動車がEVを発売している。マーケティング会社の富士経済(東京都)によると、日本のEV販売台数は2025年に100万台超、30年には191万台と200万台に迫ると予測されている。

 ただ、不思議なことに今年1〜6月の世界販売台数では2年ぶりに頂点に返り咲いたトヨタは、EVに対してやや距離を置く。トヨタ関係者は「HVもEVも燃料電池車(FCV)も全方位にやっています」と説明するが、HV、プラグインハイブリッド車(PHV)に比べ、EVの事業化に対するスピードは決して早いとはいえない。9月24日の環境対応車戦略発表会で、今年12月に小型車「iQ」をベースとしたEV「eQ」(国内販売価格は360万円)を発売すると発表。しかし、グローバルの販売台数はわずか100台と少ない。

 2年前に計画を公表した際には数千台の販売を見込んでいたが、「EVはまだまだ難しい」(内山田竹志副会長)。HVについては平成27年末までに新モデル14車種を含め21車種を投入するだけに、「EVに対するトヨタのスタンスを如実に物語っている」と業界関係者は話す。トヨタは、平成9年に世界で初めてHVの量産車を開発し、初代プリウスを世に送り出した。以来、HVによってエコカー市場を牽引(けんいん)し、今年のHV世界販売台数見通しは初めて100万台に達するなど、約15年かけて事業の柱に育て上げた。

 長年積み上げてきた歴史もあり、HVへのこだわりは並大抵ではないが、実はそれだけではない。前出の関係者は「EVが主流になれば、自動車メーカーの存在基盤すら揺らぐ恐れもある」という。約3万点の部品で構成され、複雑な構造のガソリンエンジンに対し、EVは電池とモーターという2つの部品がクルマの性能を決定付ける。「EVは電池とモーターがあれば動く。安全性は大前提だが、部品点数も少なく、異業種も参入しやすい」とある大学教授は解説する。

 トヨタには、一次サプライヤーと呼ばれる主要な部品供給先400社をはじめ二次、三次サプライヤーなど計2万6千社前後の取引先が存在する。ガソリンエンジン車を構成する部品点数の多さと、内燃機関の複雑さによって「この巨大なピラミッド構造が成り立っている」と前出の大学教授は明かす。言い換えれば、部品点数が少なく、「プラモデルのように比較的容易に組み立てられる」(関係者)EVが普及すれば、トヨタピラミッドに亀裂が入る恐れもあるというわけだ。

 しかも、EVの心臓部である電池は自動車メーカーではなく、パナソニックなど電機各社が技術を保有しているケースが多い。これはピラミッドが崩れるだけでなく、状況次第では将来的に自動車開発の主導権を電機メーカーに握られてしまう可能性があることを意味している。これに対し、HVは「エンジン」と「モーター」という2つの動力源を搭載しているため、エコカーでありながら“ブラックボックス”の内燃機関が存在。つまり、構造はきわめて複雑で、「トヨタピラミッドをこれまで通り維持することができる」(関係者)。 

 実際、トヨタはHVの新モデルを大量投入するだけでなく、米フォード・モーター、独BMWとHV技術で協業関係を構築。HVをエコカーデファクトスタンダード(事実上の業界標準)とするための動きを活発化させている。トヨタを頂点とするピラミッド構造こそグループの強さの源泉。それだけにEV技術は保有しつつも、当面はHV一本やりのエコカー戦略が続くはずだ。(島田耕)

なんか業界の都合で、作る物を決めるって言うのも悪いパターンのような気がしますけどね。

ただ先のことを考えていないわけではないようです。「全固体電池」というのを次世代のために開発しているそうです。

■新型EV21車種を追加 トヨタの次世代エコカー戦略
2012.10.2 13:39


低燃費と高出力を両立した新型の2.5L直列4気筒エンジン「2AR-FSE」。2013年以降、続々と新車に搭載される予定だ

 トヨタは今後の環境技術への取り組み方を明らかにした。ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車(HV)をエコカーの主力とし、2015年末までに国内外で21車種を販売。「エコカーは普及してこそ環境に貢献する」という考えの元、燃料の多様化や各国の環境政策に合わせた車づくりをするという。

 トヨタは、国内でアクアを、海外でヤリス(日本名ヴィッツ)を販売し、小型車から商用車までほとんどのカテゴリーにHVをラインナップ。さらに2012年6月に発売された11代目カローラに搭載された「SuperCVT-i」や、北米向けLexusRX350FSportに用いられた「FF用8速AT」などに代表されるトランスミッションの技術と組み合わせ、燃費性能と運転性能を合わせて向上させた。その甲斐あってトヨタはHVの2012年世界販売台数で初めて100万台を超える見込みだ。

 今後は2015年末までの3年間で新型HV14車種とモデルチェンジ7車種を投入予定。直近では、高出力でありながら燃費も良いHV向け新型エンジンを搭載したクラウンを来年初めにリリースするという。

 プラグインハイブリッド車(PHV)に関しては“次世代環境車の柱”と説明。プリウスPHVでは約8%のユーザーが200Km/Lという驚異の燃費を記録した(トヨタ調べ)。トヨタはPHVをさらに普及させるため、PHVを災害などの非常時の電源として活用できる外部電源供給システムを設定するほか、車両のグレードを充実させていくという。

 EVは都市内の近距離移動で力を発揮すると想定。2012年末に「IQ」をベースにした「eQ」を、日米で自治体や特定利用者向けに限定販売する。ただ、トヨタは充電時間や航続距離など今のEVの実力について「まだ社会の需要が満たせない」と評価。リチウムイオン電池に代わるエネルギー密度の高い次世代電池として「全固体電池」の研究を進めている。

 水素を燃料として走る燃料電池車(FCV)については、2015年ごろからセダンの販売を開始する予定だ。まずは日米欧の水素供給インフラが整備されている地域でリリースし、2020年代には年間数万台の販売を目指すという。また現在、日野自動車と共同開発を進めている新型FCバスは2016年に市場導入を目指す。(記事提供 カーセンサー.net)

「金属空気電池」などの研究を行う予定というのもあるそうです。

■官民で次世代蓄電池開発加速 NEDOなど 充電能力5倍に向上へ

 トヨタ自動車パナソニック新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)など24法人は、電気自動車(EV)やスマートハウスなどに使う次世代蓄電池開発を本格化する。4月から、大型放射光施設スプリング8兵庫県佐用町)に専用ビームラインを設置し、充電メカニズムを解明に乗り出すと発表した。2030年ごろまでに充電能力を現状の5倍程度に引き上げるのが目標だ。

 08年度から始まった官民共同の大型プロジェクトで日産自動車ホンダ三菱自動車などの自動車大手や三菱重工業日立製作所などスマートグリッド技術に強みを持つメーカーなども参画している。15年度までに210億円を投じる計画。

 スプリング8で太陽光の100億倍明るい強力なX線を使って、これまで見ることができなかった電池内でのリチウムイオンの動きを観察したり、劣化する際の構造変化の様子を解析し、充電能力の大幅向上につなげる。

 当面はリチウムイオン電池の性能向上に向けた研究を進めるが、「現状の2〜3倍程度引き上げるのが限界」(NEDO)とされており
、それを超える革新的な蓄電池の基礎研究も行う。

 EV(電池搭載重量80キロ)の場合、1回の充電で走行できる距離は100キロ程度で、ガソリン車(航続距離500キロ)並みの航続距離を確保するには新たな蓄電池開発が求められていた。プロジェクトでは革新的電池の有力候補で空気中の酸素と亜鉛を反応させて電気を流す「金属空気電池」などの研究を行う予定だ。

 リチウムイオン電池をめぐっては、11年に韓国勢が初めて小型タイプで日本メーカーを抑えて世界シェア首位に立つなど、韓国メーカーの攻勢が強まっている。

負けかけているところで、むきになって頑張るのもいいのか悪いのか中々分からないところがありますが、技術の進歩とその間に業界再編が必要ということでしょうか。