「田園都市」丸ごと輸出 東急、ベトナム開発に参画

街ごと輸出(?)とはすごいですね。

「田園都市」丸ごと輸出 東急、ベトナム開発に参画


東急電鉄ベトナムで手がける新都市の完成イメージ(同社提供)(写真:産経新聞

 東京でも指折りのおしゃれな住宅地として人気の「二子玉川」など、東急田園都市線沿線の街づくりを丸ごと輸出する初のプロジェクトが動き出す。同沿線を抱える東急電鉄は、ベトナム南部・ホーチミン市近郊のビンズン省で進む新都市開発計画に参画。東京ドーム二十数個がスッポリと入る約110万平方メートルの街区で住宅開発に着手した。国内事業では大きな成長は望めないとみて、海外に活路を開く。

 ビンズン省最大の複合企業ベカメックス社との合弁会社「ベカメックス東急」(資本金8兆6千億ドン=約327億円)が事業に参加する。

 ビンズン省は、2020年にハノイホーチミンと並ぶ政府の「中央直轄市」に“格上げ”される予定の発展著しい有力自治体。新都市開発は、ホーチミン市から北へ約30キロに位置する総面積1千万平方メートルの広大な土地に、現在の省都トゥヤウモットに代わる新省都をつくる事業だ。周辺には工業団地やオフィス・商業施設なども整備し、20年ごろには人口約12万5千人が住むイメージを描く。ビンズン省と共同でホーチミンと新都市を結ぶ路線バス事業の立ち上げも検討する。

 東急は、ここに“ベトナム版東急田園都市”を開発する。戸建てやマンションの住宅約7500戸をはじめ、オフィスや娯楽施設を作る。今月21日には、地上24階建てマンション建設を着工した。2014年度に完成させ、まず413戸を供給することを明らかにした。20年度までの総事業費は約1千億円で、賃貸収入で収益を得る考えだ。

 東急は、東京都心から15〜35キロ圏内の土地5千万平方メートルに、人口約60万人が住む日本最大の民間主導の街づくりを手がけてきたノウハウがある。

 海外事業強化の背景にあるのは、急速に進む少子高齢化。東急沿線の人口は、平成37年以降に減少に転じると予測され、鉄道など国内事業だけではじり貧に陥りかねず、グループの成長維持には新たな収益源が欠かせないと判断した。