イワノフ露副首相が北方領土訪問 プーチン大統領の後継候補

http://www.sankei.co.jp/kokusai/world/070405/wld070405005.htm


 ロシア極東サハリン州当局などによると、ロシアのイワノフ第1副首相が5日、北方領土択捉島を視察のため訪問した。イワノフ氏は国防相当時の2005年に択捉島を訪問しているが、今年2月の第1副首相昇格以降の北方領土訪問は初めて。

 イワノフ氏は08年春に2期目の任期が満了するプーチン大統領の有力後継候補の1人と目されている。プーチン政権は実力者であるイワノフ氏の派遣により、北方四島はロシア領であるとの政府の立場に基づき、開発に力を入れる姿勢を明確にした形だ。北方領土返還を要求する日本側には強い牽制(けんせい)材料となりそうだ。

 今回の訪問は沿海地方ハバロフスク地方などロシア極東地域への訪問の一環で、空港や港湾、水産加工施設などインフラの視察が目的。ロシアの閣僚では昨年9月にフルセンコ教育科学相が色丹島を訪問したほか、同月中にラブロフ外相も北方領土訪問を計画したが、悪天候のため中止になった。

 北方領土についてイワノフ氏はこれまで「ロシア領土の不可分の一部」などとロシア紙上で発言している

 ■北方領土問題 北方四島の返還をめぐる日本とロシア間の領土問題。太平洋戦争の終戦直後、旧ソ連が択捉、国後、色丹と歯舞諸島を占領。日本は1951年のサンフランシスコ平和条約で千島列島(クリール諸島)を放棄したが、北方四島は含まれないと主張。56年の日ソ共同宣言で領土問題が未解決のままソ連と国交を回復した。4島の返還を求める日本に対し、ロシアのプーチン政権は同宣言に平和条約締結後の歯舞、色丹の引き渡しが明記されていることを理由に2島返還による最終決着を主張している。(共同)