<ウクライナ>深まる政治混乱 議会解散問題で

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070407-00000073-mai-int


 【モスクワ杉尾直哉】ウクライナのユーシェンコ大統領が最高会議(1院制議会)を解散した問題で、これに応じないヤヌコビッチ首相派との対立が深まっている。ウクライナ憲法裁は、議会の解散を命じた大統領令が合憲かどうかについて11日にも審理を開始する見通しで、同裁の決定が今後の行方を左右する。

 憲法裁が大統領令を「違憲」と判断した場合は、04年の「オレンジ革命」後に人気を落とし続けてきたユーシェンコ氏の信頼は完全に失墜し、辞任要求が高まるのは必至だ。逆に「合憲」と認められた場合は、首相派は議会選挙の実施を受け入れる見通しだが、大統領派の勝利は見込めず、首相派は発言力を維持しそうだ。同派は、大統領選挙の同時実施を求めて大衆デモを展開する姿勢を示しており、政治混乱が広がる恐れもある。

 首都キエフでは、議会解散に反対する首相派のデモ隊が集結していたが、8日はイースター(復活祭)の祝日となるためいったん解散し、闘争は一時休戦となった。

 タス通信によると、同国南部クリミア半島フェオドシア裁判所は5日、「憲法裁の判断が出るまで議会選挙の準備を行ってはならない」と決定した。しかし同裁判所は7日、この決定を取り下げると表明した。最高会議選挙を巡って司法機関などの混乱が既に起きており、選挙準備を進めたい大統領派の野党会派にとり痛手となっている。

 ユーシェンコ大統領は2日、首相派の与党会派が、野党議員を次々と自分の陣営に引き込んでいることが憲法違反に当たるとして議会解散と5月27日の議会選挙を命じた。首相派は「大統領令こそ違憲」と主張。撤回を求めて3日、憲法裁に提訴した

 ウクライナ憲法の規定では、個々の議員が会派をくら替えするのを禁じている。ユーシェンコ大統領はこれを根拠に議会解散を命じた。だが、大統領が議会を解散できる条件の中に「議員のくら替え」については明記されていない。大統領の決断の合法性について憲法裁がどう判断を下すかは予断を許さない。

こっちも複雑ですなー。