イラクのマリキ首相の立場ってどうなんだろ。

まず朝日新聞にこういう記事があったわけです。
イラクでマリキおろし加速 不信任案提出の動き
http://www.asahi.com/international/update/0709/TKY200707090441.html

 閣僚の政権離脱や議員の議会ボイコットが相次ぐイラクで「マリキ首相おろし」の流れが加速している。「マリキ後」の政権協議や内閣不信任案提出の動きも浮上。駐留米軍増派による成果報告を9月に控える米ブッシュ政権が、マリキ氏支持の姿勢を表向き維持する陰で首相の指導力に見切りをつけたとの見方が広がっている。

 アブドルマフディ副大統領やルバイエ国家安全保障顧問らマリキ氏を支えてきたイスラムシーア派の政権中枢らが7日、米国のいわゆる「ネオコン」人脈に近いといわれるチャラビ前副首相のバグダッドの自宅に集まった。

 関係者によると、クロッカー駐イラク米大使や米軍関係者も同席し、「マリキ後」の新政権づくりを協議したという。チャラビ氏に重要ポストをあてがう案が出た。

 ただ、ルバイエ氏は8日、米CNNのインタビューで内閣不信任案について問われ、「マリキ内閣が倒れたらハリケーンが来る。新たな内閣をつくるのは不可能だ」と強調。「マリキ内閣は、治安、政治、経済面で大きな成果をあげてきた。9月までによい報告ができるだろう」と語り、火消しに努めた。

 一方、米CBSは7日、シーア派主導のマリキ政権に対し、スンニ派が今月15日にも内閣不信任案を国民議会に提出する構えを見せていると報じた。イラクを5月に訪問したチェイニー米副大統領が、スンニ派のハシミ副大統領と会談。出身党派にしばられるのではなく、専門性を重視した閣僚を集めたイラクの新政権づくりを協議したという。

 ハシミ氏は8日、地元ラジオでCBSの報道を否定。即座の不信任案提出やチェイニー氏との会談内容を否定したが、「マリキ氏の仕事ぶりに満足しているわけではない。不信任案提出を決定した時には、堂々と発表する」と含みを残した。

と、アメリカはマリキ首相を下ろしたいみたいですが、おろしたら大変なことになると。
またマリキ首相もアメリカにはもう出て行って欲しいみたいですね。
イラク首相「駐留米軍はいつでも撤退可能」
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200707150006.html

2007.07.15
Web posted at: 14:06 JST

  • CNN/AP

バグダッド──イラクのマリキ首相は14日、イラク軍が能力を備えており、駐留米軍は「いつでも希望する時に」撤退できると述べ、治安改善や政治改革面の能力に疑問を示した米政府の中間報告を一蹴(いっしゅう)した

マリキ首相は記者会見で、国内情勢の混乱を踏まえた場合、政治改革面の困難は「当然」だと述べたうえで、改革の実行には「時間と努力」が必要であると言明。政治プロセスが治安や経済などの問題で圧力に直面しているうえ、域内各国や国際社会が介入している状況では、特に必要であるとの認識を示した。

ただ、首相は、イラクから外国部隊が撤退した場合、必要であれば治安部隊が空洞を埋められると強調。「仮に国際部隊が希望する時に撤退した場合、われわれは治安責任を完全に負えると確信を持って言う」と発言した。

また、首相に近いイスラムシーア派議員はAP通信に対し、イラクを実験対象として扱っているようだとして、米国を厳しく批判した。議員はイラク駐留米軍が、首都バグダッド市内のスンニ派地区アザミヤの周囲に壁を建設したり、シーア派地区サドルシティーを度々急襲するなどして、人権を侵害し、イラク政府の面子を傷つけていると不服を表明した。

議員はさらに、米国がアンバー・ディヤラ両州のスンニ派武装勢力に、アルカイダとの戦いへの協力を呼びかけている点を批判し、「純粋に米国の視点」で戦略を展開している駐留米軍のペトレアス司令官とマリキ首相の意見が合わないことを明らかにした。

それと国連ともうまくいってないみたいですね(過去のエントリより)。
<国連>イラク政府を批判「市民犠牲隠ぺい」
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070426/1177588150

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UNAMIは1月、06年のイラク市民の死者を3万4452人、負傷者を3万6000人以上と発表。この時も、マリキ首相は、国連が犠牲者数を誇張したと批判した。
(ry

実際どうするつもりなんですかね。

<イラン>ハリウッド映画「300」に大反発
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070323/1174647931
の中の
イラク治安問題で「米から提案」と、イラン外務省報道官
http://www.asahi.com/international/update/0304/001.html

(ry
シーア派主体のマリキ政権に影響力のあるイランに対し、事態改善への期待を示したものとみられる。
(ry

とイランとの結びつきがあるようで。

しかしまぁアメリカは
米政権がイラク政府課題達成で中間報告、軍事など「満足」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070712id24.htm

 【ワシントン=大塚隆一】ブッシュ政権は12日、イラク政府が達成すべき政治、治安、経済分野などの課題18項目について、「満足」と「不満」が相半ばする評価を下した中間報告を公表した。

 現時点では「ベンチマーク(基準)」と呼ばれている課題の大半が未達成。中間報告では基準をクリアしたかどうかでなく、その達成に向けた進展状況について満足できるかどうかを示した。評価のハードルを下げることで、議会で強まる米軍撤退論をかわし、9月の最終報告まで事態を見守るよう求める狙いとみられる。

 ただ、政権の主観的な色合いが強い評価には「楽観的すぎる」などの異論が続出しそうだ。早期撤退に向けた政策転換を迫る野党・民主党は反発を強めると見られる。

 公表された報告は23ページ。バグダッドの治安回復など軍事分野を中心とする8項目については「満足できる」と評価した。一方、石油収入の公平な配分をうたった法整備など政治分野を中心とする8項目については「満足できない」としている。

 また、選挙制度改善に向けた法整備など、残り2項目については「満足」と「不満」が入り混じった評価を下した。

 報告の公表後に記者会見したブッシュ大統領は「我々は成功できるし、成功しなければならない。我々の司令官が準備できたと言う前に撤退し始めれば、イラクと周辺地域、さらに米国が危険にさらされる」と述べ、早期撤退の可能性を改めて否定した。

 イラク情勢をめぐってはフィンガー米国家情報副長官が前日の11日、下院軍事委員会の公聴会で「米軍増派は暴力を抑える効果をまだ十分にあげていない」と証言した。中間報告が軍事面での進展を強調したのとは対照的で、政権内の認識のずれが表面化した形だ。

(2007年7月13日1時54分 読売新聞)

と治安ではいい結果を出してると自負してるんですよね。しかし9/15日過ぎあたりには大きな動きがありそうですね。まぁまた後でということで。

イラク連邦議会は8月休会? 米議会で批判強まりそう
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20070715k0000m030029000c.html

 【ワシントン笠原敏彦】駐留米軍の早期撤退問題で鍵を握るイラク情勢に関する9月15日までの米政府最終評価報告を前に、極めて重要な8月をイラク連邦議会が丸ごと夏休みにする予定であることが、物議を醸している。今月12日の同中間報告では、国民和解に向けたイラク政府・議会の努力が不十分とされただけに、実際に「8月休会」となれば、米国内のイラク政策に対する支持はますます、先細りしそうだ。

 スノー米大統領報道官は13日の会見で、イラク議会の動向について「彼らは8月を休みにする予定だが、考えを変えるかもしれない。8月のバグダッドはカ氏130度(セ氏約54度)にもなる」と語った。記者から「米軍にとっても130度だ。(夏休みを)止めないのか」と迫られると、報道官は「議会が招集されなくても、(議員の)会合は継続される」と応じた。

 しかし、米軍増派の主な狙いはバグダッドの治安を回復し、イラク政府・議会に国民和解に向けた政治的取り組みの機会を与えることだ。中間報告では、焦点となる石油収入の地域分配の法制化、フセイン旧体制を支えたバース党員の復権など、政治目標はほぼ「不満足」と判定された。

 これら政治目標はいずれも議会での調整が不可欠。最終評価報告の米議会提出まで約8週間となる中、イラク議会の長期夏休み予定に米議会の批判が強まるのは必至だ。

毎日新聞 2007年7月14日 18時52分