<イスラエル>オルメルト首相がアッバス議長と会談

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071026-00000121-mai-int

 【エルサレム前田英司】イスラエルオルメルト首相とパレスチナ自治政府アッバス議長が26日会談し、米国主導で開かれる予定の中東和平国際会議に向けた事前調整を進める。両者は同会議で表明する「共同声明」の作成を続けているが、認識の開きは依然として大きい。

 イスラエル紙ハーレツによると、共同声明を起草している双方の交渉チームはまだ、実質的な協議に入れていない。イスラエル側が和平進展の「指針」程度にとどめようとしているのに対し、パレスチナ側は国境画定や聖地エルサレムの帰属などの最重要課題を含めた包括的な枠組み合意につなげようとしている。

 オルメルト首相は25日、エルサレムでのユダヤ人団体との会合で「(事前調整が)すべてうまくいっても米主導の国際会議が和平を宣言する場にはならない」などと見通しを語った。

 米国も国際会議を主導するメンツにかけて圧力を強めている。ライス米国務長官は17日までの4日間、中東地域を訪問。イスラエルパレスチナを往復したほか、エジプトにも立ち寄って対応を協議した。

 イスラエルでは、連立政権の一角を担うユダヤ教超正統派の宗教政党「シャス」幹部とも会談したが、逆に「エルサレム(の帰属問題)はいかなる場でも協議の対象にはならない」とくぎを刺され、国際会議がこうした最重要課題に踏み込めば「オルメルト政権が崩壊しかねない」との警告を受けた。

まぁイスラエル側とパレスチナ側どちらにより責任があるかといえば難しい問題ですが(本3冊読みましたが分かりませんでした)、まぁ毎日新聞だからかもしれませんが、イスラエル側に和平を達成しようと言う気持ちがまったくないようにしか読めません。

だれかパレスチナの人が言っていたんだと思いますが、アメリカやイスラエルの力がいつか衰えるのは確かだ、その前に和平を結べば彼らははるかに失うものが少なくすむ、みたいなことを言っていましたが、なんというかイスラエル側の落としどころの用意しなさは、日本人の僕には分からないのかもしれません。

「米国主導で開かれる予定の中東和平国際会議」ということですが、結構双方から不信感が出ているようです。アラブ側からは出席すら危ぶまれる発言が出ていますね。たとえばこんな↓
パレスチナ>事前交渉不調なら「和平会議出席せず」…外相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071009-00000007-mai-int

 【ラマラ(ヨルダン川西岸)で前田英司】パレスチナ自治政府のマリキ外相兼情報相が7日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラで毎日新聞と会見し、聖地エルサレムの帰属を含む最終地位交渉の具体的な方向性がイスラエルとの事前交渉で見いだせなければ、米国主導で11月に開催予定の中東和平国際会議には「出席できない」と警告した。会議の成否を持ち出すことで、イスラエルに圧力を強める狙いがあるとみられる。

 パレスチナイスラエル両交渉チームは8日から、国際会議で発表する「共同声明」の起草を始める。パレスチナ側が
エルサレムの帰属
▽国境画定
▽難民帰還権
――などの最重要課題を網羅するよう主張。これに対し、イスラエル側は詳細には踏み込まず、今後の「交渉指針」程度にとどめたい意向とされ、双方の認識には開きがある。

 マリキ氏は会見で、国際会議を「(パレスチナ国家実現に向けた)交渉再開の出発点」と定義。さらに「過去に経験したような出見えない協議には入らない」と指摘し、共同声明がこれまで先送りされてきた各課題について一定の対処方針を示し、その達成目標時期を明記する必要性を強調した。

 そのうえでマリキ氏は、共同声明が実効性のない文書にとどまるなら、「単なる『渉外活動』のために出席することなどできない」と言明。「会議の成否はイスラエルの姿勢次第と言える」と述べ、イスラエル側の対応に不満もにじませた。

 ◇解説…イスラエルとの事前交渉難航の模様
 パレスチナ自治政府のマリキ外相兼情報相が7日の毎日新聞との会見で、米国主導で11月にも開かれる中東和平国際会議への「出席見送り」をちらつかせたことは、イスラエルとの事前交渉が難航している証左といえる。同会議を巡っては米、イスラエルパレスチナそれぞれの思惑が交錯し、ブッシュ米大統領が開催を提唱した当初の期待感は徐々に「下方修正」されているのが実態だ。

 パレスチナイスラエルには国際会議を和平の好機ととらえる以上に、内政安定に利用したいとの思惑がある。イスラム原理主義組織ハマスガザ地区制圧で指導力不足を露呈したアッバス自治政府議長は、イスラエルとの和平交渉の成果を手にハマスとの力関係を変えようと狙う。一方、支持率低迷に悩むオルメルトイスラエル首相も和平進展で起死回生を模索している。こうした流れに最近では与党や閣内から行き過ぎた「譲歩」への懸念が相次ぎ、首相にブレーキをかける動きが強まっている。

 これに対し、米国にはサウジアラビアなど穏健アラブ諸国の最大の関心事であるパレスチナ問題を前進させることで、イラク情勢やイランの核問題へのさらなる協力確保をもくろんでいる。

 パレスチナ政策調査研究センターのハリル・シカキ代表は国際会議について「実行力のある合意ではなく、和平実現に対する国際社会の包括的な支持を取り付けることが目的」と分析。それにより、イスラエルと対パレスチナ、対アラブ全体の交渉開始につながる土壌が生まれると指摘した。

 マリキ氏は会見で、米国が積極姿勢に転じたことを評価し、「ブッシュ政権はまだ1年以上の任期がある。和平達成には十分すぎる」と早期実現を迫った。だが、イスラエルパレスチナが要求する最終地位交渉について「国際会議後に協議を始める」との立場で、認識の溝は深い。【エルサレム前田英司】

まぁそもそも8月の記事でも(これも毎日新聞ですが)、
<中東和平会議>アラブ諸国から懐疑的反応 米が開催目指す
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070804/1186226790

サウジアラビアから会議出席を検討する言質を得たものの、和平実現に向けた「実質的な会議にする」との厳しい前提条件を付けられた。会議開催の真意をただされた形となり、米国は実現に向け重い課題を背負い込んだ。

とか

サウジは出席条件として、イスラエルパレスチナの国境画定▽エルサレムの帰属▽パレスチナ難民の帰還−−など、両者間の「最終地位」合意を目指すことを挙げた。これに対し、イスラエルのリブニ外相は早くも「最も敏感な問題を最初に持ち出すのは賢明でない」とけん制

で、全然僕は期待できませんでしたけど。あとイスラエルからも
中東民主化構想“指南役”、ブッシュ米大統領に「C評価」
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070904/1188897734
と非難されてますね。