ロシア天然ガス、ブルガリア経由で南欧にも

http://www.asahi.com/international/update/0119/TKY200801190244.html

南欧パイプライン
 ブルガリア政府は18日、ロシアの天然ガスを自国を経てイタリアなどに輸出する新パイプライン計画に参加することを決めたブルガリアを訪問中のロシアのプーチン大統領と合意文書を交わした。実現すれば、ロシアは南欧方面に直接ガスを輸出するルートを確保することになり、外交上の大きな得点となる。

 ロシア側代表団には、天然ガス独占企業ガスプロム会長を兼務するメドベージェフ第1副首相が参加。大統領後継指名を受けて初の外国訪問で成果をあげた形だ。

 ロイター通信によると、ブルガリアのスタニシェフ首相は会見で、自国領内のパイプラインの50%の持ち分を獲得する条件で計画参加を決めたと述べた。メドベージェフ氏は会談で「大変喜ばしい」と歓迎した。

 「サウスストリーム」と名付けられているパイプラインは、ガスプロムとイタリアのENI社が主導。ロシアから黒海を横断してブルガリアに上陸する。ロシアへのガス依存を減らそうと、欧州連合(EU)が後押しする中央アジアやイランのガスをトルコ経由で欧州に運ぶパイプライン計画とは競合している。

“反露石油回廊”創設で合意 近隣5カ国
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071013/1192250788
というのもありましたね。エネルギー関係ではロシア周辺は本当にしのぎを削ってる感じです。

追記:
こちらも同じ記事のようですね。
<露大統領>南ルートのガスパイプライン建設計画で合意
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080119-00000075-mai-int

 【モスクワ大木俊治】ロシアのプーチン大統領は18日、ブルガリアのソフィアでパルバノフ大統領と会談し、ロシア産天然ガス黒海海底を通って欧州に運ぶ「サウス(南)・ストリーム」パイプライン建設に、ブルガリアが参加することで合意した。来年5月に退任するプーチン大統領にとって、最後の外遊となる今回の訪問で、ロシアの欧州エネルギー市場への影響力をさらに強化することに成功した。

 「サウス・ストリーム」は昨年6月、ロシアの政府系天然ガス独占企業「ガスプロム」とイタリア企業が建設に合意した。黒海、バルカン地方を経てイタリアに至るプロジェクトで、2013年の開通を目指す。今回はブルガリア国内のパイプライン建設で、同国とロシアが50%ずつ権益を分け合うことで合意した。

 ロシアからの欧州向けガスパイプラインは現在ウクライナベラルーシを経由する2ルートしかない。供給ルートの多様化を図るため、ドイツとロシアはバルト海海底を通る「北欧州パイプライン(ノルド・ストリーム)」敷設に合意した。

 一方、欧州連合(EU)は、ロシア依存度を減らし、調達先の多様化を目指しトルコからの「ナブコ・パイプライン」建設を計画しているが、進んでいない。同パイプラインとルートが重複するロシアの「サウス・ストリーム」事業が進展すれば、一層の難航が予想される。

 プーチン大統領は17日にソフィアを訪問。次期大統領への選出が確実視されるメドベージェフ第1副首相らが同行した。

 ソフィアからの報道によると、会談後の共同会見でプーチン大統領は、ロシアからのガスパイプライン敷設ルートをめぐって「欧州諸国の間で激戦が起きている」と、資源供給国としての強い立場に自信を示した。