ブット暗殺事件の影にイスラム過激派有力司令官

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080124-00000953-san-int

 パキスタンのブット元首相暗殺事件で、同国北西部の南ワジリスタン地区を拠点とするバイトゥッラー・メスード司令官が犯行を指揮したとの見方が米英捜査関係者らの間で広がりつつある。だが、ムシャラフ政権の要請で捜査に協力したロンドン警視庁のチームが近くまとめる捜査結果報告でも、初動捜査のつまずきもあり、そうした見方が裏付けられるかどうか疑わしいのが実情だ。(佐藤貴生)

■米国も同調

 「(犯行は)バイトゥッラー・メスード周辺のネットワークによって行われた。疑問の余地はない」。ヘイデン米中央情報局(CIA)長官は18日付米紙ワシントン・ポストとの会見で、そう断言した。長官は国際テロ組織、アルカーイダの支援もあったとしている。13日付英紙タイムズも、ロンドン警視庁が「アルカーイダ犯行説」に傾きつつあると伝えている。

 パキスタン政府は昨年12月27日の事件発生から数日後、メスード司令官が「おめでとう」などと元首相暗殺を祝福した内容の通話記録を公表、司令官が暗殺の背後に存在すると主張してきた。

■謎の司令官

 米誌ニューズウイークによると、同司令官は12月、部族地域などの武装勢力指導者の会合で新たに組織された「パキスタンタリバン運動」のトップに指名されている。

 2005年にムシャラフ大統領と和平協定を締結した際は、「隣国アフガニスタンから流入するアルカーイダとは手を切る」との約束で政府から54万ドルをせしめながら、彼らをかくまったとされる。テロ横行というパキスタンの現状を作り出したひとりといっていい。

 護衛20人と行動、同じ場所で2晩続けて眠ることはまれ。欧米メディアへの露出は少なく、写真も撮影させない用心深さで、部族地域に詳しい現地紙記者も「彼に関する情報は極めて乏しく謎に包まれている」と話す。

 同誌によると、司令官はアルカーイダのナンバー2、アイマン・ザワヒリ容疑者とともに、「自爆テロ部隊」を首都イスラマバードやラワルピンディ、カラチなど5都市に派遣。元首相の跡を追い、隙をみて暗殺するよう命じていたという。

■致命傷は何か

 パキスタン内務省報道官によると、1月上旬、同国に派遣されたロンドン警視庁の捜査員らはいったん帰国、集めた証拠を基に検証を進めて近く報告を作成する見通し。英国からの報道では、捜査員は元首相を撃った短銃の指紋を調べたほか、元首相が乗っていた車を検証、生存者への事情聴取なども行ったという。

 だが、元首相の致命傷が銃撃によるものか、車に頭部をぶつけたことによるものか−という根本的な問題さえ、明確な結論は伝えられていない。

 暗殺現場は直ちに片づけられ重要な証拠が失われた可能性があるほか、遺族の意向を尊重して遺体の解剖も行われていないなど初歩的な捜査がなされていないからだ。

 フランス通信(AFP)などによると、パキスタン捜査当局が17日に逮捕した15歳の少年が、「自分はメスード司令官の組織の指示で作られた3人の元首相暗殺班の一員。元首相を暗殺した2人組が失敗したら攻撃せよと命じられていた」と供述したという。ロンドン警視庁が少年から事情を聴く可能性もあり、事件解明への手がかりもなお残されているようだ。

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メスード司令官とか、メフスード司令官とか用語が一定してませんね。

内務省がブット氏暗殺と15歳少年の関連否定』を書こうと思ったが、複雑すぎる…
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080123/1201096246
に書きましたが、イギリスはまだ報告まとめてないのに、アメリカが結論だしてたり、遺体の解剖が行われていない理由さえはっきりしてない事とか、通話記録は文字だけで音声じゃないとか、死因が銃撃だとメフスード司令官の犯行手口と異なって、高度な訓練を受けた政府側の人間が犯人として疑われる事など書きました。

しかし逮捕された15歳の少年ですが、イギリスは彼に対して何言うかと思っていましたが、ロンドン警視庁は事情聴取もしてないようですね。まったく何なんだか。