北京五輪代表に政治発言禁止方針撤回 英委が人権団体の批判で (1/2ページ)

2008.2.12 09:22
このニュースのトピックス:欧州
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080212/chn0802120922001-n1.htm

 【ロンドン=木村正人】北京五輪の代表選手に「人権問題などの政治的な発言は慎む」という条項を含む契約書に署名を求める方針だった英国オリンピック委員会(BOA)はこのほど、この方針を撤回した。中国政府に配慮したとみられてたるが、英メディアや人権団体の強い批判を受け、即座に見直した。

 この問題は10日付の英大衆日曜紙メール・オン・サンデーがスクープ。発言規制は英国の五輪史上初めてだった。米国やカナダ、フィンランド、オーストラリアが代表選手に発言の自由を保障しているのに対し、ニュージーランドやベルギーは政治的発言を禁止。同紙は「1938年にベルリンでサッカーのイングランド代表がナチスに敬礼した悪夢を思い起こさせる」と批判していた。

 この問題に関して、国際人権団体「フリー・チベット・キャンペーン」(本部・ロンドン)のアン・ホームズ代表代行は産経新聞と会見し、「BOAの方針は恥ずべきことだ。しかし、中国を批判しないことが中国とビジネスをする対価なのだから驚くには値しない。人権問題に関して発言の自由が認められない現状は不名誉な限りだ」と厳しく批判していた。

 チャールズ英皇太子は個人秘書を通じて同団体に「皇太子は北京五輪の開会式に出席しない」方針を明らかにしている。

北京五輪代表に政治発言禁止方針撤回 英委が人権団体の批判で (2/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080212/chn0802120922001-n2.htm
2008.2.12 09:22
このニュースのトピックス:欧州

 同団体は昨年末、英国駐在の中国大使が皇太子に北京五輪の開会式に出席するよう説得する使命を帯び、皇太子に接近しているという報道があったため、皇太子に開会式出席の有無を手紙で問い合わせた。

 個人秘書は返書で「殿下は長らくチベットに関心を払われており、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と数回にわたり会談している」とチベット問題に対する皇太子の関心は変わらないと説明した。

 ホームズ代行は「チベット問題の理解者である皇太子の開会式出席が実現していたら、中国の宣伝工作が勝利を収めることになった。賢明な皇太子はそれを自覚していたのだろう」と語る。

 同団体は、先月中旬に訪中したブラウン英首相に対しても中国の人権問題を取り上げるよう手紙で求めたが、首相は英国の実業家約20人を引き連れ、「中国の国家ファンドを歓迎する」と表明するなど人権問題そっちのけで商談にご執心だった。英大衆紙は「五輪で皇太子と首相が対立」と取り上げたが、皇太子の決断を支持する声が目立っている。

まぁスピルバーグ美術監督ついに降りたようですし、イギリスも撤回ですし、中国への包囲網も狭まっているような気がします。