ダライ・ラマ14世が単独会見、福田首相発言を高く評価

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080526-00000027-yom-int
記事は読売新聞の方が長そうなので読売から。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080526-OYT1T00410.htm

 【ノッティンガム(英中部)=森千春チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は25日、当地で読売新聞の単独インタビューに応じ、福田首相によるチベット問題に関する最近の発言について、「大変ありがたいと思う」と述べ、高く評価した。

 そのうえで、「友人であればこそ、相手の誤りを指摘することが重要だ」として、対中関係発展を図る日本が今後、中国に対して、人権問題でこれまで以上に明確なメッセージを送るべきだとの考えを示した。

 ダライ・ラマはまた、北京五輪後の11月ごろに日本を訪問する意向も明らかにした。

 福田首相は、3月の中国チベット自治区での暴動鎮圧を受けて、4月に来日した楊潔(ようけつ)チ中国外相に対し、チベット問題が「国際的な問題になっている」と発言。5月の日中首脳会談では、胡錦濤国家主席に対して、チベット問題での「国際的懸念」の解消を求めた。(「チ」は竹かんむりに「褫」のつくり)

 ダライ・ラマは、福田首相のこうした発言について、「(人権抑圧など)中国政府の誤りを明確にするのに資するものだ」と述べた。チベット問題を「内政問題」だと主張する中国政府に対し、日本側が注文をつけた点を歓迎したといえる。

 中国政府は、ダライ・ラマを「チベット分離運動を行っている」と批判してきたが、5月4日にダライ・ラマの亡命政府との非公式会談を開催。ダライ・ラマは、亡命政府と中国政府の公式対話再開に向けて、国際社会の支援を取り付けようと努力しており、福田首相発言への評価も今後の日本の支援を期待してのものとみられる。
(2008年5月26日14時34分 読売新聞)

福田首相がそんなダライ・ラマに高く評価されるような事言ってたかなと思ったんですが、楊潔(ようけつ)チ中国外相に対して、チベット問題が「国際的な問題になっている」は確かに言ってますね。
時事通信
五輪成功へチベット解決を=中国外相に表明−福田首相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080418-00000177-jij-pol

「国際的問題となっている現実を直視する必要があり、北京五輪に影響させるべきではない」と述べ

産経新聞でも、
福田首相「現実直視せよ」 チベット騒乱で中国に努力促す
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080418-00000972-san-pol

 福田康夫首相は18日、楊外相と首相官邸で会談した。チベット騒乱について楊氏が「ダライ集団の本質を認識してほしい」と述べたの対し、首相は「国際的な問題になっている現実を直視する必要がある。北京五輪に影響させるべきではない」として、解決に向けた中国側の努力を促した。

毎日新聞は2件とも大体同じかな。
チベット問題>福田首相「現実直視を」…中国外相に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080418-00000123-mai-pol
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080419-00000009-maip-pol

首相はチベット問題について「国際的な問題となっている現実を直視する必要があり、北京五輪に影響させるべきではない。中国側は解決のために全力を尽くしてほしい」と述べ

その前に胡錦濤首席に新書を送っていたようですね。
チベット暴動>情勢改善へ胡国家主席に親書 福田首相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080415-00000007-mai-pol

 福田康夫首相は14日、中国の胡錦濤国家主席に対し、国際的批判が強まるチベット自治区の暴動問題について、情勢改善に向けたメッセージを送ることを決めた。内容は、
(1)関係者の冷静な対応
(2)情報公開
(3)対話の努力−−の3本柱。

 15、16日に中国を訪問する自民党伊吹文明公明党北側一雄両幹事長らに、胡主席あての首相親書を託した。首相は14日、首相官邸で伊吹氏にこの方針を指示。伊吹氏らは16日午前に胡主席と会談し、メッセージや親書を届ける予定だ。

 福田首相はこれまで、5月に胡主席来日を控えているため、チベット問題について「一番責任があるのは中国だと思うが、平和的に話し合いで解決してほしい」と控えめな表現にとどめてきた。

 しかし、欧州各国を中心に中国の強気な対応に批判が高まり、8月の北京五輪ボイコットを呼びかける声が広がっていることなどを受けて、一歩踏み込んだメッセージを送ることにした。【堀井恵里子】

たしかに情報公開はやって欲しいところですね。

あと、
2008/05になってからは、
「本格的対話の第一歩」=チベット問題で福田首相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080507-00000065-jij-pol

 福田康夫首相と中国の胡錦濤国家主席は7日午後、日中首脳会談の後、首相官邸で共同記者会見した。中国とチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世側との協議が始まったことについて、首相は「本格的対話に向けた第一歩。状況を改善し、国際社会の懸念を解消するよう(胡主席に)要請した」と述べた。

 胡主席は「(ダライ・ラマ側には)暴力の停止、北京オリンピックの破壊を停止することを望んでいる」と強調、「接触が積極的な成果を上げることを望んでいる」と語った。

 8月の北京五輪について、首相は「世界中から注目されていることを意識し、世界が喜んで参加できるようにしていただきたい」と表明。五輪への出席については「事情が許せば前向きに検討する」との考えを示した。

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とありました。

しかし一番上の記事ダライ・ラマ側(というべきでしょうか。直接ではないですからね)と中国側の非公式会談を評価してるようですが、これもどうかなと思ったのですが、

新華社系だと、
ダライ・ラマ特使と協議…中国政府、強硬姿勢崩さず
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080504-00000031-yom-int

 【深セン(中国広東省)=竹内誠一郎】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の亡命政府と中国政府との非公式協議が4日午前から中国広東省深センで行われ、香港商業ラジオによると、同夜終了した。(センは土へんに「川」)

 両者の接触は3月の中国チベット自治区などでの暴動発生後初めて。新華社通信によると、双方は適当な時期に協議を再度行うことで合意したが、中国側は対話を再開できない原因はダライ・ラマ側にあるとの強硬姿勢を崩しておらず、中国による宗教弾圧などを批判する亡命政府側との交渉は難航が必至だ。

 新華社電によると、協議には、亡命政府側からロディ・ギャリ氏ら特使2人、中国側からはチベット問題を主管する共産党統一戦線工作部の朱維群副部長ら2人が参加した。

 同電によると、この日の協議で中国側は「3月14日のラサでの暴動が双方の対話再開の新たな障害となった」と述べ、ダライ・ラマ側を批判。ダライ・ラマ側に対し、本格対話再開の条件として、「祖国分裂活動・暴力行為の扇動・五輪妨害」の三つの活動の停止を強く求めた。亡命政府側は暴力行為扇動などの中国側の言い分を認めてはおらず、強く反発したものとみられる。

亡命政府側になると、
ダライ・ラマ特使、中国当局と協議 双方対話継続で合意
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080505-00000056-san-int

 【北京=野口東秀】チベット問題に関する中国当局者とチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世の特使との非公式協議は4日、広東省深センで行われた。中国国営の新華社通信によると、中国側は「暴力活動の扇動や北京五輪の妨害活動」を停止するようダライ・ラマ側に求めるなど強硬な姿勢を示したが、双方は対話継続で合意した。

 これに先立ちインド北部ダラムサラにあるチベット亡命政府のリンポチェ首相は、「特使は6日か7日にインドに戻ってくる」と述べ、特使の帰国後、交渉の詳細が分かると述べた。また、亡命政府のスポークスマンは「われわれの当面の関心事は、(中国による)弾圧が終結することであり、チベット人に対するすべての規制は撤廃されるべきだ」と語った。

 中国当局側から出席したのは、共産党統一戦線工作部の朱維群、シタール両副部長で、ダライ・ラマ側は過去の交渉でも代表を務めたロディ・ギャリ氏ら2人。対話は2002年9月以降、6回にわたって行われたが、昨年7月以降中断しており、今年3月のラサ騒乱以降は初めて。

 胡錦濤国家主席は4日、日本人記者団との会見で「積極的成果が得られるよう願う」と期待を表明したが、一方で、「(ダライ・ラマ側が)何を言うかだけでなく、実際の行動を見る」と述べ、具体的に「祖国分裂活動」などの停止を要求、原則を譲らない立場を強調した。

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という事で、代表が帰ってきた後は、ってどっちも産経新聞しか見つからないみたい。
ダライ・ラマ特使会見「よい方向に」 強硬派、対話に疑問
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080509-00000088-san-int

 【ダラムサラ(インド北部)=藤本欣也】チベット亡命政府の拠点、インド・ヒマチャルプラデシュ州のダラムサラで8日、中国との先の非公式協議に出席したチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の特使、ロディ・ギャリ氏が記者会見した。前日、ダライ・ラマに協議内容を報告したという同氏は「よい方向に進んでいる」と今回の対話を評価、8月の北京五輪開幕前に公式協議を再開したい意向を示唆した。しかし一方で、成果を疑問視するチベット人グループもあり、ダラムサラでは対話路線継続の波紋が広がっていた。

 万年雪のヒマラヤ山系のふもとに広がる標高1800メートルのダラムサラには、1959年に亡命したダライ・ラマと亡命チベット人約6000人などが暮らす。

 カンチェン・キション(雪降り積む幸福の谷)と呼ばれた地は、中央広場から狭い山道を車で約10分下ったところにあった。亡命政府の官公庁の所在地で、その一つ、情報・対外関係省で会見が行われた。

 内外の記者約80人が詰めかける中、ギャリ氏は4日、中国・深セン共産党統一戦線工作部の朱維群副部長らと行った直接対話の場で、
(1)チベット騒乱は中国政府のこれまでの誤った政策が招いた
(2)ダライ・ラマ北京五輪の妨害活動には従事していない
−と主張、チベット騒乱の拘束者の釈放と愛国教育の廃止などを求めたことを明らかにした。

 中国側の反応は明かさなかったが、中国の報道によると、昨年7月から中断している公式協議再開の条件として、中国はダライ・ラマ側に「独立活動・暴動の扇動・五輪妨害」の3つの停止を要求したという。

                   ◇

 これでは双方の主張はかみ合わないままだが、亡命政府によると「両者はいくつかの具体的な提案」をし、公式協議の継続で合意したという。提案内容は明らかにしなかった。

 チベット独立ではなく、高度な自治を求めるダライ・ラマの非暴力・対話路線継続について、チベット人はどう思っているのか。

 ダラムサラの中央広場で「FREE TIBET」と刺しゅうされた帽子を売っていた女性(34)は、「対話の再開は喜ばしい。聖なるダライ・ラマが進める非暴力・対話路線を無条件で支持します」と話した。

 こうした好意的な反応が多い中で、チベット独立を要求するグループ、チベット青年会議ダラムサラの事務所を訪ねた。

 対応したダンダップ・ドルジ副議長(29)は憤然としていう。

 「この先どれだけ待てば成果を手にできるのか。今回、対話継続で合意したというが、われわれにとってはゼロ回答に近い」

 ハンガーストライキやデモ行進など、引き続き中国に対する抗議活動を行うことを明かした。

 朝晩は冷えるが、昼間は陽気に包まれるダラムサラの通りには欧米からの観光客が目につく。ちょうどダライ・ラマ法話が行われている期間で、その参加希望者でこの地は通常よりにぎわっているという。中国のチベット族が直面する現状とはまるで無縁のような喧噪が街を覆っていた。

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