パキスタン「自国の容疑者が首謀」 ムンバイテロ

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2009年2月12日21時43分

 【イスラマバード=高野弦】昨年11月にインド西部ムンバイで起きた同時多発テロをめぐり、パキスタン政府は12日、事件にパキスタン人が首謀者として関与し、同国内で計画されたことを初めて認めた。政府は当初、パキスタン人の関与を否定し、インドとの緊張が高まる一因になっていた。インド側は一定の評価をしているが、今後、関与者の引き渡しをめぐりあつれきが生じる可能性もある。

 会見したマリク内務担当顧問によると、捜査当局は同日までに、テロ計画を立案したイスラム過激派「ラシュカレトイバ」の作戦司令官ザキウル・ラフマン・ラクビ容疑者ら8人のパキスタン人を起訴し、うち6人を拘束した。

 捜査結果によると、実行犯らはパキスタン南部カラチを出発してインダス河畔まで向かい、ボートでアラビア海まで出てムンバイに向かったという。隠れ家も特定し、犯行に使われた3隻のボートのうち1隻を押収した。

 犯行直後にインドの報道各社に送られた「デカン・ムジャヒディン(聖戦士)」名の犯行声明は、容疑者らが作ったものだという。犯行の舞台は様々な国に及び、通信機器の購入など犯行に使われた資金はイタリアで実行犯に手渡された。また、容疑者の1人はスペインで拘束された。

 マリク顧問は会見で「テロの一部はパキスタンで計画されたが、協力者はインドにもおり、特定されるべきだ」と語った。パキスタン側はインドに捜査結果を伝えるとともに、インドで拘束された実行犯のDNA情報など30項目の質問に対する回答を求めたという。

 パキスタンは事件発生直後は実行犯がパキスタン国籍であることも否定。その後、国籍だけは認めたが、捜査には消極的だった。しかし、国際社会の圧力で本格捜査をせざるをえなくなった

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この問題では、長年敵対してきたインドとの緊張が高まり、パキスタンが国境近くに軍を集結させるなどの事態になった。今回の発表で事件は全容解明に向けて動き出したとみられるが、関与者の引き渡しや事件への情報機関の関与をめぐる双方の対応によっては、再び非難の応酬が始まる可能性がある。

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 【ニューデリー=小暮哲夫】インド外務省は12日、パキスタン政府が発表した捜査結果について「前向きな結果だ」と歓迎する声明を出した。一方で「インドで容疑者を裁くという目的は残っている。テロを引き起こす基盤の消滅に向けて、(パキスタンが)信頼できる措置を取るよう期待したい」とし、関与者の引き渡しやテロ組織の解体などを求める従来の主張を繰り返した。

印パ間で犯罪者の引渡しに関する取り決めなんてあるんでしょうか。しかしパキスタンが取り調べに消極的だったという気は特にしてなかったのですが、というかパキスタン一国が調べてどうにかなるレベルじゃないと思います。