「写真消せ」、ビデオは没収 厳戒ウルムチ、取材規制

 【ウルムチ(中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区)=奥寺淳】数万人規模のデモの責任を問われ、共産党委書記が解任された中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市は6日、戒厳下に置かれ、外国メディアの取材も厳しく制限された。自治区公安庁のトップも更迭するなど、中国で人口の約9割を占める漢族の抗議活動を胡錦濤(フー・チンタオ)指導部が深刻に受け止めていることをうかがわせた。

 3日に群衆のデモが押し寄せた市政府周辺。武装警官を満載した草色のトラックが横一列に並び、道路を封鎖して「団結安定は正しい、分裂動乱は過ち」とのスローガンが掲げられた。撮影しようと記者がカメラを向けると、自動小銃を抱えた武装警官2人が駆け寄ってきた。

 「何を撮ったんだ。今すぐこの場で消去しろ」

 香港のテレビ局カメラマンは4日、デモを取材中に武装警官に押し倒され、額と足を負傷。撮影したビデオも没収された。

 6日には香港の記者ら計5人が取材中に拘束された。日本の通信社カメラマンも、写真を保存した記憶メディアを取り上げられている。

 ウイグル族のデモに端を発し、当局の発表で197人が死亡した7月の騒乱では、地元当局が取材ツアーを企画するなど現場をメディアに開放した。ウイグル族の「暴動」が多くの犠牲者を生んだという構図を国内外に印象づける狙いも指摘された

 しかし、今回は中国政府が発行した記者証と現地の取材許可証を持っていても「関係機関が駄目と言えば駄目」(市当局)との立場だ。5日には自治区公安庁長も更迭。現地入りした孟建柱公安相が党中央の意向を背景に大なたを振るったとみられる。

やはり今回はウイグル族ではなく漢族のデモというのが、中共を動揺させているようですね。